この3連休は動画とかネットをみて時間を溶かしまくってたわけだが。
これがどうも気になる。
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野球ネタだが、そこにとどまらない感じがするので。
野球に興味ないひともとりあえず下に進んでみてほしい。
記事の中盤ぐらいに、コウある。
スポーツ紙の一面に「鹿取放出」なんて見出しが躍る。練習中、鹿取が藤田監督に真意を尋ねると、「出てもいいよ。もうひと花咲かせたいならね」という素っ気ないものだった。事実上の構想外。もうこのチームにオレの働き場所はないのか。そう悟ったベテランは「わかりました。出たいと思います」と答えた。
いちおう背景をはしょって説明しとくと。
前任の王監督のときは、勝ちゲームやピンチを迎えたら杓子定規のように「ピッチャー鹿取」ってんでフル回転してた鹿取投手であったが。
藤田監督に代わって出番が激減し、上記引用みたいな報道が出たので、みずから監督に談判に行ったというくだり。
すると、藤田監督の返事はそっけないものだったという。
↑上記引用をなぞってるだけじゃねーか!
一見、「キミは戦力の構想には入ってないからね」っていう冷たい話である。
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実際、このころって。
いわゆる先発投手の三本柱(斎藤、桑田、槙原)が確立してきたのと、藤田監督の方針として先発投手は完投すべしみたいな方針があって、リリーバー(死語?)の出番は半減していた。
ジャイアンツは代交代がうまくいったっていうか。
江川とか西本とか加藤初っていう先代の大黒柱に翳りが見えてきた頃に、うまく三本柱が出てきて。
その翌年だか翌々年だか忘れちゃったけど。
セリーグの投手成績で、5位までのうち4人がジャイアンツみたいな感じだったとおもう。
まあ、それはいいや。
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上記引用に戻る。
直談判した鹿取に対して、藤田監督。
「出てもいいよ。もうひと花咲かせたいならね」
一見、「オマエはもう用済みだ。勝手にしたまえ」ともとれる発言。
(↑話が冒頭から一歩も進んでねえ説ぇ)
でも、はたしてそうだろうか?
ってのが、要諦で。
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たしかに、鹿取の出番は大幅に減った。
チームの起用方針が変わり、使いどころがなくなったので。
たぶん来シーズンもこのままいったら鹿取の出番はそうないであろう。
いっぽうで。
鹿取はチーム事情によって出番が減ったというだけで。
実力が衰えたというわけではない。
ってのを、いちばん物語ってるのが何度もコピペしちゃうが藤田監督の言。
「出てもいいよ。もうひと花咲かせたいならね」
の後半部。じゃん!
要するに、藤田監督は配置の問題だけで、然るべき役割が与えられれば鹿取は「もうひと花咲かせ」られるって、力量は認めてるっていうか。
そこは否定してないわけで。
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けっきょく鹿取は、売り言葉に買い言葉みたいな感じで。
球団の慰留も固辞して、トレードを志願する。
そしてトレードされた先で、絶対的な守護神として君臨し。
記事の言い方があまりにもすばらしかったのでパクると、「西武黄金期を築いた最後の1ピースを埋める」活躍を見せた。
そして皮肉にも?鹿取が西武ライオンズに移籍した1990年。
日本シリーズでジャイアンツを4勝0敗と完膚なきまでに屠る。
(そして時代はジャイアンツとライオンズの盟主争いから、野村ヤクルトと森西武の死闘、そして野村ヤクルトとイチロー擁する仰木マジックのオリックスの対決へと変遷していくのであった、とかは措いても)
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なんか、行ったり来たりしてるが。
みたび、藤田監督の言。
「出てもいいよ。もうひと花咲かせたいならね」
これって、「そうとうわかりにきいが深い」愛じゃね?
藤田元司から鹿取義隆への。
そんで、鹿取がそれにちゃんと応えたってことじゃね?
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キクチのこのアレは、ちょっと藤田性善説すぎるかもしんないけど。
藤田元司の生前のエピソードをいろいろ伝え聞くかぎり。
にんげんとして、相当おっきいひとで。
少なくとも、好みとか方針で一選手をつぶすみたいなことはけしてしなさそうばかりか。
慣習にとらわれず、選手をまさに我が子みたいな目線で育てられる器量のもちぬしで。
。。。
ああ、わかりづれえから端的にいうと。
「もうひと花咲かせたいなら=鹿取のチャンスは移籍すればチョーあるよ!」
立場上、言えないかもしんなかったメッセージで。
それが、翌年の屈辱の日本シリーズ4連敗につながっちゃったんだけど。
ソレはソレ(チームの成績)。
コレはコレ(鹿取大復活パンパカパーンやったね!)
ってのが、別個に考えられるひとで。
たぶん、藤田元司なら。
鹿取が「もうひと花咲かせ」たことを心から喜んだんだとおもう。
藤田、デカくね?
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。。。
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鹿取の移籍が噂になったとき。
セリーグのある球団が鹿取を欲しがったんだが。
「同一リーグは義理を欠くから」固辞した鹿取。
かたや鹿取のことを第一に考え、パリーグで全盛期の西武とトレードを成立させた藤田監督。
どっちも、すんごくおっきい。
(ぜんぶキクチの妄想)