人生で何度かトリカラブームに遭遇してるが、今回は長い。
「遭遇」って、マイブームとしての、なんだケド。
おれ的、トリカラ的に長期政権。
おれ的、トリカラ的に好景気。
いざなぎ、いざなみ、あまてらす、すさのお、ぐらい。
岩戸、猪方、駒井、和泉本町、ぐらい。
コレ、ローカルすぎてわかんねえな。狛江の町名だし。
そんなわけで、トリカラにまつわる思い出話。
中身はゼロ。
→パー職人(2013/12/19)
のつづきみたいなもの。
*
学生のころ、夏休みに西武池袋線に乗って試合をやりに行った。
ひばりが丘とかそこらへんだったかな。
なんの試合かはナイショだ。
ヒント。
「ツーバンする前に相手にボールを打ち返さなくちゃならない」
「まけろう、すこんちょ、えんどる、ぶんぶん」
試合は話の本筋とはまったく関係ないし、
ナイショにする意味もまったく、ない。
*
で、試合はあっさり緒戦で負けて、帰路につく。
とりあえず、池袋へ向かう。
練馬を過ぎたころ、思い出す。
「そーいえば、ヤツが椎名町に住んでたっけ」
ヤツ=異常にもみあげが長くて、異常にプライドが高い後輩
登場人物もおんなじ。
やにわにポッケから
数ヶ月前にはじめて手に入れたケータイとやらを取り出す。
西武池袋線で池袋の1駅前、椎名町のチェーン店で飲むことになった。
*
アズ・スーン・アズ店に入るやいなや、
おれにアイデアの神が降臨。
「きょうはトリカラ飲みね」
大原則は
“アテは揚げた鶏しか頼んじゃいけない”
つまり、トリカラはともかくとしてたとえば、
手羽先揚げはOK、焼鳥はNG。
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いきおいだけで突き進み、早くも後悔しはじめてたものの、
「意地の張り合い」がカレとの不文律。
お互い一歩も引く気は、ない。
パー職人のときとおなじ構造ね。
いちおう、引用しとく。
○カラダの調子もおかしくなってきた。
○どちらが勝ってもぜったい、何の利益もない。
○だから2人とも、実はやめたくてしようがない。
○でもたぶん「そろそろやめようぜ」と言ったほうが負け。
○一番の屈辱は相手に負けること。という場の空気感。
○「しょせんネタじゃん」というオブラートで包んでるから、よけいにタチが悪い。
なもんだから、悪ノリしてルール追加。
“ドリンクを注文するたびに、アテを1品注文しなくてはならない”
*
「すんませーん、中生1つと鶏のからあげ1つ」
「すんませーん、ウーロンハイと鶏のからあげ1つ」
何度かくり返すうち、気づく。
せめて飲みもののオーダーだけでも、2人同時にしようぜ。
じゃないと、つらすぎる。
「すんませーん、中生2つと鶏のからあげ1つ」
「次は、ジャンケンで負けたほうがドリンク追加ね」
「むむむ」
「ジャーンケーン、(おれパー、カレグー)」
「次も、ジャンケンで負けたほうがドリンク追加ね」
「ジャーンケーン、(おれパー、カレチョキ)」
「むむむ、やりやがったな」
*
だんだんキツくなってきたころ、カレが大発見をする。
「キクチさん、メニューにプレミアムからあげってのがありますよ!」
「すんませーん、中生2つとプレミアムからあげ1つ」
「すんませーん、中生2つとふつうの鶏のからあげ1つ」
「次は、ジャンケンで負けたほうがドリンク追加ね」
「むむむ」
「ジャーンケーン。。。」
*
意地の張り合いは、ドロー。
カラダのなかが、油でドッロドロもといギットギトだ。
ドローとかけてうまいこと言おうとしたけど、そううまくいくもんでもない。
酩酊したし夜も更けたし、なし崩し的にカレの下宿に泊まることにした。
胸焼けがハンパない。
*
翌朝。
二日酔いはしてないが「二日胸焼け」はしてる。
とりあえず家に帰るわ。帰りがけに昼飯でも一緒に食ってこう。
と、目白駅に向かう。
駅前の商店街が見えてきた。
さて、何食おうか。
*
話し出した矢先、
はるか前方にある、赤と白の看板を発見。
メガネをかけたおじいさんが、こっちを見て微笑んでる。
あちゃー。
確かに。
トリカラ飲みは、学生ノリで突き進んだものの、
これといった着地点を見出だせないまま、ゆうべから上空を旋回しつづけてたんだった。
*
「キサマとおれにはもう、選択肢はねえ」
カレとおれは、「ご休憩」なていで、
手に手をからませ指に指をからませ、
お互いがお互いにカラダを預けるようにもたれかかりながら、
ケンタッキーの自動ドアの向こうに消えてったのだった。
*
という、
トリカラ飲みって楽しいよ!
ぜひやってみてみて!
ありがとうございます!
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