子どものころに伝記を読んでからかな?
「人見絹枝」って
おなまえを聞くだけで
胸のざわつきを抑えきれない。
*
大河ドラマ「いだてん」。
きょう放送されてた回は
全面的に人見絹枝スペシャルって感じで。
18時からのBS、20時からのNHK、
二度、ガン見してしまった。
「さっきも観てたじゃん」
背中で家族の冷ややかな視線を感じつつ。
*
いらねえ情報をぶっこむと。
おれは、ですね。
「いだてん」は名作だとおもうんっすよ。
毎週、楽しみでしようがない。
たとえば。
っていう流れで
おなまえを出すのはどうかとおもうが
寺島しのぶって、いままで
あんまいいイメージなかったのね。
「ある日とつぜん大物っぽく出てきて
どこがいいんだかさっぱしわかんねえけど
いつまでも大物扱いでなぜか出てる枠」
って、俳優とかであるじゃないすか。
寺島しのぶも、おれんなかでその枠で。
でもでも。
寺島しのぶが演じる二階堂なんたら。
もう、ぐいぐい引き込まれちゃったもんね。
みたいな。
*
んで、「いだてん」って。
ネットニュースをみるかぎり
「歴代最低視聴率をばく進中」
らしいじゃないすか。
まず、主人公の金栗四三なり田畑政治
誰それ? 知らねえよって。
「大河ドラマなんだから、
戦国武将か幕末の志士、よしんば源義経でしょ」
みたいな。
で、やれ。
中村勘九郎が地味すぎるだの。
たけしの滑舌が悪くて
何言ってるかわかんないだの。
四三の場面、若き日の志ん生の場面、
現代の志ん生の場面と切り替わるのが
わかりづれえだの。
*
それって。
「大河ドラマはかくあるべし」
っていう枠にはめたいだけだし。
金栗四三とか田畑政治を知らないって
てめえが無知なだけだろ、だし。
(っていうか、おれもよく知らんかったが
「こういうひとがいたんだ!」
ってことを知る楽しみのが、デカい)
場面なんかわかりやすく切り替わってて
それがわかりづれえって
てめえの脳みその足りなさを
開陳してるだけじゃねーか。
イチャモンに事欠いて。
*
それでなんかこう、
ネットニュースっていう狭い世界
だけのことかもしんないけど
「いだてん=視聴率低い=つまんねえ」
的な意見が醸成されちゃってんのが。
きのうのエントリーをものした
いくつかある、きっかけのひとつで。
でいて。
きのうのエントリーをものしたこと
ちょっと後悔しておる。
ぶっこみすぎちゃったし
わかりづれえし。
ってのは、完全に余談だな。
まさにいらねえ情報だな。
措く。
*
。。。
*
おれが「人見絹枝」って聞くだけで
胸がざわつく感じ、超絶wktkするのって、
「原風景を見ちゃった興奮」
っていうんだろうか。
じぶんは実際みたわけでもねえのに
いろんな風景とか空気感とかロマンが
ぶわっとキョライする、あの不思議な感じ。
極私的にいうと。
「沢村栄治」とか「円谷幸吉」とか
「佐藤次郎」とか「竹中半兵衛」とか
はたまた「中京の野中」とか
(あ、中京の野中はリアルタイムだな)
みたいのって、あるじゃないすか。
ないすか?
