キクチヒロシ ブログ

絶滅寸前の辺境クソブログ。妄想やあまのじゃく。じゃっかんのマラソン。

くしゃみテクニック

さっき雑踏にたたずんでたら、右斜め後ろにたたずんでるおじさんがくしゃみを連発しておって。

 

キクチがそこにいた5分ぐらいの間、右斜め後ろのおじさんは10秒間隔でくしゃみをしておって。

季節がら、風邪をひいたのか花粉症なのかは知らんが、とにかく10秒おきに連発しておった。

 

 

くしゃみって山びこ打線みたいな側面もあるじゃないすか。

一度くしゃみすると次のくしゃみを誘発するみたいな。

にしても5分は相当なもんである。

誘発が過剰である。

 

でいて。

その次から次へと繰り出されるおじさんのくしゃみは。

音にすると「くっっ」てえの?

サイレンサー付? みたいなタイプなのでよけい気になっちゃって。

 

キクチはとちゅうから、スマホを見るフリして全神経が右斜め後ろのおじさんにもってかれた。

箱根駅伝の復路スタートみたく。

前の走者がスタートすると次の走者がスタートするためのカウントダウンをはじめるのくり返し。

やっぱりほぼ10秒間隔でサイレンサー付くしゃみを連発しておる。

 

 

あれってなんだろう?

 

 

「あれってなんだろう?」には2つあって。

 

1つは温存タイプ。

先発完投型っていうか。

9イニングを投げ切るためには、最初っから全力で「へっくしょーい!」って飛ばしてたらとても最後までスタミナがもたないじゃない?

ちゃんと完投するための「くっっ」。

 

たんたんとキロ6分を刻んでマラソンを完走する的な。

 

もう1つはたんじゅんに?個性。

キクチは「へっくしょーい(チクショー!)」派だから体感的に「くっっ」派のメカニズムはわからないんだが。

キクチにとってくしゃみ=「へっくしょーい(チクショー!)」であるように。

そもそも、そのおじさんにとってくしゃみ=「くっっ」なのかもしれない。

 

地声が高い人に「あなたは何でそんなに声が高いんですか?」っつったって。

そもそも声が高いんだから、そんなこと知んねえよってなもんで。

 

 

いっぽう。

「くっっ」だからといって必ずしも出力を温存してるとは言い切れない。

(おっ、調子でてきたでてきた!)

 

むかし、ゴジラ松井が全盛期を迎えるころ。

解説の掛布だか中畑だか忘れちゃったが。松井のコレはすげえテクニックなんですよって解説してるのを聞きかじったことがある。

 

いわく。

松井は打つ瞬間、前に踏み出した右足をグッと踏ん張ってカラダ側に引き戻すんだと。

ふつう?、スイングの回転動作とともにピッチャー側に重心が移行するものを。

前足を踏ん張ってカラダの回転軸にエネルギーを集約することによって、爆発的なパワーを生み出す。

それがすごく高等テクニックなんだと。

(むかしのあやふやな記憶で書いてるから、正確性は知らんがだいたいそんなんようなこと)

 

「くっっ」も、一見省出力のようでありながら。

外に発散しきらないことで、むしろ爆発的なパワーを生み出してるのかもしれない。

「1回から9回まで全力投球で完投するぜ!」みたいな。

「短距離ダッシュのペースでマラソンを完走したる!」みたいな。

 

 

なお。

よしんばそうだ(実は「くっっ」のほうが出力高い)としても、右斜め後ろにいるおじさんがそうする必然性はどう考えても皆無であろう。

 

ザ・机上の空論。

クソどうっでもいい。

 

 

んで、キクチ的に終盤にさしかかったころ。

すっかり、「カウントダウンからの『くっっ』」のリズム感に魅了されてたころ。

 

「へっくしょーい!」出ました!

 

やっぱ、体力温存タイプだったのかな?

予想だにしない「へっくしょーい!」にそれまでの心地よいリズムを崩され戸惑いを隠し切れずにいながらも。

 

あっ、打ち止めってことなのかな? 察した。

花火大会のラスト、六尺玉連発みたいな。

9回だけ本気のストレートを投げて三者連続空振り三振で試合を締めくくる江川みたいな。

 

よくわかんねえケド、なんとなくナットク感たけえ。

 

 

しかしして10秒後。

ふたたび「くっっ」。

それからもまた10秒おきの「くっっ」再開。

 

キクチは超ウルトラスーパー釈然としないまま、その場を離れたんであった。