あまロスにかまけて、もう1つだけ「あまちゃん」をほざきたい。
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最終回付近、ユイちゃん(ヒロイン・アキの親友:橋本愛)がアキに投げかける。
「春子と鈴鹿ひろみは、どっちが辛かったのだろうか?」
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春子(アキの母:小泉今日子)は、アイドルを目指して上京。
なかなか芽が出ないうちに、致命的に音痴な鈴鹿ひろみの影武者として吹替で歌う。
当初は「じぶんの声がレコードになる!」ことに喜んでたものの、やがてこのままでは自分は金輪際、表舞台には出られないということに気づく。
それから必死にあがくが、夢をあきらめたところで正宗(尾美としのり)と出会い、結婚。アキを授かり、母として平穏な?日々を過ごす。
(やがて、芸能事務所のやり手社長として確固たる地位を築く)
鈴鹿ひろみ(薬師丸ひろ子)は、人気アイドル歌手から大女優へ。
芸能界で大成功をおさめる。
一方で、どこかの時点でプライベートを捨て「女優・鈴鹿ひろみ」を自ら演じ切ることに生涯を捧げてきた。
たとえば、むかしっからプロデューサーの太巻(古田新太)とは恋仲だったものの、世間には秘したまま内縁的な関係をつづけてきたりとか。
あまつさえ。
致命的な音痴(自覚はない)ゆえ、若いころにほんとうに歌っていたのは春子で、それはイコール「じぶんの歌声は観客には届いていなかったんだ」という絶望的な事実を後年、知る。
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影武者から抜け出せず、ついに陽の目を見ることがなかった春子と。
スター街道をひた走り、脚光を浴び続けてきた鈴鹿ひろみ。
母・夏ばっぱ(宮本信子)とも和解し、正宗ともよりを戻し、アキも立派に育て上げ、万事丸く収まった春子と。
芸能界での成功と引き換えに、ほかのすべてを犠牲にしてきた鈴鹿ひろみ。
。。。
話が一歩も進んでねえというか。
「おめえキクチ、ただ言い換えただけじゃねーか!」
は、いいとして。
天野春子と鈴鹿ひろみ。
はたして、どっちが辛かったんだろうか?
(幸せだったんだろうか?)
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ユイちゃんは言う。
「わたしは鈴鹿ひろみのほうが辛かったとおもう」
たしかにかに。正しい。
でも、どっちのほうが辛かったかって観点で言えば、どっちも辛かったんだろうし。
どっちのほうが幸せだったのかって観点で言えば、どっちもそれなりに幸せだったんだろうってんで。
白黒ははっきりつけられねえし。
はっきり白黒をつける必要はないんじゃねえの?
(当人がいま、いいとおもえればそれで万事いいのだ)
ってのが、てめえのクソ狭い了見における感想。
(人生を総トータル的に俯瞰したとき)100%のハッピーなんて存在しないように、100%のアンハッピーも存在しえないじゃん? みたいな。
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。。。
いや、違うの違うの。
爺の小言みたく、悟り澄ましたっぽいことを言いたいんじゃなく。
それこそが、脚本のクドカンなりプロデューサー?監督?が言わんとしてたことで。
たぶん。
その問いを、まだ小娘(と、あえて言う)なユイちゃんが投げかけるという設定にしたからこそ。
真っ黒でも真っ白でもない、その間に無限に色調が広がってるんだよってことを提示してくれたような気がして。
あまロスが止まらねえ!!!!!
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今回の「あまちゃん」の再放送。
と、同時期にリアルタイムで展開してた朝ドラ「らんまん」。
植物学者の生涯を紡いだ物語なんだけど。
若いころから彼の思想で一貫してるのは。
「雑草という名の植物はねえ!」で。
要するに、仮に「雑草」にジャンル分けされた草花にも、それぞれ彼らなりの生き方・生きざまがあるんだっていう。
言ってみれば、ゴダイゴの「ビューティフルネーム」じゃねえけど。
「名前それは燃える命、ひとつの地球に一人ずつ一つ」みたいなことなんだよな。
エヴリチャイルド・ハズ・ア・ビューティフルネーム、つうか。。。
ん? わかりづれえ?
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。。。
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風呂敷を広げすぎちゃったきらいがあるので、たたむと。
まあ、だいたいそんなんようなことで。
(たたみかたが雑すぎるぇ。。。)
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なんか、むかしの超絶名作CMがキョライした。
「空白の1日」騒動で日本中を敵にまわした江川卓と。
その騒動のとばっちりをモロに受けた小林繁との世紀の邂逅。
小林繁「だけどしんどかったよなあ」
江川卓「はい」
小林繁「おれもしんどかったけどな」
小林繁「2人ともしんどかった」