こないだの土日、家にいたらばピンポーンって鳴った。
(あ、いざというときの埋め草的なエントリーっていうか何つうか)
(あまつさえ、これが公開されてるころはもう、世間的には「そんなこともあったっけ?」ってなってるかもだけど)
(狛江の強盗殺人から10日あまり後の話な)
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あの事件のあと、10日間は川沿いの道が封鎖されてて。
おまわりさんが24時間、立ち入り禁止の黄色いテープのとこに常駐してて。
9日目だか10日目だか、夜に10年に一度の大寒波が来て。
あまつさえ、朝起きたら超絶豪邸のチャリがすべてなぎ倒されてたぐらいのものすんげえ強風だったのに。
おまわりさんはちゃんと、夜どおし川沿いの道の黄色いテープのとこに立ってて。
「こんな重労働ねえわ」っておもった。
のは措いても。
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警察の発表だか、メディアの取材だかで。
「言われてみればあやしいひとがうろついてた」的な近所のひとからの証言も出たりして。
「おなじ近所」としてけっこう切実におもったのは。
これは別に責めてるとかdisってるとかじゃなく、現象?として。
「ペラペラ喋っちゃうひとが近所にふつうにいる」ってことで。
ってのも措いても。
(余談ばっかみてえだが、確実に言おうとしてることに近づいてるからもうちょっとガマンしてくれい!)
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その近所のひとの証言でニュースのなかに。
飛び込み営業ってのがあって。
いちばん取り沙汰されたのが。
「近所で工事をしてたらお宅の屋根が見えて」
「(瓦が落ちそうなり、繋ぎ目の留め具が浮いちゃってるなり)劣化してるから工事したほうがいい」
「つきましては、屋根に上らさせてもらって詳しく様子を見てもいいすか?」
ってので。
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よしんば屋根(敷地内)に入らせちゃったら。
どうせこちとらどもは日常、屋根のうえなんかよく見えないんだから。
それをいいことに、逆に破壊して工事に漕ぎつけられたり。
専門的っぽい用語をテキトーに並び立てて、法外な費用がかかる工事に漕ぎつけられたり。
そういう、悪質な工事業者のセールスもあると。
悪質なセールスで済むんなら。
1万歩ゆずっていいとしても。
ドロボーさん(広義)の下見だったりして。
屋根の様子を見るていで、家の様子をリサーチしてるとか。
盗聴器的なものを仕掛けてるとか。
ピンポーンに出てきた家のひとの様子などなどから、いろいろ探りを入れてるとか。
そういう可能性もあるわけで。
みたいなネットニュースもガシガシ出てて。
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要するに。
何しろ、ごく近所でほんの数日前にあんなヒドい事件が起きちゃったもんだから。
近隣あまねく、自分ごととしておもくそ300%以上、ピリッピリに警戒してて。
言っちゃえば。
「よく見知ってるひと以外、全員疑ってかかる」とか。
よしんば「よく見知ってるひとですら疑いの目で見ちゃう」ぐらいのピリピリ感なわけね。
一帯みんな。
「そんな人間不信のかたまりみたいのやだなあ」
キクチはすげえそういうふうにおもうし。
たぶん、近所のひともほんとうはおもってるんだろうけど。
そうならざるを得ない状況が状況だから、しようがなくはないけどしようがない。
って飲み込むしかない。
みたいな。
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冒頭に戻ると。
っていう状況で。
ほんとうはピンポーンをシカトしようとしてたんだが。
折しも、ムスメっこが勢いよく階段を下りてきて。
その音がわりと轟いてたので。
仕方なくインターホンに出てみたらば。
「壁の修理のご案内でーす」ですってさ。
「最近、○○さんが出てるCMがよく放映されてる」
「あの会社の者なんですけどーご存じですかー?」ですってさ。
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(まあ、玄関口には当然出てかなかったんだけど。)
(そもそも、インターホンすら出ずにシカトしててよかったんだけど。)
それがモノホンにせよ、悪徳業者にせよ、ニセモノにせよ。
いま/近隣のこの状況で/ここらへん一帯、で。
そういう飛び込み営業かけてくるっていろいろすげえなっ!!!
おもったおもいましたとさって話で。
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キクチは営業をやったことないからわかんないんだが。
彼がそういうことにもめげずに飛び込み営業できる敏腕? なのか。
営業っていうのはそんくらいガツガツしないと生きてけない職種なのか。
超絶ブラック企業か何かで無理を承知でいやおうなく行ってみろなのか。
彼のメンタルが無敵レベルなのか。
彼がガチでバカなのか。
いずれにせよ、すげえな! としか言いようがないし。
生産性?という観点からも、きわめて非効率的だし。
実際に通報されちゃったりもしてんじゃないかなあ。
っておもった。
キクチは(迂闊にインターホン出ちゃったのは失策にしても)それ以上は何の手がかりも与えないようにしたし。なので、通報もしなかった。
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強引にまとめると。
彼の素性は知らんが「そういうひともいる」ってことで。
てめえの尺度における常識とかアタリマエとか善悪とか、を大きく飛び越えたひとはふつうに?いるってことで。
考えれば考えるホド、じぶん以外の誰も信じられなくなるんだが。
そんな精神状態でこれからずっと過ごすとしたら
すんげえぜったいイヤだあああああ。