仕事で、おれにとって欠かせないのは
物事を俯瞰する視野。
自己管理力。コスト意識。コミュりょく。
どれも激しく欠落してる(あるいは皆無)が
いまさらわざわざそんなこと持ち出して
「そんなおれも、かっけー!」したいんではない。
*
いまの仕事で、おれにとって欠かせないのは
「水性ペン」。
なかでも赤のボールペンと
ミドリのサインペンは
存亡にかかわるといっても、過言だ。
過言だがとりあえず、とっても困る。
*
いまの職場・勤務地ではたらきはじめて
11年半ぐらいになる。
その間に、職場近所の様子はだいぶ変わった。
2軒となりにあったコンビニも
よく政治家が密談してた老舗料亭も
90年ぐらい続いてたケーキ屋も
建築物の老朽化もんだいに飲みこまれ。
仕事帰りにかよっていた
揚げものがやたら美味い酒場も
なくなった。
*
まさに、いま。
いちばん不便なのが
本屋と文房具屋。
駅から職場まで徒歩10分の道程にあった
本屋が2軒、ビルまるまる1軒な文房具屋が
なくなった。
これは、地味に打撃力が高い。
すげえねらってるわけじゃないケド
ちょっといいな、気になるぞ
って本や情報、あんじゃん。
回り道するほどのものじゃないから
そのまま、スルーする。
けっきょくじぶんのなかで、お蔵入りしてしまう。
そして、忘れ去られる。
ホントは、なんらか可能性を秘めてたかもしれないのに。
。。。
(ここから次の。。。マデは余談ね)
いま、「オクラディオクラダ」とかいう
「何を言う、早見優」に匹敵しかねない
世紀の超絶ギャグをおもいついたんだが
とりあえず、措いて。
措いててよかった。
*
といえば、つい先日。
じぶんの親世代のベテランの同業者と飲んでて。
雑誌の編集長をやってたときの
快心の一撃ってハナシになって。
「編集後記」ってことになった。
編集後記。
その雑誌を仕切ってるひとが
さいごのさいごに思い入れを彫り入れられる
セレモニースペース。
最後におまけみたいにあるもんだが
ある意味、その雑誌の表情すべてをあらわすもの。
*
「キクチくんなんか、若いからわかんないかもしんないケド、むかしってコンビニは23時で閉まっちゃっててね」
「知ってますよお。『セブン、イレブン、いい気分、開いててよかった』ですよねっ」
って前フリから。
こんなんようなっていう(↓)。
※おれの聞きかじりなので、雑なあらすじだけ。
年末の大雪の日。
校了前の大詰め。
脇目をふらず残業してるとふと、
ものすごく腹が減ってることに気づいた。
こんな時間にやってる飯屋などない。
でも最近、コンビニエンスストアってのができて。
なんと23時まで開いてるらしい。
「おにぎりを買おう」
事務所を飛び出し、セブンイレブンに走る。
お、明かりが煌々と点いてる。
やった、やったぞ。おにぎりが食える。
しぜん、歩が速まる。
と、ツルン、ドテッ。
折からの雪に足をとられ尻もちをつき。
したたか尾てい骨を打ちつけた。
数十メートル先の明かりをみながらおもった。
「あいててて、よかった。。。」
なお、かつてクソ辺境で。
さもじぶんのネタかのようにカマした
「ダジャレー夫人の恋人」は
この大先輩からの、パクリだ。
この、インテリとバカの境界線的なセンスが、すきだ。
ムスコさんが習志野高校の野球部だった。
というのも、共感ポイント。
。。。
「すげえねらってるわけじゃないケド
ちょっといいな、気になるぞって本や情報」は
さいあく、手に入れられなくても困らない。
が、赤ボールペンとミドリサインペンは、別だ。
長年、赤ボールペンはパイロットのものを
サインペンはペンテルのものを使ってる。
どちらもとりたてて高価なものではない。
ボールペン100円、サインペン150円也。
きょうび、コンビニにも文具コーナーがあるが。
近所ののは、パイロットのボールペンと
ペンテルのサインペンを、置いてない。
ほかのはあるが、ほかのじゃダメなんだ。
*
ネット通販でも買えるが、
ペンらはいま切れかかってて、いますぐほしい。
こうなったら、リアル店舗。
リアル文具店だぜ。
「せっかくだから、わりとちゃんとしたとこ、行ったる!」
新宿の小田急百貨店10Fに伊東屋がある。
ソコに行くことにした。
「100円のボールペンと
150円のサインペンを買うためだけに。
超一流繁華街・新宿の、
超一流デパート・小田急百貨店の、
超一流文具店・伊東屋
