夜、職場でボスと2人きりになると。
「キクチくん、仕事ばかりするのは
カラダによくないんじゃないかなあ」
どうやら、話したいことがあるようだ。
ソッコーでパソコンの電源を落とし
近所の仕出し屋がやってる小料理屋へ。
*
あ、おれがそれまでやってたのは
仕事とはおよそ関係のない個人的なことで。
たとえば、ボスが声をかけてくれたとき
やってたのは「ブログのネタ探し」w
*
最近、というかずいぶん前から
ブログの更新頻度がガクンと落ちてる。
でも、それはただネタがめっかんないからで
ブログを更新する気はちゃんとバリバリあって
そういう状況にひそかに
どうっでもいい危機感を抱いてて。
ちょうど今週は繁忙期と繁忙期のはざまで。
ってんで、ネタを探してた。
とか、ボスには言わないよね当然。
*
ボスはこないだのMGCについて
キクチと語る機会をうかがってたらしい。
*
ボスは、じぶんでいうのもナンだが。
キクチ以上にスポーツ全般に造詣が深くって。
ほんとうによく、みてらっさる。
たとえば、キクチなんか。
「野球がすきなてい」だが。
特にここ10年ぐらいは
「ジャイアンツのローテーションや
スタメンすらよくわからない」
ていどに、ぜんぜんみていないし。
(高校野球は除く)
あるいは。
「相撲は人並みには押さえてるてい」だが。
千代大海が引退したあとぐらいから
もうまったくみてなくてわかんなくって。
それは特定の力士が立ち会いのとき
「カ・イ・オー、カ・イ・オー」
って場内でコールと手拍子が出るのをみて
なーんか、いわくいいがたい違和感を覚えて
みなくなっちゃったり。
ゴルフも、10年ぐらい前からかな。
パッティングのとき、クソギャラリーが
「入れー!」とかドヤ顔で叫ぶのに
なーんか、いわくいいがたい違和感を覚えて
みなくなっちゃったり。
*
たとえがクソ長えが
そんなん感じでグッとみる頻度が落ちたのに。
いっぽう、ボスは。
いまのジャイアンツのスタメンも言えるし
相撲とか柔道とか野球とかバスケとか
「これからこの子が楽しみだ」
的なことをちゃんといえる程度に
すげえみてる。
メジャーリーグとかも日本人選手はおろか
「これからこの子が楽しみなんだよ」
的に、ヤンキースの若手のこととか
ちゃんと語れる。
程度に、ちゃんとすげえみてる。
なんつうか、マラソン観戦における
官九郎さんみたいなニュアンス。
っていえば、わかりやすいのかな()
*
でも、マラソンに関しては
主要なレースはみてるらしいし
箱根駅伝もみてるらしいんだが
それは「眺めてる」の範ちゅうで。
ボス比、さほどの興味はなくって。
で、いて。
こないだのMGCは熱狂してみてたから
その話をしたくてしようがなかった、と。
*
よくわかんないケド。
ボスの身近で、マラソンに関しては
キクチがじぶんで走ってもいるし。
スペシャリスト認定されてるらしい。
そんなレベルの高い話、知んねえわ!
は、措いても。
*
なんつうか、「スポーツの見方」って
あるじゃないすか。
すげえ感覚的なんだけど。
それって、英才教育みたいなもんで。
オトナになってからいくらがんばっても
ガキのころから見続けてないと身につかない
そのスポーツなりの空気感とか間合いとか
そういうのがすげえ重要だとおもってて。
ボスもおそらく、マラソンに関しては
じぶんにはないからこそ
感想を熱く語りつつ
キクチごときの話も聞きたがった。
ってことなんだろう。
*
表題、ないがしろぇ。
たどり着く気がしないが、つづける。
*
「スタートから飛び出した設楽悠太に
たまらなく胸を打たれたんだよ。」
ボスは言う。
「そうっすね」
とは言わない。
ボスはここでそれを求めていない。
たとえ「そうっすね」だとしても
なんで「そうっすね」なのか
どこがどう「そうっすね」なのか
を、語りにここに臨んでいる。
ということは、文脈からあきらかなので
じぶんのMGCに関する設楽悠太感をほざいた。
こういう、以下。
*
たしかに、最初からじぶんのペースで
一人旅に飛び出した。
とても重要なレースで
その勇気はものすごいものだし。
これは本人がおもってたかしらんが
あくまで想像の範囲で。
「オリンピック本番をこのコースで戦う」
ということまで視野に入れたばあい
ケニアとかエチオピアと伍するには
そんくらいのハイペースで押して
最後まで押し切れるぐらいじゃなきゃ
話になんないだろう。
って覚悟もあったのかもしれない。
たしかにそれはビンビン伝わったし
おれも走るさまをみて一定程度に胸が躍った。
*
でも、で、ある。
本番をそこまで想定するならば。
帽子もサングラスもつけず、
給水所の氷に目もくれなかった。
「準備」ってものに
「レース前の走り込み&調整」と
「レース中の避暑対策」の2つがあるならば
あきらかに後者をないがしろにしてて。
それってどうなの?
となれば。
28k?からの想定以上の失速は
必然的だったんじゃないの?
っておもったので、
「最初に飛び出す勇気すげえ」以外に
おれはまったく思い入れられませんでした。
って、ボスにほざいた。
*
ビッグ4の一角っていわれてた井上大仁。
たぶん、スタートしてから
本調子じゃねえって自覚してたんだろうね。
このままじゃやべえ、このままじゃやべえ
本人は何とか、気分を変えようとして
10数キロ地点だったかな。
よりによって、帽子を投げ捨てちゃった。
「おれはあれ見て、画面に向かって
ここでそれはやっちゃダメだよ!
