さいきん開拓したマイコースに
「浄水場」ってのがあって。
近所の浄水場(跡?)のまわり1.4kを
夜、ぐるぐるまわる。
多摩川河川敷はまっくらで距離感わかんねえし
なにかと衝突したりつまづいたらやだし。
ふつうの道はクルマや信号があって
一定のペースで走れねえし。ってんで。
適度に暗めの街灯があるし。
ストップするひつようのないこの周回は
とってもつごうがよい。
*
浄水場はいびつな四角形で。
川沿いの直線は対向をタクシーが
ハイビームでがんがん走ってくるケド
ガードレールで歩行者が確保されてて。
左に曲がると右側が住宅街で人通りなくて。
左に曲がるとバス通りでもある広めの車道。
もし前か後ろからクルマが来ても
どっちかに寄ればいいだけで安全。
さらに左に曲がると。
クルマもほとんど通らないから安全。
*
ここのコースは「しようがねえなあ」で。
すごく距離を稼ぎたいんなら
昼間に河川敷を走ればいいし。
強度をつよめて走りたいんなら
河川敷の距離表示をめやすに走ればいい。
ここのコースを走るときは。
朝、ねぼうしちゃって走れなくて。
でもそんなに走る気はしなくって。
でもでも、いちおう走っといたほうがいい。
から、ゆるゆる走ろう。
ってのにうってつけだ。
*
「ねぼうした」
「そんなに走る気はしない」
「でもランオフは、ない」
って条件がかみあったきのう。
絶好の浄水場日和w
早めにおうちに帰って
飯を食って家事を済ませて
とりあえずってんで、走り出す。
21時すぎ。
*
信号がないから一定のペースで走れるし
人通り、クルマ通りも少ないから
一定のペースで、走れる。
「周回コースは飽きやすい」
っておのれの課題解決にもうってつけで。
いい感じで周回を重ねてた。
*
。。。
*
何周目かで、はたと気付く。
「この河川敷にある大きめの木って10数年前
朝、紐からひとがぶらさがってたよね」
しぜん、ピッチが速まる。
その木の横を通り過ぎてからも
なんとなく後ろが気になってしようがない。
左に曲がる。右が住宅街。
なのに、人通りがほぼないなかで。
OLさんがチャリでおれを追い抜きながら
追いつかれないようにチャリをとばしつつ
チラッチラ、こっちをみてる。
*
左に曲がる。バス通り。
シャバめのスポーツカーが
爆速でおれを追い抜いてく。
のはまあいいとしても。
乗せる客なんかいるはずねえ田舎なのに
空車のタクシーが流してる。
黒いワンボックスカーともすれ違う。
*
左に曲がる。
人通りもクルマ通りもねえ最後の直線。
黒いワンボックスカーとすれ違う。
あれ? さっきとおんなじ光るナンバープレート?
タクシーとすれ違う。
ナンバーの下ふたけたがさっきとおんなじで。
さっきのは空車だったのに、こんどは「送迎」。
なんとなくぞわぞわ、する。
*
横の路地から、ひと。
ただのおじさんなのに、ビクって、する。
対向のチャリが超絶猛スピード。
おれもなんか胸騒ぎで、ペースアップ。
*
何かを感じ始めてから2周目。
月に照らされて浮かぶ木の影が、
なんらかを暗示してる、ように感じる。
かんぜんに気のせいで、背中がさむい。
街灯の下を通り過ぎる。
おのれの影が後ろから前へ移動してくる。
おれを、追いかけてきてる。
浄水場(跡?)に積み上げられた廃材。
風に揺られてザワザワ音を立てる木の葉。
すれ違う、黒いメットの原チャリ。
*
よくわかんないけど。
すべてがおばけ的なものに見えてくる。
エンジンを動かしたまま停車してるクルマ。
こんな僻地で、そんなことすんのは。
よっぽど道に迷ってるか
どうしても助手席のチャンネーと
チューしたくなっちゃったのか
あるいは。
なんらかの意思をもって停めてるか。
の、どれか(なはず)だ。
*
なんらかの意思をもって停めてるか。
なんらかの意思をもって停めてるか。
なんらかの意思をもって停めてるか。
ひえーーーーー。
*
おもいこみって、こわい。
またあのタクシーとすれ違うのか?
黒いワンボックス、来るの?
路地からひょいって、おじさん?
停まってたクルマがとつじょ動き出す。
あたかもおれを追跡するか、のように。
*
どうでもいいジョグが。
つづけらんなくなっちゃって。
浄水場から離れたコースをとって。
あわてておうちに帰ろうとする
おばけがこわくてしようがない狛江市在住
43歳男性、会社員デス!
この夏のマイブームに乗っちゃって(↓)。
*
「しようがねえなあ」コース。
意味なく距離を稼ぐにはうってつけだが。
ふたたび平常心でポクポク走れる日が
くるんだろーか?
おっかねえ。。。
ほんと。
けっこうマジクソ、ビビってたんだが
こうやって書き起こすと。
あまりにもくだらねえ。