キクチなりの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」のまとめなんすけどね。
つくりとしては。
(って言いぐさは何か半可通ぶってるみたいですごいやだな。。。)
昨日が実質的な最終回で。
最終回のきょうはエピローグ。あとがき。おまけ。
という、よくあるっちゃあるパッターン。
朝ドラの(まあ、朝ドラにかぎらず物語全般でなんだけど)最終回の王道っちゃ王道である。
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あだち充の『タッチ』はそのテンプレみたいなもんで。
最終回のいくつか前で達也が南にあいらぶゆー的なことを言った時点で。
物語は大団円をむかえたわけで。
そのあと何話か、甲子園でどうしたとか何やかやはすべてエピローグ。
みたいなことを作者のあだち充も言ってるし。
最後の一コマで、達也の部屋の掃除を終えて階下に降りてゆくお母さんの足音とともに、達也の部屋の棚の一角がググッとアップになり、そこには甲子園の優勝記念プレート。
という天才すぎる表現力が、『タッチ』という傑作のすべての空気感を表してるじゃないすか。
あ、『タッチ』に熱くなりすぎたが、だいたいそんなんような感じとして。
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『カムカムエヴリバディ』というドラマのテーマは
人と人との縁・つながりはいかに大切か
であるとキクチは勝手におもっておるんだが。
3代のヒロインが織りなす物語のなかで。
るい(2代目ヒロイン)が子どものころ母・安子(初代ヒロイン)に「I hate you」と言い放って断絶された親子のつながりを。
最終回の1コ前で、るいと安子が再会し「I love you」と囁きかけて縁・つながりがいっそうつよく修復される。
というところで実質的に終了。
みんなだーいすきな伏線回収で言うならば、
伏線が「I hate you」で
回収が「I love you」。
デメタシデメタシ、と。
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。。。
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このエントリーで何を言いたいかというとですね。
そのエピローグたる最終回で。
脚本家(と演出家?)が見事にやってくれましたな! と。
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あ、朝ドラ観てないひとにとってはなんのこっちゃなんだろうが。
置き去りにしたまま、話を進める。
そもそも、こんなクソ辺境はそもそもさほど需要がねえので安心安心w
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何度か折に触れてほざいてるし。
この朝ドラでも視聴者の関心を集めてきたのは、いろんな伏線の回収。
「アレはどーなった?」
「コレはどー回収してくれんの?」
クソやっかましいぐらいに。
んで、これはあくまでキクチの解釈なんだけど。
「この最終回は、脚本家(と演出家?)の復讐だな」と。
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最終回の15分間で、ほったらかしの細かい伏線をほぼすべて、矢継ぎ早に回収したわけよ。
きぬちゃんのこととか。
「たちばな」のこととか。
「夫の田中」のこととか(←小ネタ的にコレが最もツボった)。
モモケンとすみれのこととか。
でぃっぱーまうすなんたらのこととか。
「ラジオ英会話講座が織りなす親子3代100年のストーリー」と最初にぶち上げたわけとか。
ほぼぜんぶ。
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もう何つうの?
「ゆく年くる年」で年が明けた瞬間から、永平寺とか清水寺とか明治神宮とか地方の名刹とかを「こちら○○です!」って怒とうのようにリレー中継してくじゃん?
あんな感じで。
わかりづれえ?
キクチは朝のBSとNHKの2回みたけど追いついてないので。
これから深夜のBSの再々放送とそれを撮ったビデオをあと何回か観て、なんとか咀嚼したいとおもう。
この土日のタスクは咀嚼と焼け石に水大作戦の二段構え。
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それで、ですね。
上記「復讐」なんてぶっそうな言葉をもちいたが。
ロンのモチ、きわめていい意味で、ものづくりの醍醐味的な意味合いでもって。
「ほらほら、じゃ、最終回はエピローグとしてあなたたちが望んでる伏線の回収とやらを15分でぜーんぶかたっぱしからやってみせますよ。はたしてついてこれるかなー?」
をしてのけたわけで。
それがものすごく痛快っていうか、おおすげえな!っておもった。
おもいましたとさ。
というだけの話。
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エピローグ、という。
言ってみれば、本番レースで全力を出し切ったあとのクールダウン。
の場において。
あそびとして、最後にそんなプレイでダメ押しする。
という、エピローグを逆手にとった感。
ヤラレマシタネ。
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ただ。
「『ほぼ』ぜんぶ」と上記ほざいたように。
ひとつだけ回収されてないのは。
「風間俊介演じる弁護士(の卵)だけほったらかし」
そこに何か深い理由でもあるのか。
わざとしなかったのか。
はたまた、ただのチョンボ(言い換えると「平凡なミセスをおかす」)なのか。
が謎のままなんだよね。
それがまたいい。
「来週末のかすみがうら、完走できるの?」
という謎ぐらい、なかなか深い。
いや、来週末のほうは徹底的に浅いのだ。
のだ。