つづきのつづき。
「私立は×××高校ですね」
進路希望調査をみつつ担任の先生がおっさる。
ゴクリ。
生唾を飲み込んだら、存外に音がデカくて
担任の先生やムスメっこに
「コイツ、ビビってるな」
気取られたんじゃないかってビビったぞ。
小せえ小せえw
*
×××高校の先生お手製ファイルを開く。
「えーっと」
「評定は併願優遇に足りてますね」
「あ、この評定なら試験に加点されます!」
「英検をもってるのでさらに加点されますね」
ほう。
知らんかった。
「おお、全部足すと40点分の加点!」
「いいんじゃないでしょうか!」
私立って3教科しかないんだよな。
そこで40点の加点ってすげえ。
キムヨナかよ(ナツい)。
加点で爆上げの「キクナナ」。
おもしろくもなんともねえな。
*
ともあれ。
○都立の推薦はパス
○私立の併願もほぼ決まり
ってことで、やれやれ。
あとは塾の冬期講習だの、受験まわりだの新生活準備だの、クソ親父ATMが払底するほどの出費をカマしてオケラになったころ、春が訪れる。
はずだ。
*
「ところでチャレンジ枠はどうします?」
私立とかでより高いところを受けてみるかね
的な話らしいが、そんなんどうだっていいわ。
ムスメっこは都立にいきてえっつってんだろ。
謎の強気発動ぇ。
もとい。
「いやいや、ここは都立に集中しましょっ」
「ですよねっ」
ってことで、面談終了。
*
まあそういう問いを発するだけ、担任の先生が
ムスメっこを買ってくれてるってことで。
なんなら。
「1学期のときも申し上げたとおり」
「まだまだ全力を出し切ってない
って感じがするんですよね、いい意味で」
「なんというか、こんな時期なのに」
「ちゃんとふだんの学校を楽しんでるというか」
「そういう余力を残してるってことは」
「上に進んでからもがんばりうるってことで」
「残りの中学生活もこの調子で」
「めいっぱい楽しんでもらいたいです」
ムスメっこ、過大評価か?
*
先生よ、冷静に隣にいるやつを見ろ!
こいつの親はおれだぞ!
キクチ(ブサメン、コミュ障、クソほどモテない)だぞ!
おめえの長年の教師生活、
まるっとズバっと、節穴なのか?
クソ父親、恐縮す。
*
でも、なんつうか。
リップサービスかなんだか知んねえが。
ムスメっこのことをそこまで言ってくれるとか
むちゃくちゃ、うれしいな。
子を預けてる親の身として。
*
なんなら。
先生よお、いまからおれと飲みに行く?
(スクールウォーズの大木クンなてい)
おごっても、いいぞ。
いや、キクチ、クソ貧乏だから。
基本線、ワリカンで。。。
ぐらい。
*
っていうか、先生よお。
(スクールウォーズの大木クンなてい)
「その学校を志望する理由を」
「なりたい将来像を見据えつつ言う」
的なやつは、いいんすか?
あ、いいんならいいです。
*
。。。
*
夜、おうちに帰ってからムスメっこと話す。
「○高校、先生も後押ししてくれてるみたいでよかったじゃん」
「ああいうこと言われると、なんかやる気出るよね!」
ム「いや、べつに」
。。。
出たな、クールガイ。
*
最近ようやく気づいたんだけど。
こういう、なんらかが起きたときって、反応の仕方はひとそれぞれ固有なのね。でいて、反応の仕方はどうあれ、それに対する想いとか感じ方には、さほどの差異はないんだ。
(客観的な)先生の評価と。
(主観的な)ムスメっこの目標とか、進みたい道や、やりたいこととはまた別の話で。
これから先、ムスメっこにやりたいことができたら、それに全力を尽くせばいい。クソ父親だてらに無条件で後押しする。
よしんば後押しできなくても、少なくとも応援は全身全霊でしてるわ。無条件で。
*
なお、翌日に聞いた話では。
面談の順番がムスメっこの前だった子。
×××高校の単願推薦がとれそうだそうだ。
おお、よかったよかった。
でもでも、そうっすっと。ますます、
あの面談での担任の先生は
いったい何だったんだぜ???
*
ってんで、いったんあわてて職場に戻り
あわてて、下北沢へ向かったんであった。