試合後のヒーローインタビューとかで。
それまで支えてくれたひとへの感謝の言葉を述べるシーンってあるじゃないすか。
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あ、これは傍観者としてのキクチの、クソ勝手な感想である。
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たとえば、高校野球で。
「毎朝早起きしてお弁当をつくってくれたお母さん」とかね。
そういうの。
たしかにそれはそうなんだろうけど。
ちょっと綺麗事に寄りすぎてんじゃないかな?
もっと言うと、聞かされる側として「それはもういいから」とかおもってた。
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とりわけ去年、コロナうんぬん言い出してから。
そういう傾向?はより色濃くなってきて。
いまやってる五輪の選考会的な試合でも。
「まず、このような状況下でこういう場を設けてくださって方々にたいへん感謝しております」からヒーローインタビューがはじまる。
あまつさえ「次は誰々にお話しを」みたいな場面でも、出てくるひと出てくるひと、判を押したようにこのセリフからはじめる。はじめやがる。
のを、うんざりしながらながめてた。
いちいち、トゥーマッチなんだよ。
どうせ儀礼的な定型文なんでしょ?ってって。
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そんなんなら。
卒業式の卒業証書授与の校長先生みたく。
1組1番のひとだけ「貴殿は所定の過程を終了し、ここに卒業したことを証す?」って全文を読んで、あとは「以下同文です」で済ませりゃいいのに。
ナドト、おもってた。
「前略」的な。
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のを。
おめえいまさらかよ????
かもしんないが。
きのう、柔道の大野将平選手が東京五輪で金メダル獲ったじゃないすか。
その後のインタビューを聴いてて、考え方が180度ひっくり返ったっていうか。
「おめえらもうそういうのはいいから」「形式上、整えますとか飽きたから」とか、おもってたおのれをおもくそ、チョキでぶん殴ってやりたくなった。
バーカバーカ、バーカ!と。
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大野選手は。
この試合を開催してくれたひとたち、いままでじぶんを支えてくれたひとたちに加えて、対戦相手への謝意もぞんぶんに示しておって。
それがものすごく、キクチのうっすい胸に突き刺さった。
(いままでキクチがぞんざいに聞き流してたなかにも、当然そういうのはあったんだろうけど、なぜか今回の大野選手の言葉でいまさらハッと気づいた)
なるほど。
これが合ってるのかわからんが。
じぶんがこうして勝利者インタビューを受けるということは、対戦してくれた相手がいてくれてこそで。
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なんつうか、そのひとたちは「じぶんより弱いから負けた」わけだけど。
そこに敬意を払うって、根底に「おれっちのほうがつおいんだぜ!」みたいな気持ちのひとにはできない、っていうといささか表現的に飛び出しすぎかもしんないが。
そういう敵?一人ひとりにもいちいちちゃんと敬意を払いながら戦いに臨んでる。
っていうことに、おおいに「!!!!」ってなった。
そういうことだよね、と。
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ひるがえって。
聞き流してたこれまでの「まず、周りのみなさまに」的な言も、そういう晴れ舞台でハナにそういうことを言えるってことは、ふだんからマジガチで感謝の気持ちをもってなきゃ、出てこないわけで。
クソキクチなら調子こんで「おれ、やったぜ!」とか言っちゃうはずで。
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。。。
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市民マラソンとかで。
走ら「せていただく」とかいちいち言うのは、何となくとってもいやで。
そりゃそうなのかもしんないケド。
おれっちだって、そういう気持ちはあるけど。
ちょっとトゥーマッチ感があって。
ワケワカメな気恥ずかしさもあって。
そんなんいい子ぶらなくてもいいじゃん。
それは当然の前提みたいなとこで横に置いといたほうがいいんじゃん?
って、わりと堅固に考えてたんだけど。
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もしこんど、じぶんがそういう場に身を置いたとしたら。
ほんとうにそうおもってんなら、へんにきどらず、感謝の気持ちをまっすぐ声に出して言葉にしよう。
っていうふうに、わりとつおくおもった。
おもいましたとさ。
もしこんど、じぶんがそういう場に身を置いたとしたならば。
万が一、万が一。
だけどな。
だけどなぽえむ。