キクチヒロシ ブログ

絶滅寸前の辺境クソブログ。妄想やあまのじゃく。じゃっかんのマラソン。

マラソンの進化

昨日は朝からテレビで大阪マラソンを観ていた。

解説はこないだ現役復帰を表明した大迫傑。

 

 

大阪マラソンは今年からびわ湖毎日マラソンを吸収合併?した。

びわ湖毎日マラソンってのは現存する国内最古のマラソン大会で。

国内随一の大型市民マラソンである大阪マラソンとひっつき。

今年はコロナの影響でエリートランナーのみの参加となった。

 

その発表が数週間前なので、周辺からも怨嗟の声が聞かれてきたりもした。

それを目指してきたひとにしてみりゃ、モチベーション的にも安くない(なぜかバカ高い)エントリー費的にも、「しようがない」では割り切れない気持ちを抱えるのも当然だとおもう。

 

「金返せ」的な話になる気持ちもわかるが。

エリート向けとして開催して、交通規制にも運営にも一定の金がかかってるんだから、もし返ってきたとしてもただの中止よりちょっとしか返ってこないんだろうし。

 

いじわるな言い方をすれば、カツアゲ式のクラウドファンディングみたいなもんだよね。

いつの間にか電気代になんたら賦課金みたいなものがトッピングされてた、的な。

 

違うな。アウトラインをさらっと述べるつもりが、どうでもいいことほざいちった。

 

 

。。。

 

 

中継の中で、1946年に開催された第1回の現びわ湖毎日マラソンの映像と情報が流れた。

大阪のお寺がスタートゴールで、

選手はみな地下足袋(金栗足袋?)で走り、

優勝記録は2時間45分ぐらいだったという。

 

終戦直後で日本がみんな栄養失調みたいな時代。

足もとは地下足袋で、たぶん舗装もそんなにされていないんだろう。

(練習環境含め)

 

「いくら国内の一線級とはいえ、それで2時間45分はすげえな」

観ててたんじゅんにそうおもったし、そのVTRを流した意図のいくばくかはそれも含まれていたんだとおもう。

 

 

「いまはトレーニングや栄養の科学も発達しましたし、厚底シューズが当たり前になってさらに記録が伸びましたしね」

実況アナウンサーが言いつつ、大迫傑に話を振る。

 

それに対して大迫傑。

「確かにそうかもしれませんが、走っているのは選手本人。彼らの日々のがんばりのほうに目を向けるべきだとおもいます」

(例によって、発言は一字一句正確ではないかもしれない。記憶頼りでニュアンスだけ汲み取ったものなので)

 

 

コレ。

どっちがいいとかよくないとか、

正しいとか間違えてるじゃなく。

 

視点の違いだけでどっちも正しい?し、納得でける。

終戦直後のあの環境で2時間45分で走ったひとたちもすごいし。

いま、特にサッコンの「サブテンってもう死語なの?」ってぐらい上位が当たり前に2時間ヒトケタで走っちゃう、最先端のトップランナーたちもすごい。

 

 

スポーツ全般で往々にして語られることだが。

時代時代の環境や当時当時の記録水準があるのだから、必ずしも客観的な数字を比較して論じることはできない。

ってとこが、とりわけ陸上競技みたいな記録が前面に出るスポーツですら適用できる。

という矛盾?って、何かたまらなくいい。

 

 

むかしの「悪路を地下足袋でフルマラソン走る」なんてキツいだろうなあとおもうし。

今の「30kまでペーサーがいるんだから、そこまでは5k15分を刻めて当たり前」ってのもそりゃキツいよなあっておもう。

5k15分ってマラソン2時間6分35秒だもんな。

言っても日本歴代6位相当だぜ。

 

「瀬古や高橋尚子が全盛期に厚底シューズで走ったらどんくらいの記録が出たんだろう?」っていう妄想は、実現不可能な妄想に過ぎないからこそロマンがとめどない。

ということもある。

 

 

あ、キクチはこのエントリーでほんとうは。

「大迫傑のバランス感覚と言語化能力ってすばらしい!」

みたいなことを言おうとしてたんだったっけな。

おくびにも出てねえじゃねーか!

 

 

大迫傑は、上記したようないまの選手としての意見を言ういっぽう。

往年の名選手をちゃんとリスペクトしているということも、放送中なんて言ってたか忘れたけどうかがい知れた。

 

何を聞かれても(発言はときに優等生的だったり逆にやや突飛だったりもするけど)ロジカルに答えられるということは、それだけ常に物事について深く考えているということなんだろう。

 

大迫傑の走りをもっともっと観てみたいし、

大迫傑のトークももっともっと聴いてみたくなった。

なりましたとさ。