「9時半にきて」いわれてたので、
ムスメっこからちょっと遅れて
○高校へ向かった。
*
あ、日記な。
*
おうちから最寄りの超絶ターミナル駅に
ついたのは、合格発表がはじまる9時。
の5分前。
小田急線って新宿から小田原まで走ってて。
駅ごとに乗降客数が出てるなかで。
いちばん多いのは、やっぱり新宿。
つづくのが下北沢とか登戸とか町田とか
他社線と乗り換えがある駅で。
かたや。
乗降客数の少ない駅ってのは
小田原方面の小田原駅に至らない
途中にある駅が集中してて。
たとえば、ビルドアップのカミさんの
地元の駅とかでw
*
そんななかで。
地元の超絶ターミナル駅は
いちおう多摩川の「東京側」にあるのに
小田急最少を「カミさんたち」と
争っておる。
という、希少な存在。
企業も大学もなく、けして急行はとまらない
川べりにある「真の東京の中心(自称)」
あ、長えな。
*
そんな超絶過疎過疎ターミナル駅に
ランドマークのように都立高校があって。
超絶過疎過疎ターミナル駅についたら
「銀座か?」あるいは「祭りか?」
ぐらい、前代未聞の混雑。
おれは親とおんなじ気持ちの身分だから
その、ものすげえ群衆に逆らって進みながら
すれ違いざま、すべての親と子の幸を祈った。
心から。
*
予定よりちょっと遅れて
ムスメっこが受験した○高校
の、最寄駅に着いたって連絡すると
「正門のところにいるよっ!」
ムスメっこからLINEが来てた。
ムスメっこはいたってふつうのようす。
「このようすだと、やったな!」
確信しつつ雨がそぼ降る駅前を早足であるく。
*
正門の左脇にムスメっこ。
タブレットをいじってる。
「遅くなってすまん」
とりあえず、声をかける。
「どうだった?」
いちおう、声をかける。
ほんとは掲示板に一目散したいけど
それは大人気ない気もするし
ムスメっこといっしょに喜びたいし
「なんでもないふう」を装いたいじゃん?
*
「落ちてたよ」
ふつうなていで、ムスメっこが言う。
お、おうよ。。。
ん?
え?
えっっ???
とっさに、まったく意味がわからない。
*
今年は確かに倍率が高かった。
まあ毎年、高めな学校なんだけど。
試験が終わったあと、
「どうだった?」訊いたら。
「まあまあ」っていう。
「英語がちょっと心配だけどね」
言ってたものの、
ムスメっこはいつもそんな感じだし。
*
夏まで「60%ぐらい」だった模試の判定は
秋以降、確実に「80%以上」を叩き出してたし。
入試の自己採点の結果を聞いたとき。
「さいあく、これぐらいとれればダイジョブ」
というラインは大きく超えてて。
自己採点が甘めだったかもしれない
ということを差し引いても
「これはむしろ入ってから楽しみだな」
ぐらいにおもえる感じだった。
つまり、きょうのおれは
「コールド勝ちを確認しにいってみっかな」
ぐらいの気持ちで臨んでた。
*
甘かった。
ムスメっこではなく、おれの想いが。
*
うそでしょ?
いちおう、掲示板と受験票の番号を
二度見、三度見、往復する。
でも、どんな角度から何度見ても
ムスメっこの番号はなかった。
頭が真っ白になった。
*
キクチ、テンパる。
けれども、こんなクソ父親よか
内心、ムスメっこがいちばん
テンパってるはず。
ということを強引に察して
やっぱり「なんでもないふう」を装う。
*
地続きに入学手続きするはずだった
校舎と180度真逆に
正門を背にして、あるきはじめる。
「ママとばあばにLINEしときな」
シュッシュ、タブレットを繰ってるムスメっこ。
「学校に電話しなくちゃ」
キクチのスマホを渡して、連絡させる。
漏れ聞こえてくる声を聞くだに。
担任の先生もパニクっとる。
そりゃそうだ。
*
へんてつもねえクソ田舎の
人数もけして多くない公立中学校だけど。
それまでせいぜいヒトケタ番だったのに
ムスメっこは夏休みがんばったんだかで
内申的に最重要な2学期。
中間テストで学年1位を奪取して
期末テストも学年1位をキープした。
*
おれのせいかな?
クソ父親がなんか勝手に
有頂天になっちゃってたのかな?
そういうの。
いちばんしちゃいけないって
肝に銘じてたんだよなあ。
*
「おれとムスメっこは違う人間だから」
「親の希望とかを介入させちゃいけない」
だったはずなのに。
知らず知らず、
「子供に過度に期待する」
「子供に過度に負担をかける」
を、そんなつもりじゃなかったけど
随所にちりばめちゃったのかなあ。
それがなんとなく伝わって
期待に応えようとか、
変なプレッシャーをかけちゃったのかなあ。
クソ猛省。
*
そんなん感じで。
傍目からみてもこの1年
ほんとうにがんばってた。
し、(模試とかは)結果も残してたの。
本人は、そんな甘いもんじゃねえって
油断せず、やってたし。
*
だからこそっていうか
目の前に突きつけられた現実に
クソ父親はテンパる。
テンパりながら、
どうでもないふうを装わないと。
*
まあ、現実は現実。
しようがない。
しようがないっていうか
ムスメっこは1年間、よくがんばった。
でも、現実は現実。
てっとり早く言うと。
(ここまでグチグチ、
全然てっとり早くねえぇ)
こうなっちゃった以上、
私立の手続きをしとかなくちゃなんない。
2月はじめに受かった私立。
なんたら優遇制度で、
第一志望の合格発表日の夕方までに
入学金を納めればいいすたっらくちゃー。
おれは、その中身を読んでもいなかった。
*
が、こうなったらこうなったで。
その高校へさっそくGOだ!
ソッコーで手続きしなくちゃ!
ムスメっこと電車に乗り込み
△△高校へ向かった。
んであった。
予期せぬ「つづく」。
(ネタ的にはこっからなんっすよ)