「おれには目標がない」
仕事の帰り道。
駅から家まであるいてて、気づいちゃった。
*
成し遂げられないのは。
ブサイクだからとか。
超絶人見知りだからとか。
アッタマわりいからとか。
根性がねじ曲がってるからとか。
素質がないからとか。
どんくさいからとか。
だからクソほどモテないんだよとか。
そういうことじゃない。
そういうことかもしれないが、そういうことじゃない。
目標がない。
それがいちばんの原因だ。
の神が、ビカーンと降りてきちゃった。
*
来し方をおもいかえしてみますれば。
何にかんしても、そう。
*
たとえば。
ジョグをしている。
もっと速く走れるようになりたいとおもう。
で。
朝、走ったりする。
週末、ちょっと気合い入れて走ったりする。
スピードを上げて走ってみたりする。
長いキョリを走ってみたりする。
走ってると。
「バネが足りないなあ」って、なわとびしたりする。
「体幹がよわいなあ」って、フッキンしたりする。
それは何のためにやってるのか?
っていうことなんである。
*
「もっと速く走れるようになりたい」
ではない。じゃねえよ。
「いつまでに、どんくらい速くなりたいか」
っていう視点が、まったく欠落してた。
*
いまはさしあたり。
月末にあるOTTの、1500と5000を目指してる。
「そこでどんくらいで走るつもりなのか」
目標がないから、答えられないんである。
ふわっと。
「自己ベスト出したいなあ」
「自己ベスト付近では走りたいなあ」
これは目標ではない。
照れ隠しとか、恥じらい、だ。
*
「厄年のシーズンのうちにサブスリーしたいなあ」
それはいつなのか。
きょうなのか、あすなのか、秋なのか、来年の春なのか。
答えられないんである。
これは目標ではない。
ただの夢、だ。
あんなこといいな、できたらいいな。
あんな夢こんな夢、いっぱいあるケドー。
ぼーくー、ドーラーえーもーんでーす。
ふふふふふー。だ。
*
仮に「秋のつくばマラソンでサブスリーをやりたい」とする。
そうしたら。
つくばマラソンまで、あと4ヶ月半。
現状のチカラは、コウ。
足りないのは、コレ。
だからここまでにコレとコレをやる。
とか、決められる。答えられる。はず。
ちょっと違うかなとおもったら
軌道修正もできる。
飛行機、高えとおもったら、バスに乗りゃいいとか。
クルマじゃ長えとおもったら、新幹線の切符買やいいとか。
いやいや、ロケットあるじゃん、とか。
どっこい、おれはチャリだね、とか。
*
なに言ってんの? と。
あったりめえじゃねえか、と。
そんなこと、誰だってわかってるだろ。
おめえ、わかんなかったのかよ、と。
ハイ、知りませんでした。
*
いままでおれがやってきたのは
「とりあえずだいたい42kぐらい走っといて」
みたいなもん。
「42.195k走る」
って、わかってなかった。
みたいなもん。
いつまで走りゃいいのか。
どこまで走りゃいいのか。すらわからず。
とりあえずふわふわ走ってた。
みたいなもん。
そんなんだから。
漠然と「もっとスピード上げなきゃ」
「もっと長いキョリ走んなきゃ」
って、行き当たりばったり的なことをくり返すだけ。
*
いや、マジ、そんな感じだとおもう。
気づいたしゅんかん。
ホントに世紀の大発見した気になっちゃったもの。
おお、すげえ。
って、おもっちゃったもの。
*
そんなわけで、
「いつ」
「どのキョリを」
「何分何秒で走る」
を据えるのが、何より先にすべきことだ。
公言するか秘するかは、措いても。
とりあえずがんばって練習しといて。
近くなったら現実的な設定をする。
では、いかんイカンガー。
逆だ。
いや。タイムを目指してなくてもぜんぶ。
いや。ジョグにかぎらず、ぜんぶ。