キクチヒロシ ブログ

絶滅寸前の辺境クソブログ。妄想やあまのじゃく。じゃっかんのマラソン。

12月8日

明日OBAなボスが、帰り際に言う。

「明日は12月8日だね、キクチくん」

 

おしごとがテンパってるフリをしてるキクチは、ハッと赤ペンを投げ捨てる。

「もう41年っす、ねえ」

 

 

蜘蛛の糸みたいなごくほっそい縁を頼りに、丸腰でボスの事務所に転がり込んでから丸19年になる。

 

結婚した直後だ。

 

有象無象でしかなかったキクチに。

ボスが関心を示してくれたきっかけはいくつかある。

 

野球ずきだったこと。

なんの取り柄もなかった(いまもない)こと。

百人一首を全部おぼえてること。

血液型がO型であったこと。

 

齢のわりに(リアルタイムじゃねーくせに)、ボスがビートルズに関して振ってきた雑談にぜんぶ受け答えできたということ。

 

 

それらがからみ合ってって。

コロナ前までは、ふつうに飲みともだちのように週2か週3はサシで飲んでた。

 

「ボクはB型なんだけどね、O型の人と相性がいいらしいんだよ」

「そんでこのキクチくんっていうのはO型らしいだけどね、若いくせにぼくよりビートルズのこと知ってるんだよ」

気の合うライターさんとかと飲みに連れていかれたとき、そんなんふうによく紹介されたっけな。

なあんつって。

 

 

ボスはコロナになってから。

あんだけ頻繁に飲んでたのに、いっさい飲まなくなった。

 

ちょっとコロナが落ち着いてるきょうび、とか。

 

 

夕方に、へんな雑談が盛り上がる。

前までなら「これはきょうはイク流れだな」

おしごとをテキトーにぶったぎって。

酒場に向かう準備をしてたんだが。

 

ボスはそんなんわけで。

きょうも「それじゃ、ぼくはここらへんで」

帰ってしまう。

 

ようになってから、もうすぐ2年経つ。

 

 

あ、冒頭の「OBA」ってのは。

弊社独自の鉄壁ルール。

「還暦を超えたら週休3日」

 

水曜日はボスがOBAにしている日なので。

明日12月8日は出社しない。

 

OBA = Old Boys , be Ambitious!

その1日をうまく使って、これからなんかやらかそうぜ!

 

 

明日12月8日はジョンレノンの命日である。

ということを。

 

当日、OBAでいねえからってんで。

わざわざ前日のさっき言ってくるみたいなボスを。

「あ、いま気づいたんだけど、そういえばさあ」っていうていでわざわざ言ってくるみたいなボスを、キクチはたまらなくリスペクトしておる。

 

 

「もう41年っす、ねえ」

ボスに返す言葉はそれだけでよかった。

 

1980年に40歳で没したジョンレノン。

すでに生きてた日々より、死んじゃったあとの日々のほうが長くなってしまったんっすねえ。

みたいなことは、いちいち言わなくても伝わってる。

 

「じゃ、きょうは帰ります。明日はOBAで」

「はい。おつかれさまです」

 

 

ボスと飲みてえええええええ!

 

 

。。。

 

 

12月8日といえば。

1941年の12月8日は真珠湾攻撃の日でもある。

(上の、ボスとの縁をつないでくれた恩人のお誕生日が、そういや12月8日だ。)

(もう長いこと、年賀状のやりとりだけでご無沙汰しちゃってるな。)

 

80年前。

 

父親は真珠湾攻撃のおよそ二週間後。

12月23日に生まれた。

「ってことは、生きてりゃ今年80か」

「すげえな」

 

父親は64歳でいなくなった。

そりゃ、病気がヤバくなったラスト3ヶ月ぐらいはアレだったケド。

ふだんどおり仕事をしておった。

 

(実母とか裏ボスとかボスをみててつくづくおもうんだけど)

(70代になると、なんらかいやおうなく「一段老いる」もんじゃん?)

 

 

でも60代って、わりとまだ現役バリバリの若さみたいなものがぜんぜんあって。

「父ちゃんが生きてたら、今年80かあ」

っておもうだけで。

 

元気だった60代の姿から、ifいま80歳だったらみたいな姿は(よしんばどう元気であったとしても)もはや想像できない。

 

ってことはある意味、とてもいいことのような気がする。

一線でやってたころの元気な姿だけを真空パックでけてる?ってえの?

(わかりづれえ?)

