ある朝。ムスメっこが起床していつもどおり下に降りたら。
ばあばとパパが喋ってるとおもったらば。
ばあばと喋ってたのは知らないおじさんでビビったと。
*
ここ半年ぐらい、断続的に。
建てて四半世紀近くになる超絶豪邸の、水回りを補修してたんだが。
そっち方面のしごとをしてるキクチのイトコに全面的におまかせしてた。
要するに、ばあばと喋ってたのはキクチのイトコだったってわけで。
ムスメっこは初対面だか、会ったことあるにしても赤ん坊だったのでわかるわけない。
*
「キクチのイトコ」といっても。67歳。
キクチ父は11人きょうだいのほぼ末っ子で。
そのイトコは父と15離れたほぼ長男の次男なので。
ほぼ、ばあば世代(のちょい下)というか。
父方のイトコ的にはナチュラルというか。
そんくらいがボリュームゾーンで。
むしろ、おれん家がぶっちぎり齢下のいわば異端だったりするんだよな。
。。。
ちょうどいい機会だってんで。
そのイトコがどういう間柄なのか説明する。
まず、「パパのイトコ=ななちゃんのおじいちゃんのおにいさんの息子」
この時点ですでに、図解しないとまったくチンプンカンプンだろうし。
「ななちゃんのおじいさん」も「そのおにいさん」も、ななちゃんにとってはほぼ会ったことのない知らない人だから、よけいイメージしづらいだろう。
*
あまつさえ。
身近な例を出してわかりやすくしようと。
「ななちゃんの本籍って狛江じゃないじゃん?」
(進学の手続きやらで住民票?戸籍謄本?を見ててそこらへんは把握してる)
「それは何でかっていうと」
「あれはななちゃんのおじいちゃんの実家があったとこで」
「パパはもとからそこが本籍なのね」
「それで、いまや超高級住宅街だからかっけー!ってんで、ママとパパが結婚するときにそこのまま書類を提出したからなんだけど」
ふーん。
「二子玉川、たまに行くじゃん?」
「クリスマスに高島屋にだとか、ママの誕生日に橋を渡ってパパの同級生のお店にだとか」
「あそこの大通りを、橋とは逆方向に進んで」
「坂道を上り切ったとこらへん」
これでもクソ長いかもしんないケド。
必要最小限かつポイントをかいつまみまくって説明したんだが。
やっぱ、わかりづれえよな。
「で、さっきのおじさんはそこの次男で」
「剣道のすげえ達人」
とか言っても、ムスメっこにとってはもはや。
わかりづれえにわかりづれえを上塗りされた情報でしかない。
*
何を言いたいかというと。
上の情報はムスメっこには、ひょっとしたらまったく必要ないのかもしれない。
ということ。
キクチは親戚が覚えきれないくらいいっぱいいる中でふつうに育ったし。
そもそも、その関係性とかてめえのルーツ的なことに興味があったから、上記ムスメっこにほざいたようなことは、じぶんにとっては有用な情報で。
なので当然、下の代(ムスメっこ)にもある程度伝える・語り継ぐべし的なふうにおもい込んでおったのだが。
それは単なるおもい違い? 時代錯誤? なのかも。
*
株価やセリーグの順位、箱根駅伝の結果、月間走行距離とおんなじようなもんで。
興味ある人、関わり合いのある人にはとても重要なことでも。
興味ない、関わり合いのない人にとっては、さして意味を持たない文字数字の羅列でしかないように。
旧型にんげんとしては、じゃっかんおセンチにもなるけど。
それが現実ってもんなのかもしれないし、それはそれで全然いいんじゃん?
おもったおもいましたとさ。