30kをすぎてあと12kあまり。
がんばれば、1時間ちょい。
さすがにちょっと疲れてきたし
右ヒザもシクシクしてきたケド。
じゃあ、すげえつらいですかっていうと
それはあくまで「42.195ぶんの30」
ていどの疲労度で。
あと12.195は残ってる。
このままのペースで完走できそうだぜうえーい。
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なあんてことはまったくねえ。。。
ってのはひとまず措いて。
あ、コース図。公式サイトから。
もうこうやってコース図を出しつづける意味が
よくわかんなくなってきてるんだぜ。
でもやっとここまできたぜ感は、ある。
30km~35㎞
27:14/3:03:21(518、526、518、524、548)
27:24/3:04:37
キロ5分20前後をキープする作戦。
あいかわらず1kごとはブレブレだが、
ならすと、そこらへんにおさまってる。
ほうら。
31k518
32k526
33k518
34k524
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ただ、右ヒザのスコーンと抜ける感。
間隔がどんどんどんどん、短くなってきてる。
3歩に1回ぐらいになると
痛みをともなうようになってきて。
33kをちょい過ぎたころ、1歩に1回。
かんぜんに痛みに変わった。
35k548。
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右ヒザがかんぜんに痛みに変わってから
びっこをひくようになった。
びっこをひくとバランス悪いので。
右ヒザをかばってほかを痛めるのもやだから
平気なていで走るようにしてみた。
あるじゃないすか。
冬のすげえさみい日。
カラダを固くしてガタガタふるえてるのを
脱力して平気なていを装うと
いっしゅんさむくなくなるやつ。
この痛みが
脳がストッパーをかけるために出す
うそこの痛みだったら
そのまま、やり過ごせるはずだ。
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なあんてことは、あるはずもなく。
3歩ぐらいで「うわっ」ってなりましたよね。
おれの脳もカラダもまっすぐな正直者。
正真正銘、リアルなやつでござった。
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びっこひきつつ、なんとか
サブフォーペースを維持しようとする。
36k537、37k552。
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これは後付けっぽい言い草だが。
このとき「歩く」って選択肢はなかった。
「ぜったい完走する」って決めてたからだし
現状でいまいちいち、どう全力を尽くすか
しか考えられなかったので
よぶんなことを考える余地がなかった。
って言ったほうが近いのかもねん。
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そんなんだから。
こうやって時計をみると
みるみる減速してってるにもかかわらず
リアルタイムで失速してるって概念がない。
いや、ラップは確認してるのよ。
いつものマラソンの失速中だったら
「サブフォーはキープしたい」ってって
それからも漏れちゃったとしたら
気持ちが折れちゃうにきまってるのに。
概念がないもんだから。
いまを精一杯やろうだけ、考えてる。
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今後、マラソンを走ったら
また失速することもあるだろう。
でも、そのときは。
こうやって失速って概念を持たなきゃ
じぶんの全力を尽くすことに集中でける。
そうしよう。
これってけして、机上の空論じゃないはず。
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37kを過ぎて。
右の親指も痛くなってくる。
去年の青梅試走のときも
半年前のつくばマラソンのときも
限界を超えてから踏ん張って漕ごうとすると
よけいなチカラが入りバランスが狂って
右足の親指の爪が死ぬ。
「あ、今回も確実に死んだな」
おもうよゆうもなく
ヒザとおんなじぐらいの痛みになる。
ヒザのきんきんした鋭い痛みと
爪のもわんもわんした鈍い痛み。
このハーモニーはなんだぜ?
びっこ度合いがさらにデカくなる。
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38k地点。
「あとたった4k、がんばれキクチ!」
「おめえここまで、ちゃんと勝負できてるぞ!」
右ヒザをグーでぶっ叩きながら
きょう何度目かの絶叫を独りごちる。
なお。
きょうここまででやった絶叫って。
「このパン、マジうめえ!」
「こんなうめえコーラ、はじめてっす!」
とか、私設エイドでカマしたやつだw
いらねえ情報にもホドがある。
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33k以降はもう
ほとんど泣きながら走ってるから
恥ずかしくてサングラスがはずせない。
38kのラップ。
とうとう6分35秒まで落ちた。
でも、痛さとつらさが
逆に生きてる実感をさせてくれてるっていうか
マラソンってこういうもんなんだっていうか
いま、おれそのマラソンがんばれてるっていうか
そう考えたら、ちょっとうれしくなってきた。
つづく。