 

 

どこからか、話がチョー、ブレ出したなw

 

きょうはジョンレノンのことを言いたかったんだけど。

(こっからがいまさら、きょうほんとに書きたかったことぇ。。。)

 

 

。。。

 

(たぶん最近の傾向からして、こうなって以降はぜんぶ読むに値しないいらねえ情報デアル)

 

 

ボスの帰り際の言葉を聞いてから。

脳内はすっかりジョンレノンで。

ひさびさに曲を聴いてみたら、やっぱたまらなくいいのね。

 

イイ!青臭え!イイ!みたいな。

(勢いに乗って「キクチ・オブ・ジョンレノンベスト10」みたいなことをやり出そうとおもったが、あまりにみっともないのでよしとく。)

www.youtube.com

ビートルズ(およびそれぞれのソロ)をいちばん一所懸命聴いてたのは、高校生から大学生のころで。

 

そのころ、見たり聴いたり読んだりしてたものって、ある時期からいきなりクソつまんなくなって、以後、二度と触れたくなくなるってあるじゃないすか。

当時、あんなに夢中になってたのに。

 

 

っていうのは。

そのとき夢中になってたのは。

「なんだかじぶんのいまの心情に寄り添ってくれてる」っていう錯覚が織りなしてたからで。

 

ある時期、その錯覚に気づき「クソ青臭え!」ってなる。

 

 

あ。

「青臭い」自体を否定したいんじゃなくって、

青臭かった時代のじぶんに蓋をしてしまいたくてしようがないみたいな感じ。

 

その当時のおのれの思考・心情を思い返すだに、その場でシャツをビリビリに破きたくなるような、いたたまれないクソこっ恥ずかしさ?

みたいなやつ。

 

太宰治とかさ、寺山修司とかさ、ミシマとかさ、村上春樹とかさ。

 

書斎の奥にもうずっとねむってて、たぶん二度と読み返さないんだろうけど、じゃあ古本屋に売っぱらっちまうかというと、それはちょっともったいないかなっていう。

所得資産税的にいえば、ごくつぶし。

 

 

ジョンレノンもある時期、そういうたぐいで。

「for black and for whites」

「for yellow and red ones」

「Let's stop all the fights」

 

出た、政治をからめるやつwww

若者ウケのよさげなやつwww

ってなったんだけど。

 

 

なんかさ。

ジョンレノンの何が気に食わなかったかというと。

キクチはどうしてもオノヨーコなんすよね。

 

どう表現していいのかわかんないケド。

なんか、ある時期からいつもしらっとしゃしゃってくるっていうか。

「ああ、いい曲だなあ」っておもっても、

のべつヨーコがチラチラ出てくると、いきなりチョー萎えるわあみたいな。

 

※個人的な感想です←超絶流行語ぇ

 

「そこになんでいつもサブリミナル的にサイバラ?」

っていう、高須クリニックのCMをみるたびにチクチクするのとおんなじようなアノ感じ?

 

 

でね。で、ですね。

そのへんな20世紀的な青臭さに。

太宰も寺山もミシマも村上春樹もふたたび読み返すことはけしてないのに。

 

『南極物語』でいうとフーレンのクマかってぐらい。

行ったきり、二度と戻ってこないのに。

 

ジョンには、なぜか戻っちゃうのよ。

半年か1年に1回ぐらい、どうしても。

 

 

あんだけ「出た出た、娯楽に政治的メッセージからめるとかないわあ」だったはずなのに。

 

「for black and for whites」

「for yellow and red ones」

「Let's stop all the fights」

 

うおおおおおおおおお!!!!!

これがもうね。

なぜだか中高年なキクチの腰と肘とハートにかろやかに打ちふるうのね。

「そうだよ、なかよくしようぜ!」なんつってね。

(謎のとつじょブランキー爆誕ぇw)

 

それって、何なんだろうね?

太宰テラヤマうんぬんと、ジョンとの違いがどこにあるのかはわからないし。

てめえの内の機微なのに、説明がでけない。

 

 

。。。

 

 

そのコウ。

あのさ、ジョンレノンに戻るとさ。

 

ジョンレノンってけっきょく40歳で命を閉じたわけだから。

曲も詞も、30代以前につくったものなのにさ。

 

46歳のおじいさんが、いまだにそうやって30代の若者に心を揺さぶられまくり。

なにおめえ、たぶらかされとる?

ってのをおもう。

 

おもうんだけど、しようがないんだよな。

戻ってきちゃったものは。

 

 

ぽえむ?

 

 

『ハッピークリスマス』のあの、

ずんずんのぼってく感じって、

トルコ行進曲とかウイリアムテル序曲の

あの、ずんずんのぼってく感じとちょっと似てるよね。

理屈じゃない部分でどうしようもなくアガル。

 

ずんずまん!(イミフ)

 

あああ、ボスと飲みてえな!

ボスとこんなんようなこと、酒場で語り倒してえ!