「スーパーに行くなら、ついでに
あたしのアイスを買ってきてくれてもいいよ」
わけのわかんない言葉で送り出され、
ムスメっことスーパーへ。
ガリガリくんかパピコを人数分せしめて
お茶を濁しとこう。
おもって。アイスクリーム売場。
目の端にレディーボーデン。
ムスメっこに訊くと、食ったことないと。
人生において、それはなんかいかんのではないか、と。
*
子どものころ。
父親が仕事帰り。たまーに買ってくる
ファミリーサイズのレディーボーデンには。
すべてのワクワクが詰まってたような気がする。
同時に
「オトナになったらコレを、
独り占めしてぜんぶ食ったるぜ!」
野望を抱くに十分な夢がこめられてた。
そんなシロモノ。
そんなこんなで。
んじゃ、と。ちゅどーん(↓)。
おいしかったでーす(はあと)。
*
プレミアムアイス。
的なものがアタリマエになった当世。
30円のアイスキャンデーや
おうちの冷凍庫で凍らすアノ
真ん中でパキッと割ってチューチュー吸うやつ
生協のモナカ
が、アイスのほぼすべてだった時代。
に、元気に貧困に育った身としては。
いまの子どもにとって
レディーボーデンがどういうものかは
わからん。
変わらず「ウホッ」なのかもしれないし。
「なーんだ、ハーゲンダッツじゃねえのかよ」
「レディーボーデンとか、知らねえよ」
かも、しれない。
*
にもかかわらず。
なんで、スーパーのアイス売場でおれは。
「レディーボーデンを知らないような人生は
なんかいかんのではないか」
と、おもったんだろう。
レディーボーデンそのものというより
それらを取り巻いてたワクワク感
なのかなあ。
サタデーナイトポエムぇ。。。