キクチヒロシ ブログ

絶滅寸前の辺境クソブログ。妄想やあまのじゃく。じゃっかんのマラソン。

気づきを得るみたいなこと

土日。草野球の合宿に行ってきた。
この初秋に、東京よりいくぶん寒い、秩父
に行くという、考えるとよくわからない合宿。

というわけで、わが超強豪草野球チーム
について、ちょっとだけ。



おれがこのチームに参加して、丸2年になる。
群れるってのもいい(2012/09/28)
七五三もやってないですもん(2013/09/18)

そんな感じで、野球を観るのはすきだケド
野球経験は、ない。



このチームは、ちょっとおかしいとおもう。
ひとつ例を挙げるとすると。
「1年に1回ぐらいしか野球をしない」

ちゃんと野球をする場は、
今回のような合宿だけで。

では、あとは何にもしないかっていうと
そんなことはなくって月に1回、
都内のバッティングセンターに集まり
打ち込む。という。。。

超強豪チーム、だけに。



おれは野球をすること自体には
そんなにキョーミ、ない。
バッティングセンターもサボりがち。

秋~春は、とくに。
肩とか腕とか背筋とか
ジョグに軽く支障をきたすとこ、が
激烈な筋肉痛になる。

というコリクツのもとで、サボりがち。

でもまあ、アフターのウタゲだけ行く。
なんてことはふつうにやってて
じゃあそれはジョグに支障をきたさねえの?
は、措くとしても
都内のどこにバッセンがあんのか
だけは少し、詳しくなった。



チーム自体は、10年以上前にできたらしい。

もともと同業者で、
ガチなひとが集まってつくったチーム。

ガチ要素は2つあって。
1つが野球。
腕におぼえのあるひとが、集まる。

もう1つが、チャンネー。
だいたい、男くさい熱血で展開されるなか
「監督は20代半ばのおねいさん」
ということが内外で話題となり
ガチでおねいさんをワガモノにしたい
みたいなひとが集結したという。

長い歴史のなか
そこらへんをめぐるひきこもごもが
あったとかなかったとか。



おれがさいしょ誘われた2年前。
殺し文句は
「監督が超魅力的な女性なのよー」だった。

おれをチームに誘ってくれたのも
女性なんだケド、だいたい、アレじゃん。

女性が女性を誉めるパターンって
誉められる側の女性がまあなんというか
男性的な意には添わない
みたいなことが多かったりする。

「チョーいいひとなんだよ」
→ただのチョーいいひと一芸入試。

「ホントかわいいんだからあ」
→コレが女性のいうかわいいってやつか。
→「じぶんが一番かわいい界」における「2番目にかわいい」というわけですなっ。

「ぽっちゃり」
→とりあえず30km走ってこいやー。

「フカキョンに似てる」
→負荷きょん。。。

とか。



監督は、間違いなく魅力的な女性だ。
歴史上のひきこもごもってのも、わかるような気がする。

いい意味で女性らしくて
いい意味で男性らしい。



合宿1日目。
12:30から17:00まで
みんな張り切って野球、した。

夜、ウタゲ。

からの、2日目。
グラウンドをおさえてあるのは
9:00~12:00。

みんな前日張り切りすぎて
カラダはガタガタ。
みんな前夜に飲みすぎて
二日酔いでヘロヘロ。

野球は1日目だけでおなかいっぱい。



そんな中、
最近まったく走れてないからと
ちょっと早起きして秩父のアップダウンをジョグする、おれ。

なんだか朝から元気いっぱい。

球場に着いてからも
秩父の野球場にキクチロードつくったる
ぐらいの元気っぷりで、何本もダッシュをかます。

外野のポールからポールまで
桑田リハビリ中、みたいに。

あれ、あんがい距離、あんのな。



そんなおれを見つけて
キャッチボールに誘ってくる監督。
魅力的な、女性。

三塁側のファールゾーンで
和気あいあいと放りあう。
「いやあ、きょうはもう肩、パリッパリすねえ」
などとぬかしながら。

「お、ちゃんとしたブルペンがありますね」
と、テンションも上がってきて。
バッテリー間の18.44mで放り合う。

あれ、あんがい距離、あんのな。



「キクチさんはコントロールがいいから
キャッチボールがやりやすい」
と、監督。

おだてられるのは、キライではない。
ちょっとチカラが入る。

「いまの、すごくいい球じゃないですか!」
ほめそやされるのは、キライではない。



2日目はシートバッティングを中心に
やろうということになった。

シートバッティング。
バッティング練習なんだケド
ふつうにピッチャーが投げるのを打つ。
守備もちゃんとついている。

という、かぎりなく実戦っぽいうえに
いくらでもゆるくアレンジできる
という練習。

おれはだいたい、
あまり球が飛んでこなくていいので
セカンドとかライトに、つく。



「さいきん、ウチのチーム。
ピッチャーが不足してるじゃないですかあ」

「さっきキャッチボールしてたら
キクチさん、ピッチャー向きだとおもうんですよお」

「そんなわけで、経験を積む
という意味も兼ねて、キクチさん、ピッチャーね」

監督がみんなの前で宣言する。
「おうよ!」と、おれ。
注目してもらえるのは、キライではない。



ガンガン投げ込む。
55km/hの超絶豪速球を。

「きょうしっくりくるフォームは
高2のころの荒木大輔のセットポジションだな」

などと。
荒木大輔のピッチャーとしての全盛期は
早実2年の夏だとおもう。
すごい球を投げていた。

なんて語り出すと長くなるから措くが
とにかくきょうのおれは、早実の荒木大輔だ。
どんどん調子に乗る。

打撃練習。
気持ちよく打ってもらうのが目的。
ストライクを投げときゃいいので、気楽だ。



だんだん疲れてくる。
ジョグを20kmするのとは違う、疲れかた。

おれの荒木大輔ヒットポイントは
荒木大ぐらいになり
荒木ぐらいになり
荒、ぐらいになってきた。

こないだ軟式の高校野球で
延長50回を独りで投げ切ったというが
そのすごさがよくわかる。信じらんねえ。

「そろそろ交代を」
蚊の鳴くような声を

「あれ、いまのすごくいい球!」
「まだまだイケルイケル!!」
魅力的な監督、の魅惑ボイスがかき消す。

おれ、がんばる。
ほめられんの、大すきクン。



「じゃ、次の○○さんで
ピッチャーも交代で。。。」

蚊の鳴くような声を

「あれ、いまのもすごくいい球!」
「まだまだイケルイケル!!」
魅力的な監督、の魅惑ボイスがかき消す。

ん?



ちょっとおもったんすけど。。。

ピッチャー適性とか、関係なくないすか?
採用条件は体力一点突破、すか?
「やる気、元気、井脇!」ってピンクのスーツ上下で元気に初登庁すか?

ひょっとしておれ、
ジャストライク生け贄?

祭壇に捧げられてます?

2日目でみんなヘロヘロ
二日酔いでみんなヘロヘロななか。
『タッチ』の「委員長」なニュアンスで
そんなことに気づいたんであった。