相変わらず『グラゼニ』を読みつづけてるんだが。
さいきん、やけにキョライする
こんなシーンがある。
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バックグラウンドは、こう。
『グラゼニ』ってのは、
プロ野球の中継ぎ投手が主人公で。
「グラウンドに銭が埋まってる」
のタイトルどおり、「銭闘」をはじめとした
野球選手の裏舞台というか悲哀(?)
を描いた物語。
っていうざっくりすぎる説明のもとで。。。
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主人公・凡田夏之介は、シーズン終盤
大車輪の活躍を見せる。
鳴り物入りで移籍してきたが
シーズンそれまでまったく活躍できなかった
夏之介にとって、挽回のチャンス
とばかりに投げまくった。
そのおかげで所属チームは優勝する。
しかし、チームが優勝を決めた日。
夏之介はベンチには入っていなかった。
酷使がたたり、ヒジを痛めてしまったのだ。
ヒジはあんがい重症で
トミージョン手術を受けるに至ってしまう。
復帰まで1年半。
夏之介29歳。
野球選手として絶頂期を迎えつつある時期。
自宅でブルーになってると、
チャイムが鳴る。
インターホンの画面にチームの先輩
「高橋ノブヨシ」さん。
そこで画面越しに
夏之介にかけた言葉が、上の画像。
「ノブヨシさん」も数年前、ケガで
一年を棒に振ったものの。
復帰していまも現役を続けている
という事実で、その1年を
「デカイこと」にしなかった。
「お前もそーすりゃいいじゃん」
言葉をかけ終わると、家に上がりもせず
帰っていく。
というシーン。
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つい先日、発売になった最新刊にも
このセリフを思い出すシーンがあって
そのせいか、やけにキョライしてる。
文字どおり受け取ると。
「リハビリがんばって復帰して」
「その1年分以上現役を続けて稼いじゃえ」
「(がんばれ、待ってるぞ!)」
ってことなんだが。
果たして、それだけだろうか?
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まったく関係ないおれさまちゃんまで
やけにこの言葉が気になっちゃう。
ということは、
もっと深い、というか普遍的
っていうと大げさかもしれないが
そういう、いろんなことに通底する
大きくて小さい意味があるんじゃないか?
とかおもったりおもわなかったり、した。
じぶんのなかで「デカイ」デキゴトも
「大してデカくない」ってことにしちゃえば
結果としてデカいことじゃなくなる。
ってことはあるのかもね。
「こと」を3回も連ねるあたりぇ。。。
チャンチャン。