叫んじゃいましたよ」
「だって中盤から後半、日陰のない直線を
延々と走るって、わかってるはずでしょ」
ってのも、添えて。
(いずれも、ドシロートの
いわば結果論ってことは承知してる)
*
正しいかとか首肯できるかとかはともかく
ボスは満足してくれたようだ。
たこぶつとビールとキクチ。 pic.twitter.com/4XIOnRJzwX
— キクチヒロシ (@rFsPIZFyucNM3Z2) September 19, 2019
↑まいんち12時楽しみにしてますアッピール。
ゴロが悪い。
*
。。。
*
んで。
キクチが仕事するふりをして
どうせうかばないブログネタを探してたとき。
ボスは原稿を書いてたのね。
井上康生にインタビューしたらしい。
そんなん、おれも同席させろよ!
*
あ、表題にたどりついた。
*
インタビュー原稿ってのは、
けっこう手間がかかる仕事で。
中でもいちばんの手間は
録音のテープ起こし。
一字一句ちゃんと起こそうとすっと
いくら速くても録音時間の
6〜10倍の時間を要する。
1時間の取材なら、6〜10時間。
*
音声を聞きながら、キーボードを叩く。
録音状態によっては、声が小さかったり
(椅子を引くみたいな)雑音が入ったりして
聞きづらいとこを行きつ戻りつして
「1時間、超絶集中して起こしたのに
5分ぶんしか進んでねえ」
的なこともざらにある。
昼間は職場のいろんなほかの用事とか
電話がかかってきたりして中断されるので。
静かになった夜とかに一気にやるんだが
それは措いても。
6〜10時間ってことは
ほかのいろんな用事をひっくるめて
1日8時間働くのの半分を充てられたとしても
2〜3日もかかっちゃうことになる。
*
あまつさえ、テープ起こしはただの下準備。
テープ起こしを下敷きに
ちゃんとした原稿にするという
あくまでも、資料のひとつで。
(必ずしも一言一句、正確に起こす
ひつようはないんだけど。
細かいことはここでは措く)
クソ長えケド、つづけますね。
*
音声入力と音声認識の技術って、
ひと昔前とくらべても
信じらんねえくらい進歩してる
じゃないすか。
してるんっすよ。
さりとて。
「録音したものがそのまま
たちどころに文字に起こせる」
ってとこまでは技術がいってなくって。
ってのもいいとしても。
(ああ、何が言いたいんだろうな)
(ってのは、ここから言う)
*
おれも最近やっててボスに薦めたのが
「イヤホンで1/2速を再生してんのを
聞きながら、声に出してスマホに音声入力」
*
取材の場は少なくとも
「取材するひと」「されるひと」
2人の異なる声を認識しなくちゃいけなくて。
録音機材からの距離もまちまちだし
上記したように、雑音とか場の環境もあるから
録音素材をそのまま音声認識にかけても
笑っちゃうぐらい、うまくいかない。
(ためしに会社の会議かなんかで
スマホで音声入力をセットして
置いといてみると、よくわかりる)
*
んなら。
録音したものを
○静かな環境で
○じぶんのみの声でリピートする
んなら、精度が格段にあがるし。
1/2倍速にすれば
○聞き逃がさず、行きつ戻りつもさほどせず
○音声も、よりクリアに認識させられる
ってんで。
*
1時間のインタビュー。
6〜10時間(2〜3日)かかってたものが
2時間でできうる(理想値で)。
って、おれら比、まっこと革新的で。
古希手前のボスは、それでも
ちょっと疑心暗鬼だったんだけど。
今回やってみたら、
「こりゃ、すごいね楽だね、キクチくん」
ってなった。
たこぶつを食いながら。
*
「でもね」
ボスには、ちょっと不満があるらしい。
それは。
「いくら完璧な環境で滑舌良く喋ったとて
音声をテキストに変換するのは
けしてパーフェクトじゃない。」
っていう技術のもんだいはわかったうえで。
「たとえば、ね」
「ぜんぶ、ひらがなで起こしてくれていいのよ」
と。
*
「音声認識だかAIだか知らないけど」
「その、いまの最先端の技術」
「を披露してくれなくてもいいのよね」
「変に最先端技術が頭をはたらかせて」
「誤変換されるほうが後々めんどくさい」
と。
「それなら、最先端のちょい手前」
「ぜんぶひらがなで句読点もなしで」
「起こしてくれていい」
と。
*
「電化製品って機能で値段、変わるじゃん」
「なら、音声認識だって」
「『ここまではやります』が
いろいろ段階あってもいいんじゃないかな」
「『ひらがなとカタカナと漢字を識別・変換
したうえで、欧文にも対応します』
そのかわり、動作はけっこう重いかもですが。
という最上位モデルがあって」
「変換は一切しません。
『全部ひらがなに起こします』
そのかわり、動作はすごく軽いです。
という廉価モデルもある、とかね」
「ぼくらは完璧は求めていないし
完璧なんならちゃんと完璧にしてほしいし」
「そこを現時点での最先端にしようとするのって
どこか科学者・研究者のプライドが
ジャマしているのかなあ」
と。
。。。
つまり、あれだよ。
彼らには飲みが足りないんだよねっ!
たこぶつ、ホントおいしいねキクチくん!
ボス、リスペクト!