キクチヒロシ ブログ

絶滅寸前の辺境クソブログ。妄想やあまのじゃく。じゃっかんのマラソン。

アンタのことなんか、誰も知らないんですからねーだ

いまの仕事をはじめたばかりのころ。

当時お世話になってたNさんから
「キクチくんも出てみな」
ってお誘いを受け、顔を出してみた。

文章教室ってやつに。


あらかじめ言っとく。
きょうのは、いつもに増して中身がない。
時間をムダにしたいひとだけ、
つづきをどーぞ!



その文章教室っていうのは
サークル、みたいなもの。

主宰者はNさん。
カルチャースクールだかなんだかで
「ノンフィクションの書きかた」
だかの講座をかつて持ってて
それは終了したんだケド、

そのときの生徒を中心に月1回
Nさんの事務所でおこなわれてた。
メンバーは10人ぐらい。



次の月に生贄になりたいひとが立候補し、
メンバーの誰かを取材して
原稿用紙5枚にまとめてく。

というのが、課題。教材。

Nさんがみんなの前で読みながら
直すべきところをチェックしてく。
というもの。
それを毎回2人ずつ。

Nさんの報酬は、
「アフターのNさんの飲み代を
その日、出席したメンバーでシェアする」
という。

これだけなら和気あいあいっぽいが。



内容は、かなりガチ。

はじめて文章教室に出た日。
生贄はかなりこてんぱんにやられてた。
じゃあ次回はどうするってなって
新参者として、立候補した。

すげえおっかなかったが、
それが、生贄以前に
俎上に上げられて話題になることで
超絶人見知りって関門をクリアする
近道になるに違いない。

とか、真剣におもってた。
おれの20代って、そんなもん。



結論から言うと。
(その日初めて会った
見ず知らずのひとに取材をお願いするという
超難関0次関門をなんとかクリアして)

かなり気合を入れて話を聞いて
かなり気合を入れて書いて
事前にライターさんにも見てもらって
臨んだ。



ものの。

激烈チェック。
もはや、チェックっていうよか
ダメ人間の烙印押し的な風情。

フルボッコ。ってよくいうが
ホントにサンドバック。血みどろ。

大げさでも何でもなく、
「ふー。こういうことだけは、やっちゃダメなんだよなあ」
っていう、必殺つぶやき右ストレートが。
400字詰めの原稿用紙1行あたり
3ヶ所ぐらいずつとんでくる。

おれの原稿用紙は
その右ストレートを聞きとめて書いた
赤字で、まっかっか。
まさに、血みどろ。



おれはわかりやすすぎるホド
あからさまに凹んでたらしく
Nさんもさすがに最後
「でも、句読点を打つ位置は、いい」
とか、わけのわからないフォローをし出すシマツ。

ほめどころがまったく見あたらない
デルモ志望のチャンネーに
「でも、肌はすごくキレイ」だとか
「でも、歯並びはすばらしい」とかいう
ああいう感じ。



アフターで誰かが質問する。

「先生。私はキクチさん、
それほどひどくない、というかむしろ
おもしろいとおもったんですけど。。。」

もう終わったことなんだから
蒸し返さんでくれるかな、とおもう。
でも、おもしろいって言われて
ちょっとうれしいかも。
とも、おもいつつ。

Nさんは返す。
「うちの事務所のホープだから。
プロとして、いつもよりちょっと
シビアにいってみたんだよ。てへっ」

てへって言ったかどうかは
アタマが真っ白で、覚えてないが
ニュアンスとしてはだいたい、そんなもん。
だった。ような。気がする。



ただ、この日はぐうぜん。

学生時代の仲間と千葉の白子ってとこで
どんちゃん騒ぎ合宿をすることになってた。

そしてこれもぐうぜんなんだが、
結婚2週間前・オブ・おれさまちゃん。
結婚相手が仲間うちのひとりなので
行かないわけには、ゆかない。

生贄と、して。
文章教室でも白子でも
一生のうちで、そうはねえだろっていう
すげえターゲッティング・ロックアウト感。

文章教室のアフターは(凹んでるおれ以外)
がぜん盛り上がってるが
そろそろ出発しなければならない。

「というわけでございまして」
と、事情を説明し、中座。

アタマが真っ白で、そんなたけしなてい
で言ったかどうかは覚えてないが
ニュアンスとしてはだいたい、そんなもん。



まあ、事情はどうあれ
「凹んだあまり、いたたまれなくなって、中座」
って映りますわな。
客観的に。どう見たって。



それが原因なわけじゃないけど
以後、なんとなく文章教室
足、遠のいちゃったんだよねえ。

というのは、措く。



こうして。
マラソンとは何も関係ないネタのまま
あまつさえ、本題に触れてもいないまま
続けてしまったわけだが。



表題は。

その文章教室で次回おれが書いてく。
ってときに原稿を見てもらった
ライターさんの言。

「アンタのことなんか、
誰も知らないんですからねーだ」

そのひとは
「アンタ」とも言ってないし
「ねーだ」とも言ってないが。
ニュアンスとしてはだいたい、そんなもん。

名のあるひとのエッセーとかならいざ知らず
キクチのこと知ってるアタシならいざ知らず
知らないひとがコレ読んで
どーしろっての?

