ザ・イッチョカミ(にもなってないこと)をうすぼんやりほざく。
完全に自分語りである。
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最近で言うとあやたさんとか。
ちょっと前だとマルコリーニとか。
字がきれいに書けるように練習をしてらして。
実物を見たことがほとんどないからわかんないし。
キクチにはそういう才能?が皆無だから
「うおお、すげえキレイに書けてんじゃん!」
おもうばかりなんだが。
で、これは、そういうなーんの才能もなく、
なーんの知識もノウハウもないキクチのフラッシュアイデアというか。
「ひょっとして参考になったらいいな」って話なんすけど。
A4なりB5の紙にペンで座って書くのと、半切の紙にぶっとい筆で中腰になって書くのとはじゃっかんニュアンスが異なるかもしんないが。
(半紙に小筆で座って書くパッターンもあるからいいのか)
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キクチの父親は生前、字を書くことを生業にしておって。
いまとなっては、言ってしまえば家族内で虚勢を張ってたんだか、外向けにも対自的にもそういうプライドを保ち続けて臨んでたんだかは知らんが、じぶんの生業に対してだけは、ものすごくプライドと自負をもって厳しく対峙してたひとで。
ふだん、酒飲んで酔っぱらって美空ひばりのカラオケ歌ったり下ネタばっか言う姿をよく目にしてたから、よけい、そのギャップでビビったりしたんだけど。
(小中学校の、正月の書き初めの宿題のときだけ)
(酒飲んでなくてカラオケもなくて下ネタも言わなくて)
(とつじょ、いきなりむっちゃくちゃ厳しく指導されたりしてね)
(ちなみに)
(キクチが子どものころはちょうど、日曜の午前中に小学生にも習字を教えてたので)
(キクチも半強制的にそこに組み込まれたりして)
(そこでは「お父さん」って呼んじゃいけないルールがあったりして)
(日曜だもんだから、少年野球チームにも入れず(いやいや)習字をやらされてたりして)
。。。あ、話が見えにくいから先に進みます。
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父は週にいっぺん、水曜日だったかな。
自宅でお弟子さんに教えてて。
そこはおとなの、趣味レベルのひとから、趣味レベルを超えたようなひとから、プロの駆け出しから、お弟子さんがいるようなひとまでいて。
父の書斎の横をとおると、たまさか指導してる様子が見えたり聞こえてきたりしたんだけど。
中高生のころだったか。
父親がさかんに、空間、空間って言ってるのが。
気になって、ちょっと立ち聞きしたことがあったのね。
朝ドラでヒロインが必ずといっていいほど出くわす「名物・立ち聞き」的な。
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で、これはそれを基に勝手に解釈したことだから、ひょっとしたら全然違うかもしんないケド。
書道ってしょせん?、白い紙に黒い墨を置いてく平面な作業?だから。
手本どおりだか世界観だか知んないけど、平らな白い紙に墨痕を美しく?表すことができさえすれば勝ち?なんだろうが。
平らな白い紙に墨をうまく置くには。
白い紙に置くに至る、あるいは紙から離してからの動きが重要なんだぜってことを繰り返して言ってて。
言い換えると、平面な白い紙(二次元)が筆と接してないときの、空間(三次元)の動きをどうするかこそがキモなんだって話をしてて。
ガキンチョだてらに、なんだかものすんげえ肚に落ちた。
「うおおこのひと、物事の本質的なことを言ってるう!」と。
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学級新聞やなんかの筆跡を見て父親がよく。
「字を見れば、そのひとの性格とかぜんぶわかる」豪語してて。
「そういうもんなのかなあ」おもいつつも。
「父ちゃん、おめえいくらなんでも『ぜんぶ』はちょっとだいぶ盛ってね?」ぷぷっておもったりもしたんだが。
文字そのものだけじゃなく、その筆運び(空間)まで視野に入れて。
三次元な動作の残像?も含めて読みとれてるとすれば。
(あまつさえ、よしんばそこからその時の心の状態まで読み取れてるとするならば)
あながち大風呂敷でもなんでもないのかもな?
ってことが、さっきなんとなくわかって父ちゃんすげかったのかもってハッとした。
しましたとさ。