あ、それならいいっす。
*
人見絹枝ってのは
日本女子で初の五輪メダリストで。
女子800メートルの銀メダリスト。
最近、フィーチャーされたのって
有森裕子がマラソンで銀メダルとったとき
「陸上では人見絹枝以来」って報じられ。
あまつさえ。
その日は64年前に人見絹枝がとった日と、
61年前の人見絹枝の命日だったりして。
*
「800m」ってのが、また
エポック感あるっていうかなんていうか。
いまだと日本人は世界から置かれてる種目だし。
でも、それは黎明期だからでしょ
ってのもあるが、黎明期ならでは
っていうことでもあるし。
だって、女子800mって
その人見絹枝が2位になった試合で
レース後、みんなぶっ倒れちゃったから
「やっぱ女性には無理だ」って偏見で。
それから32年後、ローマ五輪まで
封印されてた種目だし。
*
人見絹枝が800mに出たのだって。
(これはドラマでもやってたが)
本職の100mで失敗しちゃったから
未経験なのに、チャレンジしたっていう。
「(今回、女子として唯一参加した私が)
ぜんぜんダメだったじゃねーかよ
ってことで終わったら、こんりんざい
女子の陸上選手が出られなくなる」
ナドト、国とか性とか
もう、いろいろ背負っちゃってんのね。
*
当時の「背負っちゃってる感」って
ほんとうにものすげえプレッシャーで。
上記した佐藤次郎なんか、
戦前のテニスの名選手で。
フレッド・ペリーなんかと張り合ってて。
でも、病気とかストレスで
もう、おもうようなプレイができないってんで
「死んで詫びる」ってって
移動中の船から投身自殺しちゃったとか。
あ、フレッド・ペリーって。
アパレルのブランドあるじゃないすか。
月桂樹みたいなロゴの。
のちにあれをつくったレジェンド、な。
*
円谷幸吉なんかもおんなじで。
戦後だけど、東京五輪で銅メダルとって
次のメキシコ五輪でもがんばれって
その期待がデカすぎて。
ケガとかで苦しんだ末、自死をえらんだり。
一説によると。
円谷幸吉がそうなっちゃったから
五輪選手を輩出するって意味では
自衛隊体育学校が凋落しちゃった
ぐらいの影響を及ぼしたひとで。
*
そんくらい、いろいろ背負ってて。
人見絹枝も、周囲の期待とか
スポーツの普及とか
女性アスリートの地位向上とか
そういうので、無理しすぎちゃって、
銀メダルとった3年後に結核?で
亡くなっちゃうとか。
よしあしは別にして、命を削ったというか
文字通り、命を懸けてやってて。
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あと、おれが高校野球ずきとして
おおおっってなったのが。
甲子園で試合が終わったあと
勝利チームが校歌を歌うのって
人見絹枝の発案なんだとさ。
人見絹枝って、
いまの毎日新聞ではたらいてたから。
(春のセンバツは毎日新聞が、
メインスポンサーじゃん?)
*
書こうとおもってたことが
終わってないのでつづける。
*
黎明期の陸上選手。
きょうの大河で人見絹枝に
声援を送っていた、織田幹雄。
織田幹雄は三段跳びの選手で、
ストックホルム五輪で
日本人初の金メダルを獲得する。
戦前は日本は、三段跳びってお家芸で
4年後のロス五輪でも
南部忠平が金メダルを獲るのね。
どんくらいレジェンドかというと。
織田記念っていう陸上の試合も
OTTをよくやる代々木の織田フィールドも
織田幹雄の偉業から。
あと、夏にやる陸上の試合に
南部忠平記念ってのも、あるよね。
わりとデカい試合。
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うっわ、なんかここ一連。
ウィキペディアのコピペくせえ駆け足。
たぶん、ウィキペディアを見りゃ
そのまんま、出てるぇ。。。
*
。。。
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もうひとつだけ。
黎明期の陸上選手っていうと。
おれがたまらなくロマンを感じるのは
村社講平。
「むらこそ」と読む。
これ、見て見て! ベルリン五輪の10000m決勝。
レースを先頭でひっぱるカリスマ。
会場に響く「む・ら・こ・そ」って声援。
あと。
「黄色人種ごときが!」って感じで
あからさまにいらついてるヒトラーw
*
こういうときれいごとじみちゃうが。
そういう偉大な先人が拓いた道があって
いま、ぼくたちわたしたちがあるんだよなあ
おもわずにはいられないのね、どうにも。