シルバーウイークの3日目。月曜。
なにやら新横浜でとある村のかたがたが走るってんで。
末席の端のキワのキワで、参加させてもらうことにした。 ====
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ツイッターでその企画を見つけて。
「楽しそうすね」ってつぶやいたら、ビルドアップ組に入れられてた。
「行く」とはひと言も言ってねえのに、ナイス強引。
「ったく、しようがねえなあ」っていう。
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そうなんである。
よくわかんねえケド。
何がそうなんであるだかも、よくわかんねえケド。
正面切って「どうですか?」って言われたら
「いや、行かねえ」もしくは「後ろ向きに考えます」ってなるに決まってるのに
まったく相手にされないのは、さびしい。
マジ、くそ面倒くさい性質。
ちょっと匂わせて、じゃ、入れときました。
「ったく、しようがねえなあ」ってなる塩梅が
「このくそ面倒くさい性質使い」に対する
もっとも適切な対処法だ。
めんどくさくてほんと、すんません。
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告知があったのは、7月上旬。
よくみると、ビルドアップのタイム設定もメンツも、オニだ。
オニの群れに、速くもおもしろくも社交性もねえおれが、放り込まれる。
恐怖度まっくす。
とりあえずそれから2ヶ月間。
ある意味のピークを新横に持っていくことにした。
せっかくの機会だから、全力でもって臨んでみようと。
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この調子でふり返ってるとかならず、当日までたどりつかない。
というわけで、ワープッ!
ビロロロロ。
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当日の朝。
さしたる走力アップもしてねえ2ヶ月を経て。
やる気だけはいっちょまえに臨むことにした。
9時集合だってのに、5時起きしちゃったりして。
現場に一番乗りしちゃったりして。
まず、精神的に優位に立っててやろうと。
狛江のスーパー大豪邸から新横浜の現場まで、だいたい1時間ちょい。
「5時に起きて7時前に家を出て、8時半に着く」
というプランを立てた。
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前日。
ラグビーのW杯で日本が南アに勝つという超絶快挙があった。
ラグビーを知らないひとにとって。
「ラグビーで」「日本が」「南アに」「勝つ」
ってどんくらいスゴイことか考える。
みたいなエントリーをあげてもいいんだが、とりあえず措いて。
たぶん、ケツロンは。
「ラグビーで」「日本が」「南アに」「勝つ」ぐらいスゴイってなるに決まってるし。
だいたい代替物って感じで。
家で「スクール☆ウォーズ」の曲を無限ループさせながら、したくをする。
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前夜、まったくノー準備だったので。
いろいろしてるうちに時間が過ぎてく。
けっきょく家を出たのは、8時前。。。
3時間も、家でぐだぐだしてた。
3時間ありゃ、飛行機に乗ってりゃ軽く外国にいける。
対するおれは、気分だけ盛り上げて家から微動だにしてない。
人生いろいろ、だ。
ちょっと出遅れたが、理論上、乗り継ぎがはまれば
9時の集合時間にはまだ十分間に合う。
スマホでも「スクール☆ウォーズ」を無限ループさせながら、あわてて新横浜に向かう。
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まあ、えてしてこういうときって、コウなるじゃん(↓)。
○和泉多摩川駅に着いたら、電車行った直後。次の電車まで12分もあるんでやんの。
○来た電車に乗ったら、急行に乗り換えられるのはすぐ隣の登戸じゃなくて、その隣の向ヶ丘遊園でもなくて、新百合ヶ丘でやんの。
○しかもシンユリで、おれの乗りたい急行は5分待ち。多摩ニュータウンへ行く急行のあとに来るんでやんの。
○町田で横浜線に乗り換えたら、和泉多摩川の再現VTR的な感じでやんの。
最寄の小机駅に着いたのが8時55分。
そこから集合地点まで猛ダッシュ。
テニスコート脇の第2レストハウスに到着。
アンタがたクモの子かい?
ってぐらい、ジョグしそうなひとが見あたらない。
おれがサブちゃんなら、寿司太郎を超絶ちらす、ぐらい。
○集合場所は「第3」レストハウスでやんの。
○小机からダッシュしてたとき、そのすぐ横を通りすぎててやんの。
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こういう何のおもしろみもねえ日記をあげて
どういうつもりなんだろうな。
続ける。
25人くらいいて、ビビる。
遅れましたテヘペロって、する。
着替える。
気合いを入れ直す。
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1.7kmの周回コース。
アップがてら、みんなで1周。
キロ6とか6.5とかそんくらいで。
「きょうはずっとこのペースでいいんじゃね?」
って軽口なていで心の叫びを吐露するも、完無視はいいとして。
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おもむろにビルドアップがはじまる。
ビルドアップはキロ4分15からスタートして
3kごとにキロ10秒上げていく、というメニュー。
「バトルロイヤル的に誰もいなくなるまでつづけようぜ」
なんていう、スットコドッコイなご提案は、おれさまちゃんにとってはアウトオブ眼中だ。
3段目の3分55を
「松 コンプリート」
「竹 1kでも2kでもやる」
「梅 お見送りする」
って気概で臨む。
むしろ、
「体力的にいっぱいになるまで、気持ちを切らさずつづける」
「まわりの脚速えひとたちのサマを、よく見る」
ということが目的だ。
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なにしろ、ビルドアップに加わったひと。
ぜんぶで7人だか8人だか9にんだか?