みたいなこと。



文章教室では
そこらへんもバッチシ修正して
臨んだうえでのフルボッコ
だったわけだが関係ないので、措く。



さすがに語り口調じゃないものの
文章教室に書いてった作文もこのブログも
芸風はおんなじようなもん。

「そもそもおめえ、誰だよ?」
ってハナシ。なんだケド。

おめえ、フルボッコにされても
まったく進歩してねえじゃんかよ。
も、措く。



それで成り立っちゃうのが
ブログのおもしろいとこで。

このブログを見てくださるかた
ほぼ全員と、顔を会わせたこともないのに
なんとなく、おれがどういう感じか
バレてちゃったりする。たぶん。

逆に。
おれがブログを見ているかたも
ほぼ全員と、顔を会わせたこともないのに
なんとなく、そのひとがどういう感じか
わかってちゃったりする。たぶん。

「ひと夏の想ひ出」でおなじみの、或る
たまたまおなじところに居合わせたてい
のとき。

ピンTカモフラさんの
ほぼ第一声(独りごと)は
「初対面って気が、しないっすよね!」
だった。ように。



これにからめて
ドサクサにまぎれて「立ち位置」
みたいなこと
触れとこうとしたケド、やめとく。



個性。ってのが、ある。

個性ってのは
自己判断じゃなくて他己判断だ。

「アタシって、天然ボケなひとじゃないですかあ?」
ってのは、たけしが
「オイラはお笑い界の大御所だからよお」
イチローが
「まあおれ、不世出の大打者ですから」
って言っちゃうようなもん。

ん? ちょっと違うな。
たまにある、たけし連投は、措いても。

そんなもん、
他人が決めることで
じぶんでアピることじゃあ、ない。
じゃん。

みたいなことを言いたいわけで。



なので「個性を出す」ってのは
おこがましいハナシで。

そのダークサイド(?)が
もはや死語かもしんないケド
「じぶんプロデュース」ってやつで。

いくら装っても、すぐバレる。

まさに、上のコレ。
別におれの識別眼がゴイスー
なんてわけじゃなく、
みんなそんなもんでしょ。
おれがブログを見ているかたも
ほぼ全員と、顔を会わせたこともないのに
なんとなく、そのひとがどういう感じか
わかってちゃったりする。


ちょっとブログのテンプレデザインを
くまのプーさんかなんかにして
きょうはシュークリーム、
はんぶん食べたら、おなかい~っぱい。
ぷはぁ、まんぷくまんぷくぅ~♪
ほっこり(はあと)
なんて書いたって、

「おめえ、ムリしてんだろ」
って一発でわかっちゃう。ようなもん。
ホントはシュークリーム、
それも特大サイズのを3コ食ったよね!
しかもそのぷはぁは、
向こう三軒両隣まで響き渡る
ものすげえゲップ音だよね!
って一発でわかっちゃう。ようなもん。

そのひとの個性は
くまのプーさんではなく
「よく食うさん」であり
「驚異的なゲップをかませるひと」
ということに、なる。

「じぶんだけがうまいことやってるつもり
でも、まわりにはソレぜんぶバレバレな
イタすぎるひと」
ということにも、なる。



「てめえの“超絶人見知りちゃん”は
じぶんプロデュースじゃねえのかよ!」

そうツッコミたいひと、たぶんいる。
いないかもしんないケド、いる前提で進める。



おれが自己分析したところでしょせん
「長えフィルター」
よろしく、まったく的外れなんだが。
わかってる。



いや。
超絶人見知りちゃんについては
エビデンス、あるですよ。

エビデンスといえるかどうか
統計的なことは知らんケド。
上のリンクとおんなじコレ
「コイツはひょっとして、むちゃくちゃビジョじゃんか」
って気づいちゃった後輩。

電車で話してておもむろに
「しかし、キクチさん。
ホント、人見知りですよねえ」
って言った。もん。

会話のコンテキスト、すべてぶった切って。



オトナになって。
仕事とかで初対面のひととも
あんがい喋れるようになって。

「もはやおれは誰にでも
すぐに打ち解けられるひとだ」
っておもってたので。

あらためて言われて、
あんがい凹んじゃった。もん。

そうだよねえ、やっぱし。
ってなっちゃった。もん。



なので、その。
個性を出そうなんてヘタにイキったって
「アンタのことなんか、
誰も知らないんですからねーだ」
ってなるだけなので。

じぶんが至極アタリマエとおもう
とこを、アタリマエにしずか~に
進んでく以上の個性って
ないのかな、といつもおもう。

うん、ハナシがあちこちとっちらかっちったまま。
袋小路だ。じゃじゃまるさんだ。

うやむやに、撤収だ、撤収!