キクチヒロシ ブログ

絶滅寸前の辺境クソブログ。妄想やあまのじゃく。じゃっかんのマラソン。

銭湯と怪盗紳士さんとパンツと司令部

おととい。記憶ロストする数時間前、
生まれて初めて銭湯というところに行った。

番台って実在するんだな。
というのが、銭湯の感想。
(ガチで「時間ですよ」のコント小道具かとおもってた)

「生まれて初めて銭湯に行った」というのは
じぶんの中で何かが終焉を迎えた
(あるいは開始した)ぐらいのささいな一大事で。

とりあえず、驚かれるじゃん。
「えーっ、銭湯行ったことねえの???」とか。
それがたった1回でも行っちゃったってことは
ゼロか100かで言えばもう100の部類で
二度と「行ったことねえ」には戻れない。

だからどうだってんじゃない。
そうだっていうだけのことだ。


おれはひとつ、あなどってたことがある。

怪盗紳士さん。

レースで替えのパンツを忘れた
ということを以前、ブログで書いてらしたような気がする。

ヒッジョーにおいしいネタ。

「普段着のシャツを忘れた。あるのは汗でベチャベチャの臭いTシャツだけ」
とかに比べれば、大したダメージもない。
外から見えるもんでもないし
しらっとノーパンでいりゃ、いいだけ。

むしろ「おいしいネタができたぜ!」
って、ほくそ笑む。
「忘れたじぶん、でかした!」すら、おもう。

おれなら、ね。



おととい。
生まれて初めての銭湯。

脱衣所。
汗を流し、服を着ていると。

ガラッ。
浴室から出てきたのは、怪盗さん。
おれの隣で体を拭いている。

体を拭き。

荷物をまさぐる。

もう一度、まさぐる。

「マジかよ。。。」


パンツを、忘れたらしい。

風呂に入る前。
脱衣所で服を脱ぎながら
「替えのパンツ、忘れちゃったりなんかしてね」
とか、軽口たたいてたのに。

パンツを、忘れたらしい。



ぎゃはははは。
また、やりやがった。

ひとりを除いて、大爆笑。

ひとりだけ、ガチマジ凹み、してる。
「なんでだよ、マジかよ。。。」
「しかも生ケツにズボン履いてるとこ、浴室の中からいわさんに見られちゃいましたよ。。。」



「(後で合流する)新妻さんに持ってきてもらえばいいんじゃないすか?」
「いや、出先から直行なんすよ。。。」

「あ、コンビニで売ってるんじゃないすか」
「そうっすね。。。」

「まあ、ノーパンでも困ることないですし」
「そうっすね。。。」

焦点が定まってないこと、数時間後の誰かのごとし。
うつろな感じで、銭湯を出る。

銭湯から酒場まで歩いて10分ぐらい。
酒場と逆方向にコンビニ。

「あ、コンビニ寄ってきますんで。。。」
と、怪盗さん。

数メートル進むと、おれらの進行方向にも
コンビニが見えた。

「怪盗さーん、こっちにもありますよー、コンビニ!」
「はい。。。」



ネタとして忘れたパンツなら
あすこまで落ち込むことはないだろう。

怪盗さんは、パンツを忘れたことを
周りがおもっているより
そうとうな重大事ととらえてることがわかった。

あなどってた。
すげえ誠実なひとだ。

いや、別に。
「パンツ忘れたことをネタにできるひとは誠実じゃない」
ってわけじゃないが

パンツ忘れたことをあすこまで落ち込むなんて
あるライン以上に誠実じゃなきゃ、できない。
怪盗さんはすげえ誠実なひとなんだなあ
って、おもった。何となく。



酒場の入り口に一番乗りし
女性陣や酒場から合流するひとを待ってると

怪盗さん・オブ・チョー晴れやかな顔で登場。

「パンツ買えました?」
「はい!」
「ひょっとして、もう履いてます?」
「はい!」

よくわかんねえけど。

怪盗さんのパンツそのものかパンツの中身には
カレの元気っていうか活力を司る機関があって
それは管制塔っていうか司令部みたいなもので
怪盗さんの「正体」みたいなもので

たとえ四肢をもがれたとしても、
「この私を倒さぬかぎり、私は何度でも復活する!」
ぐらいの怪盗中枢なのかな。

とか妄想してたら、何だか楽しくなってきた。
おれも結婚したくなってきた。