おれがぶっちぎりでいちばん遅い。
サブスリーのすくつどころか、カテゴリー的に「サブスリー」どころじゃねえひとも、ちらほら。
おれごときは、「末っ子」的に全力を尽くしさえすりゃいい。
全力を尽くすことに全力を尽くしゃ、いい。
ある意味、チョー気楽。
あんど。
そんなメンツと走れることなど、そうそうあるもんじゃない。
ジョリジョリ、ない。
いっしょに走りながら、速いひとはどう走ってるのをすぐ近くで観察できる。
あまつさえ。
ウタゲでごいっしょすることは幾度となくあったが。
走ってるとこを見たことすらない。
的なひとたちと、いっしょに走れる。
得がたい。
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そんなわけで。
気後れ的に集団の最後尾からスタートしたんだが。
先頭でペースメーカーをしてる
「もはやサブスリーって範ちゅうじゃねえ2人」
を眺めるうち、2列目とか3列目に近接することにした。
「どうせもうすぐ脱落するんだから、いいじゃないすか」
と、心のなかで独りごちつつ。
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1段目の4分15。
全力ってホドでもないが、
ふだんペース走なりビルドアップで
最初からそんなペースで走ること、まずない。
ぐらいの、ハイペース。
「おもったより余裕あるおれすげええ」
ってジコマンしてるが。
周りのかたがたはもっと余裕しゃくしゃくぽくて。
喋ってたりする。
ジョグって、感じで。。。
ここで、上記な近接をし。
先頭のおふたりをつぶさに眺めることにする。
アウト側のカミさんは、ザ・体幹がつおいって感じ。
上半身が骨盤の上にいかんなく乗ってまーすって言わんばかりで揺るぎない。
でいて、ストライドがむちゃくちゃ広い。
でいて、上下動がまったくない。
マネしようもない走りかた。
参考に、ならねえ。
イン側のフジヤマさんは、芸風だけならちょっとおれに似てる。
あ、芸風って、走りかたね。腕ふりとかピッチの感じ。
ただ、脚の運びがかぎりなくまっすぐ。
モモはロンのモチ、ひざも足首も足先もまったく、左右にぶれない。
「たんじゅんに前後に動かしてる」ってニュアンス。
「ひょっとしておめえ、逆に『左右に動かすって可動域』狭いんじゃね」
って、いぶかしむ、ぐらい。
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2段目。4分05。
1kめはなんとかなったが、2kめあたりからキツくなってくる。
いっぱいいっぱいではないが、終焉遠からずってビシビシ予知できる。ぐらい。
「体力が切れるまで、心を切らさない」
ってテーマに挑みはじめる。
とりあえず
「竹 3段目の3分55を1kでも2kでもやる」
ってモチベーションで、超絶必死。
まわりは、ザンネンながら(?)みなさん
「まだアップのつづき」ってていで。
息のひとつも乱れてねえ。
「おのれー!」
っていうトンチンカンな逆ギレを
集団から遅れない原動力として、あますところなく活用してく。
「おまえら、くやしくないのかー」
からの「くやしいです」を
主題歌に乗せて脳内無限ループさせながら。
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3段目。3分55。
1kでドロップアウトするぜって決めちゃったので。
必死でくっついてくだけ。
まわりのひとのよゆうな感じはあいかわらずだが
そんなもん、もはやおれには関係ねえ。
じぶんががんばりさえすりゃ、いい。
少しずつ後退し、集団の最後尾で粘る。
「おまえら、くやしくないのかー」
からの「くやしいです」を
主題歌に乗せて脳内無限ループさせながら。
走り終える。
もう、喉がビール飲みたいって言ってる。
ドクターペッパーを買う。
3年ぶりぐらいだ、ドクペ。うまかった。
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というわけで。
おれのビルドアップ終了。
よく考えりゃ、7kか走ってねえのな。
よく考えなくても、7kか走ってねえのな。
あとはクールダウンがてら。
ふらっとさんとかハロさんとかと喋りながら
キロ6ぐらいでゆるゆる逆走6kぐらい。
気持ちかった。
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本日の営業は終了しました。
あとはもう、ビール飲むってことしか考えてない。
でも、いらしてるみなさん。
まだまだ、走りつづけてる。
たとえいったん走り終えても
ほかのひとがやめないので、釣られて再開したり、してる。
いつまで経っても陣地に人少な杉。
「そりゃ、みなさん速いわけだよな。絶対量的に走ってるもん」
って、おもいましたとさ。
「おれ、いつまでも速くならねえわけだよな。絶対量的に走ってねえもん」
って、おもいましたとさ。
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みなさん、走りつづけてる。
そんなん。
このままじゃ、おれも釣られてしまう。
せっかく遠くまで来たのに、たった13kちょいじゃもったいない気もしてきた。
そんな気持ちをグッバイするため。
シャワーを浴びて、着替えてしまうという背水の陣を敷いた。
もう走らねえって決心は揺るぎねえ。
草野球合宿と合わせて。
いつもより肩甲骨まわりと、モモの内側と裏側が超合金レベルでガッチガチ。
よく冷やして、繊維にそってもみほぐす。
「早く、終わんねえかなあ。ビール、飲みてえなあ」
を抱えながら。
新横の日記じみたの、つづく。
次回は、珍しく記憶がほぼあるウタゲ編。
コケてアタマから流血した記憶だってバッチリだぜ!