ひさびさに月例川崎に出てきた。
表題も中身も、ある人物のことを書こうとおもったのだが。
こりゃ、パクるしかねえ。
ある意味、アレだね。
「そんなに人数が多いわけでもないのに。
おたがい、キョロキョロ探しまくったわりにすれ違う。
という、新しい恋のはじまりのヨ・カ・ン」
的な。 ====
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きょうは朝からカラダが重くてしようがなかった。
南武線の登戸まで2kぐらいジョグしてったんだが。きのううかつに
あすはひさびさに月例かな、ですよ。
なんてほざかなければ、
確実にブッチぎったであろうレベル。
まあ今朝。そんなことほざいちゃったてめえを、呪いましたね。
ぐらい。
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もっともらしいことをいえば。
なんだかんだかすみがうらのダメージが、ゴイスー。
表面では完全回復したようでも、カラダの髄というか、ココロのずっと奥のほうっていうか
ブルーハーツ方面に疲労がたっぷり残ってる。
ことにきのう、味スタの帰り道、ジョグしながら気づいちゃった。
ので。
「3k→45分ぐらい休んで→5k→20分ぐらい休んで→10k」
のイキゴミを、「5k一択」に変更した。
ノー躊躇で。
*
だってあれじゃないすか。
5k1本ぐらいなら、深刻にならないうちにビャッと終われるじゃないすか。
全力ダッシュ的なものも不要じゃないすか。
3kビャッは、最初からがんばんなくちゃいけないじゃないすか。
10kはビャッじゃ済まされない、ギリギリアウトな長さじゃないすか。
ゆえ。
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ほんっと。こんなどうでもいいこと。
よくもクダクダクダクダ、連ねられるよね。
おれスゲー。
*
まあ、レース並みにアドレナリンが出るシチュエーションで。
走り出さなきゃ、ノレそうかソッちゃいそうかもわかんない。
よしんばサブスリーペースでお茶を濁せりゃいいかな、とおもってた。
暑いし、風つおいし、舗装されてないし、マイナス思考というかネガティブスピリットの塊だし。
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あ、それらしく、結果さらしときます。
19分14秒(ぐらい)。
まあ、こんなもんですよねって感じだ。
なんて気取ってみたが。
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帰り道。おれさまちゃんはかなりニッコリしていた。
けいすさんに逢えなかったくせに。
これ以下はないって体調で、谷体調がズンドコだったのに
マンブリせずにこんくらいってこたあ
「そりゃあ、夏のOTT(開かれればな)、さぞ、楽しみですな!」
ナドト。
走る前は谷体調の「谷」みたいなツラ、してたのに。
もっとちゃんと疲労を抜いて。
またガッツリ走りたいなとおもったんでしたとさ。
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なんてことを言いたかったわけではない。
さんざん言っといて。
なんて、言わなーい。
ニッコリしていた理由。
*
ロ・ンゲクン。
というひとがいる。
いや。
おれがひそかにそう呼んでるだけなんだが。
心のなかで。
超絶人見知りちゃん第1シードの責任を果たし。
お話ししたいなあとおもいつつ、話しかけられない。
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ロ・ンゲクンは、ロン毛クンだ。
肩甲骨ぐらいまで、ロ・ンゲが伸びてる。
去年の5月だか6月。
初めて月例川崎に出たときに見かけて、瞼の裏に刻み込まれてしまった。
遠目、ワイルドな風ぼう。
きわめて個性的なランニングフォーム。
齢はたぶん、おれよりちょっと上。
でいて、ムチャクチャ速い。
おれの知るかぎり。
月例川崎ではいつも3k、5k、10kとフルエントリーしていて
いずれもそこそこ上位にいらっさる。
なお。
インスピレーションは盧彦勳から。
(ルー・イェンスン/ろ・げんくん)
台湾のテニス選手。
アジアで錦織に次ぐランキングな、かなりのひと。
*
川崎ローカルの隠れキャラとおもってたら。
去年暮れの足立フレンドリーでも、こないだの板橋cityでも見かけた。
足立フレンドリーのときは、ふらっとさんぐらいのところを走ってた。
ぐらいの、殿上人な速さ。
見かけただけなのに。
おれのなかでは「ロ・ンゲクン」。
気になってしようがない。
2月に駒沢公園で、デグチさんとお話ししたとき。
「足立で(フォトジェニック的に)すげえひとがいたんですよ!」
っておっしゃるので、よくよく聞いてみたらロ・ンゲクンだった。
ぐらい。
*
おれはきょう、3kのスタートぐらいから
走ってるひとを眺めてた。
けいすさんいるかな、とおもって。
ロ・ンゲクンは、きょうも、いた。
でもでも。
きょうはそんなに調子よくなさそうだった。
そこでキメた。
「きょうはロ・ンゲクンについてってみよう」と。
ロ・ンゲクン、調子よくない。
ロ・ンゲクン、でもフルエントリーするはず。
ロ・ンゲクン、5kは10kにそなえてセーブするはず。
おれさま・ちゃん、5k一択。
おれさま・ちゃん、チャンスある! と。
*
スタート地点。
おれは整列を、ロ・ンゲクンのすぐ後ろにキメた。
東一中の早田くんばりの、マンツーマンディフェンス。
「わいのカミソリは、二枚刃や!」
on your mark。パンッ。鳴る。
いつから「位置について、ドン」って言わなくなっちゃったんだろうね。
なんか、気恥ずかしいよね。
は、措く。
ロ・ンゲクンはずっと前に行ってしまった。
いつもはアウト・オブ・眼中なんだが。
きょうは視界にとらえられる位置にいようとおもった。
アレ? 「てめえを呪うぐらいのカラダの重さ」?
*
3kすぎ。
ポクポク進んでると、なんだかロ・ンゲクンの個性的なフォームが大きくなってきた気がする。
おれ、差、詰めてね?
とりあえず、追いついちゃうことにした。
っていうか、追いつけちゃった。
たぶん、こんなチャンスは二度と、ねえ。
調子のいいときに本気を出されたら、小錦がちびっこ相撲で5人相手にびくともしないくらい、軽くひねられる。ぐらいの脚力差は、ある。
なのに。
同時ぐらいにゴールしたら、どさくさにまぎれて話しかけたりも、できちゃうかもしんない。
少しだけ、がんばってみた。
先着、しちゃった。。。
まぐれでも、帰り道、ニッコリしちゃう。
ですわな。
*
呼吸を整え、あたりを見回す。
も、ロ・ンゲクンは見あたらない。
とりあえず、トラックを何周か歩いたり走ったり、クールダウンする。
*
あああ、きょうも話しかけられなかったか。。。
でもロ・ンゲクン。そんなに調子よくないんなら、休んだほうがいいんじゃね。
おれだったら、10kなんか絶対走らないぜ。
*
20分後ぐらいに。10kが始まる。
ロ・ンゲクンはわりと上位のほうを走ってる。
髪を振り乱し、個性的なフォームで。
「あああ」とおもった。
細かいことを挙げれば、いろいろ言えるのかもしれないケド。
なんだかんだ、妥協の5k一択を貫くおれ。
ちゃんとフルエントリーする、ロ・ンゲクン。
こういうちょっとずつの差が、
こういう脚力の差になるってことなんだよな。と。