きょう、ムスメっこと2人で映画を観にいった。
『ちはやふる』
原作は、百人一首を題材にしたマンガだ。
*
若いころ。
おれみたいなクソバカなキモメンが、もし
まかり間違って結婚できて子どもがでけたら。
その子どもには2つだけ、
おれ知おれ能を駆使して英才教育しよう
とおもっていたことがある。
1つがビートルズ。
1つが百人一首。
どちらもじぶんの人生、
というか人格形成につおく深く影響した。
結果が、このひん曲がった人格。
ということは措いても。
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ただ。
押し付けることだけはすまいとしてた。
親が首根っこつかんでやらしても
本人が関心をもってすきにならなければ
長続きするものではないし、
首根っこをつかんで引っぱりまわすことで
逆に深くキライになっちゃったら、やじゃん。
ということで、ムスメっこが生まれてから
ふだん、それとなくビートルズを流し
正月にはそれとなく百人一首をして
関心を持ってくれるのを待った。
まあ、やり方がまわりくどすぎて
真意がまったく理解されず
膨大な月日が流れたわけだが。。。
*
2、3週間前。
学校の授業で百人一首を覚えさせられてる。
という情報をキャッチした。
かるたをやるわけじゃないが
クラスメートといくつ覚えたかを竸う。
「○○ちゃんはほとんど覚えたのに
ななちゃんはまだ40しか覚えてない」
ミョーに負けず嫌いなところがあるので
家で必死に覚えようとしてる。
○親がそれとなく仕向けようとする
↓
○ほぼ、ノー関心
↓
○なのに
↓
○学校で授業として体験する
↓
○負けず嫌いに火がつく
↓
○チョー関心、示す
「マラソン大会」のデジャブじゃんか。
*
は、ともあれ。
キターーーーーーーーー!!!
ムスメっこの燃えさかる炎が消えないうちに
書庫から『ちはやふる』全巻を取り出し
すり切れるほど読んだ学研マンガを探し当て
スマホの百人一首アプリをドヤ顔で見せびらかした。
山びこ打線。
おれオーのゾーンプレス。
攻め込むとしたら、いましかない!
*
こうしてムスメっこは『ちはやふる』にハマり
百人一首にハマりはじめた。
おとといの夜なんか。
ねむいっていうので、寝室に連れてったら
フトンに入ってから「どの句を覚えたか」
的な会話ですっかり盛り上がり。
さっきまでの眠気はどこへやら
2時間ぐらい話し込んで、
おれのほうがあやうく寝落ちして
クソ辺境を更新できないんじゃないか
ぐらいの感じになった。
もう一度、言う。
とうとう、キターーーーーーーーー!!!
*
ムスメっこは、今度6年生。
「思春期時限爆弾(おれ目線)」を抱えてる。
ので、おれが何かを誘って
ホイホイついてくるのはこれで最後かもな
的な危機感をさいきん、万事に持っている。
だけに。きょう。
『ちはやふる』を2人で
デート状態で観に行けたことは
たぶん、大げさではなく
おれの人生のハイライトになりうる。
しかも『ちはやふる』。
今回のは前編で、来月、後編が公開される。
ハイライトづくりのチャンスは
最低、あと1回以上ある。
イエーーーーーイ!
*
。。。
*
ハナシは変わるんだか変わらないんだか、する。
きょうは父親の10回目の命日だった。
ん?
死んで丸10年だから11回目ってことか?
算数、ムツカスイデース。
去年、狭いところで誤解に誤解を産んだ。
アレ(コレ↓)から、もう1年たった。
ってことか。早えな。。。
→The Day - キクチヒロシ ブログ(2015/3/26)
(なお、このバックナンバーは
出だしの記述をじゃっかん変えた。
の、ドタバタテンマツ↓)
→きのうのは「てへっ」で収めていただきたく - キクチヒロシ ブログ(2015/3/27)
*
父親は、おもいっきりインドア系だったので
いっしょにマラソンした記憶
なんてあるはずもなくて。
それどころか
かけっこも遅いし
キャッチボールすらしたことがない。
プロ野球観戦にもスケートにも
連れてってもらったことは、ない。
家では酒を飲んでるか歌を唄ってるか
仕事してる、的なニンゲンだった。
子どもがベンキョーする的な面は
まったく無関心で
ベンキョーしろなんて言われたことは一度もない。
小学生のころ、
百人一首にキョーミを示して
独りでシコシコ、暗記カードなんか
つくったりしてても、まったくの無関心。
(を装ってた。いまおもえば)
*
そんななか。中学に入ると。
正月に学校でかるた大会が開かれる。
百人一首がすきなので。
ふだん向かわない机に向かい
百人一首の暗記カードをめくりめくり
部屋にかるたを広げて
カセットテープの読手を頼りに
ひとりでかるたを練習していた。
*
ある日、独りかるたプレイをしてると
部屋に父親が入ってきた。
「百人一首、やるか!」
そこから、父親との勝負がはじまった。
カセットテープはいつも順番がおんなじで
順番を覚えてしまうころになると
定期的に父親が「編集」し
順番の異なるカセットがいくつもつくられた。
そうやって、中学の3年間。
校内の百人一首大会で
校内のマラソン大会程度には結果を残した。
が、父親には数百回挑んで
一度も勝つことができなかった。
おれさまちゃん vs 父親
は、その後、大学卒業ぐらいまでつづくも
けっきょく、一度も勝つことができなかった。
たった一度、引き分けに持ち込んだとき
「きょうはよくやったな」
って言われて、クソ、ハゲジジイめ。
とおもった。
おれ、相当練習してたのに、たぶん
父親も相当、闇練してたんだろう。
いまおもえばアゲイン。
*
結婚して家を出たあと。30歳のとき。
「懐かしいね」なんつって
ひさびさに勝負を挑んだけど
おれのほうが衰えてて、惨敗した。
まだまだ機会がある。
それが最後のたたかいになるとはおもってもみなかった。
ムスメっこが百人一首に
キョーミを示したきょうび。
これから何度もかるたをすることに
なるんだろうが(なってほしいが)
父親がおれにしたように
おれはムスメっこに無敗のまま
人生をトンヅラしたいとおもってる。
それがおれが継承するべき人生の役割。
ぐらい、おもってる。
ので、もう、闇練、はじめてる。
反面。
ムスメっこには、おれなんかは
たちどころに負かしてほしい。
とも、おもってる。
タテとホコ。
*
なに語ってんだ、バーカ。
*
『ちはやふる』
おれは、この言葉に大きく揺り動かされる。
表題、な。
「青春」って。
42歳になりなんとする身としては
すでにだいぶおもはゆい、遠い日の花火
みたいな言葉になっちゃってるが
「青春」をヌキにしてもまったく通じる言葉。
でも、アレだよね。
青春って、なんだろね?
セーシュン。
いわゆる青春な時代。10代後半。
おれの人生は。
どんな藤圭子だよってぐらい
釜の底にこびりついた焦げ、みたいな
クソ暗い、おもしろくもなんともないもので。
いまの日々のほうがよっぽど
シジュウ絡みのおじさんだてらに
万倍、たのしい。
いわゆる青春、っぽい。
池田高校が甲子園で初優勝したときだって。
「蔦文也の青春、59歳の青春」
って言われてた。じゃん。
「青春」って、なんなんだろね?