キクチヒロシ ブログ

絶滅寸前の辺境クソブログ。妄想やあまのじゃく。じゃっかんのマラソン。

断絶、みたいなこと(後編)

義弟が出してきた書類は、婚姻届であった。

ぱんぱかぱーん!

 

「明日、区役所に出しに行く」

ってんで、新郎?の保証人欄にサインをしてほしいらしい。

「荷物を届ける」は口実で、真の用事はこっちでござったか。

 

ひゅーひゅー!

(芸風ちょっとおかしいな。。。)

 

 

断る筋合いはないので、サインして。

せっかくなので山奥から実印を引っ張り出してきて捺す。

 

「いやあ明日、こいつの誕生日だからさあ」

訊いてもねえのに、デレデレな義弟は理由を話しはじめる。

 

ハイハイハイ、いまのアンタは無敵、無敵。

 

 

「そんでね」

義弟がちょっと神妙に仕切り直す。

どうやら、婿養子になるらしい。

 

にょうぼうは結婚してキクチになっちゃったし。

義伯父は独身貴族の後期高齢者なので。

義弟が婿養子に入るってことはすなわち、

にょうぼうの旧姓が断絶するということである。

 

義妹?新妻?の実家は2人姉妹で

おねいさんが既にお嫁に行ってんだけど。

カノジョの段になって、急に苗字を残したくなったらしい。

まあ、地主らしいし。

 

 

義弟はちょっと申し訳なさそうにしてるが。

にょうぼうとおれは。

「義弟がそれでよけりゃいいんじゃん?」

って即レスした。

 

エア夫婦とはおもえない、この呼吸のぴったりぐあいw

 

いやいやいや。

これはこないだ正月ににょうぼうの実家に行ったとき。

あくまでも可能性としてってことではあれど訊いてたので。

「あ、やっぱりそうすか」てなもんで。

 

にょうぼうの実家は別に名家でもないし

そもそもそういうこだわりはないし。

義父母が生きてたとしたら少しは波風立ったかもしれないけど、とっくに天国いっちゃってるし。

 

てんで、瞬時で解決。

デメタシ、デメタシ!

 

(にょうぼう自身は旧姓を)

(ちょっと変わった苗字ということもあってか)

(ものすごく気に入ってはいる)

 

(んだが、それとこれとは話は別で)

(にょうぼうがいいってんならノー問題デアル)

 

 

その環境。

ベクトルのこっちに向けてちょっと考えると。

キクチとておんなじだ。

 

妹は嫁に行っており。

キクチにはムスメっこ1人。

 

将来。

ムスメっこが嫁に行けばキクチは断絶するし。

ムスメっこがもし独身のままでも、

いずれにしろキクチは断絶待ったなしなわけで。

 

 

それはいま判明したことじゃないケド。

うすうすおもってたことではあるケド。

キクチ家もまったくの名家ではないからどうでもいいんだケド。

 

なんつうか、ちょっと考える。

 

というか想いを馳せる。

こむずかしいことやややこしいことじゃなく

妄想100なやつな。

 

 

というのは。

キクチがいま存在してるってことは。

(これは脳みそ不足だてらの盲点/世紀の大発見なんだが)

(あ、「キクチ」ってのは苗字じゃなくおれのことね)

 

人類が地球上に出現したのは何百万年前だか知らねえケド。

それからキクチの先祖が1度たりとも絶えず子孫をつくり出してこなかったら、ヒロシは存在してないわけで。

 

いきなり「新しい人類・キクチ爆誕!」なんてことはないわけだから。

 

そう考えると。

じぶんがいまコウ存在してるってすげえなとおもうし。

じぶんの代? ムスメっこの代?

で、その、支流の支流のそのまた支流かもしんないが、連綿が1ケ断絶するってのは。

すんごくおっきいスケールで考えると、わりと一大事だよね。

 

なにしろ何百万年織りなしてきた伝統芸能だもの。

 

 

だからどうだってんじゃないが。

そうでしたとさってだけの話。

 

 

。。。

 

 

でもでも。

たとえばムスメっこが嫁に行ったとして。

男の子が2人できたとして。

 

向こうが理解がいい人なら。

「どっちか1人にキクチを名乗らせる」

っていうザオリク・オブ・キクチなルネッサンス手段もありうるんだな。

 

ま、あくまで机上の空論としてだ。