昇降口を出ていくぶんライフを復活させたエア夫婦。
「あっちは何があんだろ?」ってなった。
いつも正門から入って正門から帰ってたので、ほかの様子がわかんなくって。
「人混みから逃れてせっかくライフも復活したから」
「どさくさにまぎれていろいろ巡ってみよう」ってんで。
未知の「あっち」に行って左に折れて、数歩進んだらば。
「あっち」でくり広げられてた光景は、
貯水タンク・焼却炉?・倉庫?が織りなす無機質オブ無機質な行き止まりワールドで。
「おお、おっふん」とか艶かしい吐息を漏らしつつ、
瞬時に踵を返して元いた昇降口まで戻った。
*
ただ。
おのれの内なる良心がじゃっかん呵責したのは。
おれらエア夫婦に釣られて、数組の父兄が後続してきたってことで。
踵を返して昇降口に戻るまで。
その人らと15人単位ですれ違って。
「マジ、ほんとゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ!」ってなった。
すれ違いながら、「ああこれぜんぶおれらのせいです。このカラダのいちばん肉付きのない、皮の薄いぶぶんをおもくそぶっ叩いてください!」ぐらいのことを、聞こえないように独りごちた。
*
気を取り直して(?)。
順路どおり、通用門に向かって進む。
導線整理のため?
入るのは正門から、出るのは通用門からってシステムになっとった。
こっちも初体験。未踏地。
したらば、わりと高級住宅街の真ん中にある学校なんだけど。
なんかキャンパス感あるのな!
「やはり物事ってもんは、いろんな角度から見ないとわからないな」
ナドト、人生哲学めいたことをその場のムードのみ100でもって話したりして。
じぶんでじぶんを初老の中年ってこんなにめんどくせえのかっておもった。
*
通用門までの緑に癒され。
陽キャの洗礼からすっかり解放されたにょうぼうのライフは。
もうすっかりベホマズン(パーティみな全回復)状態で。
我に返ったら、時間どきと緊張からの緩和で空腹に気づいちゃって。
「何食べに行く? 何食べに行く?」しか言わない。
雨がつおくなってきたので歩きにくくて。
狭い道を走り抜けてくクルマに轢かれそうになったり。
セレブがお散歩するワンちゃんにおしっこひっかけられそうになっても。
ぽまいはsiriかってぐらいに。
「何食べに行く? 何食べに行く?」しか言わない。
*
ムスメっこの学校は駅前のわりと栄えてる商店街のはずれの端っこのほうにあって。
その商店街は、美味そうなご飯屋さんがいっぱいあるってのもあるんだが。
「ダンナ、どこ行くか決まった?」ナドト。
なんならいつの間にか、「おれがにょうぼうというVIP客をお招きしたんだから心からのおもてなしをしてしかるべき」的な舞台設定になっておって。
50歩ごとに「ダンナ、どこ行くか決まった?」をくり返してくる。
知るか、そんなもん!
↑あくまで心の声 ←たのくるさん元気してるかなあ?
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けっきょく、前にふらっと入って美味かった台湾料理屋さんにアゲインして。
すぐに2杯目。 pic.twitter.com/fmfQyQ84c2
— キクチヒロシ (@rFsPIZFyucNM3Z2) 2022年9月24日
(キクチの昼から2杯目は通常運転だからいいとしても)
ふだん飲まないにょうぼうが美味そうにライチサワーを飲んでて。
こういうの緊張と緩和ってえの?
2人して、からあげと棒餃子とルーロー飯を食いすぎて。
腹パンすぎて、夕飯を抜いた。
陰キャの休日の緊張と緩和。