キクチヒロシ ブログ

絶滅寸前の辺境クソブログ。妄想やあまのじゃく。じゃっかんのマラソン。

天は人の上に人を造らず

ただの思い出話なんすけどね。

ちょっと前に知り合いというにはおこがましい、大先輩のカメラマンさんが亡くなった。

 

あ、ただの思い出話だけどしんみりする気はあんまないです。

あ、このエントリーはこの記事(↓)を読んでのインスパイア。

news.yahoo.co.jp

 

 

そのカメラマンさんはけっこう長い間、パーキンソン病と闘ってて、こないだ天寿を全うした。

コロナが跋扈してる時節がらもあってか、亡くなったこと、葬儀関連は身内のみで済ませたことが奥様から知らされ、坂角総本舗のゆかりっていうあのお菓子に一筆添えてあって、それがちょっといいなとおもった。

 

逐一正確じゃないかもだが、こんな主旨。

「深い愛情」って、言葉にするといきなり陳腐になっちゃうけど、こういうことじゃなかろうか。

 

「晩年は身体の自由が利かなかった主人ですが、いまごろは昔のようにいろいろなところに飛びまわって楽しんでいることでしょう」

 

 

そのカメラマンさんとは、キクチと直接お仕事でかかわったことはないんだけど、職場の裏ボスと長年のつきあいで。

 

 

いらねえ情報的にちょっとそれると。

そのカメラマンさんは植村直己について写真撮ってたひとで。

あと、裏ボスはもともと山登りの世界のひとで。

そのつながり?で長年のつきあいらしくて。

 

裏ボスは新卒から勤めていた会社を定年よりちょっと早めに辞めて、ボスといっしょにいまの会社をつくることになったんだが。

元の会社を辞めてからボスと新しい仕事を始める間に「ちょっと時間をくれ」つって。

マッキンリーに登りに行ったのね。

マッキンリーってのは、植村直己が遭難した山。

 

 

17〜18年前のある日、ボスが「キクチくん、ちょっと会ってもらいたいひとがいるんだ」ってんで。

水道橋の小料理屋で裏ボスと邂逅した。

(そんときは、ボスと裏ボスが会社を立ち上げる。そこにキクチを巻き込んでみる。って企ては知るよしもねえ)

 

たしかにかに。

そんとき、裏ボスは鼻がもげそうなくらい真っ黒で。

それに触れていいのかどうか迷ってたら。

「きのうマッキンリーから帰ってきてさ。」

「ほんとうはすげえ美男子なのに、凍傷で鼻がこんなんなっちゃった。」

とか、そんなんワケワカメなこと言ってたっけな。

 

しかしして。

じゃあいざ会社を立ち上げましょう。社名は?

ってなったとき、もろマッキンリーがらみで。

 

山に興味も関心もないキクチは、たまにクライアントで山好きなひとに出くわすと、「そういう名前の会社のやつだからこいつも知ってるはずだ」みたいな感じでぐいぐいこられて困ったこと数知れず。

 

 

。。。

 

 

話を戻す。

そういうつながりで10年ちょい前、キクチがゴルフをやってたころはよくご相伴させてもらった。

そのカメラマンさんはあらゆるショットがすげえスライス(右に曲がる)するから、その分も入れてちょっと左に向かって打つ。

 

ゴルフってむつかしいもので、えてしてそういうことを計算に入れたときにかぎって真っすぐ飛んだりするものなのに、彼のショットはちゃんと?スライスし、的確にフェアウェイをとらえた。

 

年季ってすげえ。

 

(さらにいらねえ情報的をつらねると)

(これは何度か言ったかもしんないが)

(キクチが走りはじめたのはそもそも)

(「ゴルフがうまくなりてえ」「そのためにまずは下半身をちゃんとつくらなくちゃ」だった)

(朝5時〜7時まで格安で打てるメイン練習場の「民家園ビッグゴルフ」にオープンと同時に毎朝クルマで凸して、苦手な9番アイアンとPWだけを打ち込み、帰ってきてからその足で多摩川河川敷を5k全力で走って、シャワーを浴びてから朝飯を食うというルーティン)

(まもなく、「格安とはいえ金がかかるゴルフよか、ただで走れる河川敷のほうがいいな」ってんでゴルフ人生が終了してしまった)

(っていうかキクチ、早起きできてたんじゃねーか!)

 

 

そのカメラマンさんは裏ボスがライフワークにしてるさる有名酒蔵の案件のメインカメラマンを10年以上やってて。

何年か前、秋の蔵出しの季節に「大吟醸会」っていう毎年の収穫祭みたいなもの?に、なぜかキクチを連れてってくれて。彼もメインカメラマンさんだから当然いらしてて。

 

ウタゲが始まる直前にそそっと寄ってきて、「キクチくん、きょうはいっしょにいっぱい飲もうね!」って声かけてくだすって、それがなんだかすんごくうれしくって。

舞いあがっちゃって、彼と盃を交わす前にハンパなくベロベロになっちゃったので、いっしょに飲めたかどうかは激しく不明w

 

 

だってあれだぜ。

大吟醸をがんがんお燗してがんがん飲ませんだぜ!

 

蔵出しの八海山大吟醸をお燗するとか、ポン酒に無知なキクチでも明らかに「えっ?」ってなるじゃん?

 

 

その何年かあと。

裏ボスの案件で撮りためた写真がたまったってんで、その酒蔵がスポンサーになってくれて、そのカメラマンさんの個展が開かれた。

 

空前の指示代名詞「その」祭り。

文章がへたっぴいだな!

