フルとかハーフの前日朝。
セレモニーとして、すると決めてることがある。
「13.2kmのコースをジョグ」だ。
*
多摩川を上り、6.6kmぐらいで折り返し
多摩川を、下る。
「いつものジョグじゃねえか!」
「だいたいおめえ、多摩川沿いに住んでんだろ!」
そのとーり。
でも、ちがーう。んである。
*
あ、きょうはマジ100、ギャグ要素ナシね。
*
自宅から6kmちょっとのところに
「多摩川原橋」ってのがある。
東京側から川崎側に橋を渡ると
南武線の矢野口駅に出る橋。
鶴川街道。だっけ。
*
あ、橋のこっちは東京都調布市
あっちは東京都稲城市だから
どっちも「東京側」だな。
まあ、いい。
*
去年の3月、イトコがそこで事故って亡くなった。
ほんのちょっとのアンラッキーが
たまたまおんなじタイミングで重なり合った
とてつもないアンラッキー。
橋はゆるやかにアーチを描いてる。
現場は、その頂点ぐらい。
自宅から6.6kmぐらい。
レースの前日、そこを訪れる。
*
レースの前日なんてのは、
きょくりょく動かないで体力を温存したほうがいい。
という説もある。
でも。
軽くカラダをほぐしといたほうが、いいに決まってんじゃん。
というおれ説もある。
往復13.2kmという距離は
カラダをほぐすのに、ちょうどいい。
そんな都合のいい言いわけをトッピングして
レースの前日、現場を訪れる。
*
しまだ大井川マラソンの前日。
きょうも橋の頂点ぐらいで
「あすはフル、走ってくるぜ」
と、彼に報告してきた。
ナニこの、中途半端な写真。は、措いて。
あくまで報告、なんである。
「行ってきまーす」なんである。
「おれにチカラを貸してくれ」
「速く走れますよーに」
なんて願いごとは、しない。
ソコ、大事。
次の中間試験に、出る。
一瞬、ジョグを止め、
そうやって静かに手を合わせると
なぜか、ガラにもなく、ものすごく
「よおおし、やってやるぜ!」
ってチカラが湧いてくる。
*
テンションも、MAX。
復路をおもいっきりぶっとばしたい衝動にかられる。
でもあえて、ゆっくりゆっくり、帰る。
静かーに
「見てろよ、やってやるぜっ!」
ってなる。
*
帰り道。
あえてゆっくりゆっくり走りながら
ふだんなら考えないことをいろいろ考える。
あす、走れることを感謝しちゃったりなんか、する。
そうやって。
あすの終盤、爆発させるべき種火を
静かーに、燃やす。
*
現状は度外視して。
何のコンキョもねえケド
あす、なんだか、イケそうな気がしてくる。
なんだかいけそうらしいっすよ。
な、あすのおれの背面。
Aゾーンの最後尾からスタート予定。