キクチヒロシ ブログ

絶滅寸前の辺境クソブログ。妄想やあまのじゃく。じゃっかんのマラソン。

祝 キャトゥ!

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12月2日。
さて、ゼンラデンマとウタゲでもすっかな
と身じたくを整えてたまさにそのとき
盟友キャトゥから生まれたメールが来て。

遅ればせながらきょう、
西船橋の産婦人科にいってきた。

かわいい!
心が洗われる。すっかり。


こういうのなんて言うの。
イノセントっていうか
無垢材っていうか。

なにひとつ持ってないのね。

エロい心も。
うまくやってやろうって心も。
なにひとつ、ビタ一文。

ミノルさん、うらまやすい。
っておもいましたとさ。
ますます。



こう。
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こわごわ抱っこしてるわけですよ。
抱っこしてるやつは、まもなく10さい。

あの大雪の日から、もう10年。
10年前の12月29日。

夜の10時ごろ。にょうぼうが
「あ、軽くはじまったかも」
とかいって。

でもまだ余裕な感じで電車に乗って
いっしょに病院いって。

電車に乗ったったって
たった1駅なんだケド。

病院に着いたら、まだ何ともないのに
車椅子に乗せられて。

大げさだよねーとか言ってて。
おいしいねーとか言ってて。

おれはとりあえず家に帰って。
とりあえずいつでも
出撃できるよう、飲むのはひかえといて。



翌朝の5時半だったか。
爆睡してたら病院からデンワがあって。
自然分娩がムリっぽいので
至急、病院に来てくださいって言われて。

だいぶパニクりつつ、
原チャリで病院に向かって。
「落ち着け、おれ」って言い聞かせながら
あえてゆっくりゆっくり運転して。
雪が尋常じゃなく降り始めてて。



うまく子宮がひらかないらしくて。

レントゲンを見してもらったら。
ちょうどヘリのとこに
赤ん坊の顎がひっかかってて、
いかにも苦しそうな体勢になってる。

「エンペラー切開を許可します」
みたいなサインをさせられるんだケド。

ついでにこう
「何が起ころうとあたしは文句ぶうたれません」
みたいな念書を書かされたりして。

「もしもの場合は母体と子ども、どちらを優先しますか」
って、究極の選択みたいのもさせられて。



ダクターは「いちおう、ですから」
形式上のことだからって、いうんだケド。

いちおうじゃねえよ何万おうだよって。



サインして
にょうぼうの顔をちらっとみにいったあと。

廊下でビクビクビクビクしながら
待ってて。

結果的になんの問題もなかったんだケド
予定の時間よりだいぶ遅れて
ひととおりが終わったらしくて。

とにかくその待ち時間が、
永遠につづくんじゃないかぐらい長くて。

ホントは予定より20分遅れただけで。

とるものもとりあえず
にょうぼうの顔みにいって。

とつぜん目の前に現れた
おのれの分身もみにいって。



こういう。

おれのムスメが生まれたときのハナシって
ぜんぜん特殊ではなくて。
もっとたいへんなおもいをして
生まれてくるひとだっているだろう。

多かれ少なかれはともかく
ひとはみな
そんなんふうにして生まれてくる。

祝福されて生まれてくる。

ただ生まれてきたってだけなのに
ひとをすごくしあわせにする。

アタマがいいとか悪いとか
容姿がととのってるとかいないとか
ギャグセンスがあるとかないとか
モテるとかモテないとか
ケンカがつおいとかよわいとか
性格いいとかそうでもないとか

どう、でも、いい。

いきなりおれの目の前に現れた
物体をながめながら

「あ、こいつのためなら
ラクショーでおれ、命懸けられるわ」
っておもったりなんかして。



なあんてことを、帰りの総武線で
しみじみ、おもいだしてたわけですよ。



キャトゥ、おめでとう!
浮かれすぎてて、好感しかもてないぞ。

でもな、ほんとうにタイヘンなのはこれからだぜ。
でもそのタイヘンさはほんの数ヶ月で。
ぜったいに損をしない株みたいなもんで。

ちょっとニコッと笑ったり
ちょっと首がすわったり
するだけで、膨大なリターンがもらえるんだぜ。

うんこなんか、余裕で触れるんだぜ。



いやあ、うちのムスメさん。
よくぞここまでおっきくなってくれたもんだよ。

きょうは、心が洗われたよ。
おれもすっかり、イノセンスだよ。