 

 

そのカメラマンさんが、何かのときに「大沢悠里って大学時代の同級生でさ」っつってて。

 

こうもんみえてもわりと積極的にAMラジオをこよなく愛してる身としては、大沢悠里っていえばAMラジオの大御所中の大御所。

「うっほマジすか! 安藤さんすげえっすね!」

などとほざきつつ。

 

 

「大学の同級生」って範囲が広すぎるっていうか、コトによっちゃ香ばしい、ただの他人みたいなこともあるじゃないすか。距離がわからない。

 

たとえば小島よしおって「ヒロスエと同級生」っていうけど、おんなじ学校のおんなじ学科?ってだけで、個人的なつながりっていうか交流は当時、おそらく絶対皆無じゃん?

 

おんなじようなニュアンスでキクチだって、大学の同級生にのちわりとデカいスキャンダラスな意味でにぎわせた女子アナがいて。

 

彼女はたしかにまぎれもなく「大学時代の同級生」なんだけど。

彼女がテレビに出だしたころ(スキャンダラス前)、「同級生らしいよ」って話がまわってきて卒業アルバムをひっくり返したらたしかにいて「おおっ」ってなっただけで。

学部も学科も違うし、接点ひとっつもないし、いわれなきゃ知らなかったぐらいだったりして。

 

みたいな。

 

 

社会に出てからたまたまおしごとでからんだひとが、おんなじ学校のおんなじ学部で過ごした時代もかぶるのに、言われなきゃぜんぜんわかんないとか。

(でいて、小さい学校だからかそれが判明してからいきなり親近感がわいてなかよくなるとかw)

 

学部はぜんぜん違うけど、きぐまさんとかね。

 

 

そんななか。

そのカメラマンさんの個展。

ふつうに大沢悠里がいるのよ。

 

上記の「たとえば」みたいな同級生?同窓生?はともかく。

よしんば学生時代に知り合いだとしても、卒業してからもつながりがあるひととなると的がすげえしぼられるじゃん?

あまつさえ、還暦すぎたあとの晴れ舞台(個展)に駆けつけるとか、そうとう近接じゃね? 青臭い言葉を遣うと、ガチのおともだちじゃん?

 

47になりなんとするてめえに鑑みても。

現時点でもしキクチが何らかの個展を開いたとして、そこに駆けつけるやつなんか濃厚になかよしよ。

甘めに見積もって、現実的にキャトゥとパイセンぐらいかな。

つまり、ごく希少。

 

 

大沢悠里ってかたくなにラジオの世界のひとじゃん?

それがことさら、話がひとりあるきして。

たとえば、噂レベルで聞いてた与太話的には「顔面がテレビ向きではないから」だったりして。

テレビに出ないから「岩みたいな顔面らしいよ」なんつうのをまことしやかに信じたりして。

 

 

安藤さんの個展で見かけた大沢悠里は。

(ちょっと見かけただけなのにエラッソーにほざくと)

「あすこにいるひと、大沢悠里さんらしいぜ」っていう会場の静かなざわめきによる先入観を除いても、十二分にオーラもムードもあるひとで、ものすごくダンディでカッコいい紳士だった。

 

でいて、冒頭の記事にあるように積極的に前面に出てくるでもなく、なんつうか「むかしからのつれが個展やってるっていうから来てみた」ぐらいのニュアンスで、ものすっごい控えめなわけ。

 

その、隠しきれないオーラとでもしゃしゃり出ない的なスタンスが、AMラジオずき的には等身大っていうかマイペースを崩さないっていうか、そういう意味でよけいにものすごい凄みみたいなものを感じたんだけど。

 

ガン見してたところ。

「大沢、きょうはありがとう」

「安藤、きょうはほんとうにおめでとう」

程度にしか言葉を交わさないのね。

 

けして「なんときょう、あの大沢悠里さんが駆けつけてくださいましたっ!」「実は大沢悠里さんは、安藤さんと大学の同級生でうんぬん」なんてのはない。

 

カッコいいとは、こういうことさ!

 

 

思い出話をしたいわけではない。

 

 

冒頭のインタビューのリンク。

アナウンサーという職業ながらカメラが大嫌いだという大沢さん。家族写真もほとんどないと話す。

 

「カメラマン」の安藤さん全否定ぇ?

ぽまいら、ほんとうにともだちなのか?www

 

っていうか、友情ってそんなややこしいこと?

とらえようによっちゃすげえ深いな!

 

 

。。。

 

 

酒蔵の大吟醸会。

とてつもない二日酔いを抱えて帰り道、関越道。

裏ボスが運転するクルマの助手席でうなりたいのをガマンしながら。

 

途中のワケワカメなサンテグジュペリをフィーチャーしまくりなパーキングで休憩して。

「還暦すぎのおじいさんと40手前のおれさまちゃん(おじさん)が『星の王子さま』にどうしろってんだよ!」ぐらいのメルヘン。

 

 

まあ、キクチ仏文科だからなっ。

たしかに、大学2年のときの担任的な役割だった教授はサンテグジュペリの世界的な研究者だったけどな。それはキクチ自体にはビタ一文、関係ねえな。

 

こねとわとわめーむ、だな。

ちげえな。どうっでもいいな。

 

 

って、サンテグジュペリのパーキングで何事も起こらずw、一路、関越道を東京をめざす。

 

カーラジオから流れてくる「大沢悠里のゆうゆうワイド」。

「天は人の上に人を造らず」

ふいに大沢悠里が言う。

 

おお、『学問のすゝめ』。

福沢諭吉ってことはキクチにだってわかりるぞ。

「天は人の上に人を造らず。人の下に人を造らず」だろ。

どういう意味だかはよくわかんないが、

キクチだってそんくらい知ってるぞ!

 

 

「天は人の上に人を造らず」

 

大沢悠里がクールにつづける、立板に水のごとく。

「人は人のうえに乗っかってつくる!」

 

まさかのド下ネタwww

もうね、まじリスペクト!