に行くおれかっけー!」
わけわかんなく、そういう気運が、盛り上がった。
*
いっしゅん、銀座の伊東屋に行こうとおもった。
いっしゅん、おなじ新宿の世界堂に行こうとおもった。
でもでも。
いっしゅん、「銀座遠い」って日和っちった。
ザギンはおうちとは逆方向だし。
ザギンなんかに行ったら、
レアケースってムードにうなされて
「木村屋のあんぱんを大人買い」とかいう
悪のかぎりを尽くしてしまう恐れがある。
あんどいっしゅん、世界堂。
日本はおろか、関東も東京も、
狛江すらシメられてないおれさまちゃんには。
「世界」なんて途方もない夢だ。
世界堂、途方もねえ。
そんな行くどねえ夢を抱くよか。
「デパートの10Fまでエスカレーターを乗り継ぐ」
現実的なオイシさに魅力を感じちまった。
ので。
新宿小田急の10Fにある、伊東屋へ。
*
うーむ。
表題にぜんぜん、行きつかねえ。。。
言いたいことにぜんぜん、行きつかねえ。。。
*
新宿ってのは。
超絶ビッグシティ・狛江から、職場がある
国会議事堂しかない辺境ビレッジ・永田町まで
通勤でまいんち、乗り換えてる駅だ。
ただ、さいきんはただの乗換駅で。
めっきり、下りることがなくなった。
わざわざ下りるメリットが、なくなっちった。
これって齢をとるってことなのかなあ。
っていうか、目的もなく本屋に日がないるとか
文房具屋でさまよって。
買いもしない品を見つめつづけるとか。
たとえば、年のなかばに手帳売場でたたずむとか。
40円しかもってないのに、諭吉単位が跋扈する万年筆売場にはりつくとか。
そういうのって、ひつようねえことで。
ネットで検索して、オーダーすりゃ
ほしいもんは、すぐ手に入れられる。
じゃん。
*
あ、クソ長いので、
新宿小田急10F伊東屋の釣果。

パイロットの赤ボールペン100円と
ペンテルのミドリサインペン150円。
をせしめにいったのに。
ペンテルのサインペン。
桃、橙、黄、青、赤、黒、ある。
青赤黒は、在庫があるのでいいとして。
しかしして、
クンピ、オーレンジ、バルパンサー
って、何ぞ?
ざわざわするしかなくって。
でも、「黄色の出番」の実用性に疑いを抱いて。
その疑いってのは、せめてもの理性で。
クンピとオーレンジの必要性はわかんないが
どうしても、クンピとオーレンジを振り切れず
レジへトゥギャザー。
今後。
おれの一部の隙もない仕事っぷり。
あらゆるムダを省いた進行のなかで。
クンピとオーレンジの出番なんか
ないかもしれない。
ひつよう、ない。
*
でもでも。
おれはどうしてもクンピとオーレンジを
そこで置き去りにはでけなかった。
*
これって、デジタル社会の弊害で。
いや、デジタル社会はいいとおもうんだが。
ついつい、隣にあったものを手に取る。
ついつい、レジまで運んでしまう。
っていう、なんていうの?
偶然のバッティング?
にこそ、その醍醐味があって。
効率とか生産性てのとは逆な感じの
そういうようなことって、いいなあ。
そういうことこそ、要るんじゃね?
(少なくとも、おれにはね)
って、おもった。
とりあえず。
いらねえクンピとオーレンジのペンをせしめて。
「目的+α」が達せれた。
ってゴマンエツは、なんか得がたい。
これがなんなのかは、知らん。
なんとなく、アッパー。
*
おれにとって、いまや
ただの通勤途上の乗換駅な、新宿。
金曜。
ひさびさにたまたま、下りて。
「せっかくだから」って気分になった。
*
めったに寄ることのなくなった、新宿。
新宿駅の西口に接岸してる、小田急百貨店。
それに接岸してる、小田急ハルク。
小田急ハルクの複数階に跋扈してる、ビックカメラ。
*
かたや。
うんともすんともいわねえ、おれの自宅パソコン。
↓
ブログをおもうように更新でけないのって、
あんがいストレスだよね。
↓
「ストレスだよね」
↓
↓
。。。
↓
そういえばビックポイントカード、けっこうたまってるよね。
↓
そういえば時間的に、ビックカメラ、寄れるよね。
↓
きょう、後継をせしめとけば、きょうたちどころにサッコンのストレス、解消でけるよね。
*
「ちょっと、見てみようかな」
小雨がそぼふる金曜の夜。
お気に入りのペンをせしめられた
高揚感もあいまって、足はしぜん。
新宿西口2階の連絡通路をあゆみ
ハルクの入口に吸い込まれ。
4階のパソコン売場の
Macコーナーへ向かったんであった。
つづくっ。