かつて「おか野球ずき」(未経験なのにやたら観てはいる)だった者としては。
今年の日本シリーズはわりと一所懸命観てて。あまつさえ、今年はかんぜんにジャイアンツ目線で観てるんだけど、いきなりがけっぷちの3連敗っておいおいおいっていうね。。。
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日本シリーズって7回戦だから、4勝したほうが勝ち方式のすでに3連敗。
ホークスのいいとことジャイアンツのボタンのかけ違いみたいなとこばっか目立つから、ジャイアンツに勝てそうな要素が1ケたりとも見つかんないんだけど。
そもそもというか、実力?戦力?的にはそれほどの差があるわけないんっすよ。
ちょっとした勢いだったり、ジャイアンツのホークスに対する苦手意識みたいなもんが肥大化されちゃったり、そんなちょっとずつの差が形にはチョーデカく表れちゃったってだけで。
もうね、ジャイアンツのピッチャー、みんないいとこで打たれそうだし。
ジャイアンツのバッター、みんないいとこで凡退しそうにしか見えねえわ。
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そうそう。
キクチは東京近郊生まれだから、がんらいわりと熱狂的な巨人ファンで。
20代半ばぐらいまでわりと完全にジャイアンツファンだった。
いまはジャイアンツが嫌いになったわけじゃないけど、関心が薄れちゃったって感じが的確で。桑田がいなくなって薄まり、松井秀喜がいなくなってとどめを刺したという感じ。
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同世代のひとは、とりわけ関東に住むひとはわかるとおもうんだけど。
幼少のみぎりって毎日、夜は巨人戦のナイターやってたじゃないすか。ONの現役時代をまったく知らない世代ならではの。
エースの江川が投げて4番サード原が打つってんで。
情操教育以上の頻度で見せられたら、そりゃジャイアンツをすきになっちゃうし、無条件に江川とか原はスーパースターって埋め込まれちゃってるのね。
いらねえ情報をはさむと。個人的には荒木大輔が最高のスーパースターなんだけど。
荒木大輔がスワローズに入ってジャイアンツ戦に先発したときは、ジャイアンツファンなのに「荒木大輔が完投勝利するけど、原がソロホームランは打つ」ってのがキクチ少年内の理想的な展開で。
何が言いたいかっていうと、原辰徳はそんくらいキクチ内のスーパースター度が高くって、それはいまもつづいておる。だからジャイアンツ、もうちょいがんばれ。第6戦を待ってる人もいるんだぞ?
コレ、このエントリー的にはいらねえ情報なんだな。
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で、原監督率いる、日本シリーズでいきなり3連敗しちゃった今年のジャイアンツ。
局面をここからガラッと盛り返すには、ラッキーボーイ的なひとの出現が必須で。
「ラッキーボーイ」っつっちゃったケド、きょうび、たぶん同義のゲームチェンジャーって言葉をなんだかやたら耳にするようになった。
「ゲームチェンジャー」って、いいよね。
自力で流れをこっちにもってこられるひと。
ラッキーボーイ的な軽さと仕事師的な風情をひっくるめて、すげえ伝わりやすい。
しかし最近いきなり、やたらと耳にするようになった。
アメフトで2、3昔前からやたら「モメンタム」「デザインされたプレイ」を耳にするようになったのとおんなじようなニュアンスで。
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ゲームチェンジャー。
「ラッキーボーイ」って上述しちゃったけど、要するにそういう起爆剤になりうる実力なりフインキなり運なり、期待感を抱かせるようなひとで。
競技で「ゲームチェンジャー」って言葉をことさら遣うのは、駅伝が多い気がする。
序盤1区2区で出遅れた流れを、こっちに寄り戻す走りがでける存在。
こっちに来かけた流れを、決定的なものにして勝負をキメる存在。
フインキが悪くなったとき、「このひとが出てきたからもうダイジョブ!」って実は何の根拠もないのに、みんながおもえちゃうような存在。
おしごとでもあるじゃんね、さんざんゆきづまってもうどうにもならない感じになってるのに、「きょう、○○さんが顔出してくれるらしいよ」って風評だけですでに「コレ何とかなるんじゃね!」ってみんなおもえちゃうひと。
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つい先だってのクイーンズ駅伝でいうと、
積水化学の選手たちは「新谷仁美にいい形でつなげられればどうにかしてくれる」だったし、日本郵政の選手たちは「鈴木亜由子なら何とかしてくれる」って目線だったんだろうし。
そういう存在。
今年の全日本大学駅伝でもし青学が勝っていれば、神林勇太がその役割をカンペキに果たしてたな。
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かたや、先だってのクイーンズ駅伝でいえば。
日本郵政が優勝したのって、新谷仁美と同区間で圧倒的な差をつけられてスポーツニュースで名前も出なかったのに、実は区間新記録を出すぐらい粘って新谷に言うほど差をつけられなかった鍋島莉奈が、超絶ポイントで。
んなこと、さもキクチが発見しました的なことじゃなく誰でもわかってんだろうし、確かに鍋島すげえっておもったけど、それはゲームチェンジャーっていう役割とは違うよねってことで、措きたい。
ここではそれはどうっでもいい。
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まあその。
このエントリーで言いたいのは「ゲームチェンジャーってwktkするよね」っていうクソ薄っぺらい浅いことだけで。
じゃあ、そういう文脈で「ゲームチェンジャーといえば?」って、真っ先にキョライするひとって誰なんだろうな?
