「つくばが終わったらカマしたいウタゲ」
って妄想エントリーを
予約投稿してたんだけど、サシカエ。
いや、ね。
ショージキ学芸会、よりによって
つくばの前日とかねえわって
やさぐれてたわけですよ。
ちょっとでも体力を温存したいのに
たぶん、30分以上行列で待ちぼうける。
たぶん、寒い体育館で震えてなきゃなんない。
なんだかんだクルマの運転つかれるから
夕方までに伯父宅に着いてたいのに
ムスメっこが下校してくるのが、夕方。
マジ、たりいと。
カンベンしてくれよ、と。思春期なていで。
*
じゃあ行かないかっていうと。
そんなわけにはゆかない。
それはなにも、にょうぼうの目とか
ムスメっこの目が気になるとかじゃなく。
観ないわけにはゆかない。じゃん。
ぶ厚いニット帽に、フリース2枚重ね。
の上に、ダウンジャンパー。
ネックウォーマーとアームウォーマー。
何を伝染されるかわかんないから
マスクも2枚重ね。
そんな完全装備で、小学校にいった。
*
体育館に入ると。
にょうぼうは前のほうで観たいってんで。
おれと別れた。
にょうぼうは、おれと、袂を、分かつた。
前のほうの席は、体操マットの上に座る。
脚しびれんのやだし、ケツの肉がないので
30分以上もたない。
ややうしろのパイプ席に、独りで座った。
「早く終わんねえかなあ」
「早く終わんないかなあ」と。
*
6年生の出しものは。
『中学生免許』って劇だった。
中学生になるには、しかるべき試験を受けて。
合格しないと中学生にはなれない。
ばかりか。「永久小学生」として
一生を過ごさなければならない。
っていう。
ふーん、そうすか。
*
ムスメっこの役は。
試験に挑む小学生のうちの1人。
客席から見上げる
舞台の上に立ってるムスメっこ。
まいんち接してるのに、なんだか
大きくなったように見える。
まだ手のうちにあるとおもってたら
いつの間にか大きくなり
おれの知らないところでセリフや唄をおぼえ
それを舞台の上で堂々と、カマしてる。
ムムム。
椅子に深くおろしていたケツを
ケツ半分ぶん、前にずらした。
同級生たちも、何だか大きくなってる。
うーん、わかりづれえかな。
アタリマエすぎるな。
いや、ね。
田舎の小さな小学校なので。
たいがいの子の顔は、知ってる。
保育園のときからおんなじ子なんか
10年ぐらい前から知ってる。
そんじょそこらの「10年ぐらい前」じゃねえ。
生まれてたかだか11~12年。
のうちの、10年。
野郎なんか声が変わりはじめてたり。
色気づきはじめちゃってる女子もいる。
「うわあ、大きくなったなあ」と。
背もたれにガッツリもたれていたカラダが
しぜん、前のめりになる。
なんか、陰謀論だ。
おれは、謀られてる。
*
最終試験。
(以下、ネタバレ注意)
試験の厳しさに耐えきれず
脱走を企てて捕えられた同級生に
裁きを下してください。
マニュアルにそって裁きをくだし
おでこに一生消えない
「永久小学生」の烙印を押してください。
残るはアタシひとり。
ほかの同級生はみんな、合格してる。
え、ちょっと待って。
この子はいじめられたアタシにも
仲よくしてくれたほんとうのトモダチだよ。
その子がちょっと試験ができなかったからって
一生「ダメ」ってことなの?
そんなのおかしい。
アタシにはできない。
アタシは試験に落ちてもいい。
「永久小学生」でもいい。
トモダチは、トモダチだから。。。
*
「ほんとうにそれでいいんですね?」
「いいです!」
。。。。。。
「はい、おめでとう。合格です!」
キタコレ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
*
「アタシ」の役ではないが。
劇中で「中学生免許」をもらったムスメっこは
現実でももうすぐ、中学生になる。
保育園からいっしょの
ヨチヨチ歩きだった子たちも
もうすぐ中学生に、なるんだなあ。
キョライする。
ヤバイヤバイヤバイヤバイ!!!
「ただのたるい学芸会」なのに、
なんらかをもっていかれちまいそうだ。
「ただのたるい学芸会」ですらこうなのに
数ヶ月後の卒業式とか、
いったいどうなってしまうんだろう?
こわいよー!(狛江市・男性・42歳)
*
神様とやら。
おれは「永久小学生」でいいです。
むしろおれをこそ、
永久に小学生でいさせてください!
明日、そんな自称・永久小学生が、
研究学園都市を、疾駆する。
疾駆、したい。