武石中の三井寿? フィクションじゃねーか!
あ、あれだ。
長野五輪のジャンプ団体、岡部の2回目だなおれは。
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圧倒的に優位に立ってた日本チーム。
1回目3人目のグループのとき、天候がいきなり最悪になる。
気の毒でしかないコンディションの中、原田がやらかしてしまい、圧倒的にトップに立ってた日本チームは一気に4位に落ちる。4人目の船木もそれなりに飛ぶが、挽回できない。
1回目を終わって、まさかの4位。
折しも天候はますます最悪になり、長い時間の中断。
このままいけば競技打ち切りで、そこまでの成績が反映され、金メダルを期待されてた日本は4位と、メダルすらとれないってことになりうる。
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中断後、2回目1人目の岡部。
137メートルの大ジャンプをカマしてふたたびトップに立つ。
2人目の斎藤もうまくつなぎ。
3人目の原田が今度はものすごいジャンプをする。
「立て立て、立ってくれ!」のやつ。
そして4人目、世界一飛型がきれいな世界チャンプ、船木がキメ、日本は金メダルを獲る。
めでたしめでたし。
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コレ。
主役はエース船木であり、ドラマ性のカタマリ・原田。
そんときキクチは大学4年生で、サークルの部長だった長谷川クンとモノマネをしあってた。
原田の「交代、交代」、「ふなき〜」、あるいは清水宏保が金メダルをとったスピードスケートのスターターの、あまりにもためる「レーディー。。。」
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でもクソシロートだけど、長野五輪のジャンプ団体で日本チームが金メダルを獲れたのは、岡部の2回目で巻き返してトップに立ったおかげで。
当時、リアルタイムでこたつでみかん食いながら中継をみてたんだけど。
実況アナウンサーが「大ジャンプだ!岡部!」って言って、同時に映像ではランディングした岡部孝信が天高く右の拳を突き上げるシーン、いま観ても感情が抑えきれない。
コレの8分30秒ぐらい(↓)。
これぞ、ザ・ゲームチェンジャー!
(あとは、WBC韓国戦の福留の逆転ツーランかな。めんどくさいからこっちは映像カツアイすっけど)
で、岡部ってクールガイで。こんときも必要以上にドヤらないし、金メダル決めたあとも船木とか原田を立てて静かーにしてんのね。
そういう岡部がまた、たまらねえ。
超絶高所恐怖症でスキーを1回しかやったことないキクチが、こうやってオリンピックのジャンプを語るわけですとか、もうねw
っていうか、話の流れからして野球か駅伝でたとえを出せよ、岡部はそうかもしんないケド、ここではそこじゃなくね? 福留カツアイすんなよ。っていうねw
自問自答タイム。
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。。。
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あ。あと。
「ゲームチェンジャー」とはぜんっぜん関係ねえかもしんねえケド、きょう。日本シリーズの第3戦を観てていちばんキクチのハートにゲットオンしたのは。
ホークスがリードしてて、ここで追加点をあげればホークスの勝ちが決定的になりますって局面で凡退しちゃって、死ぬほどくやしがってた長谷川勇也だな。
あれはホークスナインの心に点火したってうか、こういう選手がいるからホークスってつおいんだなって、納得するしかないじゃないすか。
今年の日本シリーズは全面的にジャイアンツに肩入れするって決めたのに、ぜんぜん知らねえ長谷川勇也をすきになりそうになったもん。46歳のじじいなのに、いっしゅん抱かれてもまあしようがないよねぐらいおもえたもの。
キクチってホント、クソちょろいよな。