きょうは日帰りで岡山に出張した。
で、帰りにいいものをみしてもらった
というハナシ。と
おれがどんだけもてないか
という、どうっでもいいハナシ。
*
帰り。新横浜で新幹線を降り
横浜線に乗り換える。
ボーッと立ってると、
隣のダンジョの話してるのが、聞こえてくる。
だいたい大学生、くらい。
会話を聞くだに。
いい意味で、古風。奥ゆかしい。
そんな感じに、とても好感をもった。
*
トモダチ以上コイビト未満。
たぶん、お互い、相手のことが確実に気になってる。
っていうのは、ハタから見りゃ明らか。
明らか度合いを「火をみるより」っていうケド
それってこういうことなのね。
ぐらい。
こういう(↓)会話。
*
♂「なんたらラーメンって知ってる?」とココで、食いもんとは違うハナシをはじめる。
♀「ラーメンとか、アタシ、あんまキョーミない」
。。。
♀「でもでも、食べることはすき。焼肉の食べ放題とか、大すき」
♂「ふーん。そうなんだ」
。。。
♂「でもあれだよね・・・」
*
本人たちは本人たちなりに一生懸命、なんだろう。
なのに、目の前のことにテンパっちゃって、わかってない。
おめえら、恋に落ちる5秒前、だ。
ハタから見りゃ、火を見るより明らか、だ。
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相手にじぶんのこと、きょうみもってほしい。
お互い、そうおもってる。
相手はじぶんのこと、どうおもってるんだろう。
お互い、そうおもってる。
でも確信がもてないから、
というか、不安もいっぱいだから
コウ、何ともビミョーな距離感になっちゃう。
*
やい、オトコのほう。
チャンネーは、オマエを焼肉に誘ってんだ。
誘ってくれって誘ってんだ。
誘ってんのはなあ、
焼肉なていだケド、焼肉じゃねえんだぞ。
だから、「ふーん。そうなんだ」
じゃねえ。
「じゃ、今度、焼肉行こうぜ」だ。
「今度」じゃなくても、いい。
「これから」だ。
と、おれは
もしおれに関わってきたらまじでぶっ殺すぞオーラ
ぐらいの強い気持ちを
オトコのほうに発する。ハッスル。
いいから、行け、行くんだ!
と。
*
会話がフワフワしてるうちに
横浜線は町田に着いちゃった。
おれはテンマツを見届けぬまま
小田急線へと乗り換えてったのだった。
*
そういうセーシュン。
「大すきなチャンネーが目の前にいて」
「この距離をどう縮めようかウジウジ」
「どうも、もう一歩が踏みこめない」
この感じが、いいなあ。
うらまやすいなあ。
とおもっちゃったんである。
*
というのは、
おれがおいさんになっちゃったから
ではない。
そういう「恋の駆け引き」にも至らない
甘酸っぱい、あるいは甘々なきょくめん
なったことないから、デアル。
*
大学時代。
おれはまったくモテなかった。
とりわけ、サークルで。
あのう。
あたかも大学時代以外はモテてたかの物言いだが
人生つうじて、とにかく
チャンネーにモテない。
少年のころも、
中学も高校も、
オトナになってからも。
*
大学時代。
おれはサークルでまったくモテなかった。
センパイのチャンネーにとって
おれがアウト・オブ・眼中なのはモチロン。
同級生も
おれがアウト・オブ・眼中なのはモチロン。
2年生になって、後輩のチャンネーが入っても
おれがアウト・オブ・眼中なのはモチロン。
サークルで代をもつ3年生になると
コーチ役をして1年生を教えたりする。
そこでフォーリンラブする王道のケース。
そんな絶好の売り手市場でさえモチロン
おれはアウト・オブ・眼中だった。
*
あまりにもモテない日々を過ごすなか
おれはとうとう、
おんなじようにまったくモテない
センパイのヨッちゃんと「死ね死ね団」を結成した。
もう、モテにはいかない。
すべてのモテどもを
悪のかぎりを尽くして、ぶっ壊しにかかる。
そんな、死ね死ね団。
じぶんはもう
オトコでもオンナでもなく、性別「死ね死ね団」。
*
死ね死ね団を結成してはじめて
「電車でよくいるBBA。
コイツら、よくもまあ女性であることを放棄したな」
なひとたちの気持ちが
わかったような気がした。
カノジョらはカノジョらなりに
いろいろ1周して、いまに至ったんだ。
そうだ。そうなんだよ。と。
*
まあ、死ね死ね団が尽くした
「悪のかぎり」って
こんなこと(↓)なんだけどな。
キャンパスでカップルを見つけるや
ヨッちゃんと2人で走ってって
「死ね死ね~」
って言いながら2人の間に割って入る。
*
。。。
*
大学時代。
そんなおれだって、数回は恋をした。
でも、ことごとく3ヶ月つづかない。
飽きちゃうし、飽きられちゃう。
じぶんにさもポリシーがあるかのような振る舞いをしやがる。
浅いことをさもコムズカシっぽく、ドヤ顔で語りやがる。
あまつさえ、こんな外見。
そりゃ、モテるわけ、ねえ。
*
死ね死ね団の相棒、センパイのヨッちゃん。
おれとの決定的な差は
ジツは隠れファンがいっぱいいた
ということ。
確かに
トークはむちゃくちゃおもろい。
場を盛り上げることもできる。
というか、かんぜんにウタゲ番長。
男気は満点。
よく見りゃ、顔もむちゃくちゃカッコいいし
テニスもチョーうまい。
モテなかったんではなく
いわゆる、硬派ぶってただけ。
鉄人みずからチャンネーを寄せつけなかった。
というだけだった。
じっさい後年、モテモテ人生をあゆんでる。
*
かたや、おれ。
大学4年の、卒業を間近に控えたころ。
たまたま同期がみんな集まり
「こんなかで誰がいちばん先に結婚するんだろーね」
というハナシになった。
そしてどういういきさつか忘れたが
なぜか投票形式になった。
同期は男女15人ぐらいいたのかな。
ケッカ。
おれは下馬評どおりぶっちぎりの最下位。
前評判どおりの、ゼロ票。
ぐらい。
自他ともに認める死ね死ね団だった。
半永久的に団長のお墨付きをもらったようなもん、だった。
*
そんくらい、とにかくモテなかった。
いや、いまも、モテない。
*
だからこそ。
横浜線にいた若いダンジョ。
本人たちがときめいちゃって
それでも、逡巡しちゃってたり。
いろいろ、ミエミエだったり。
おれみたいな、たまたま近くに居合わせたひとまで
「おまえら、がんばれ」
ってなっちゃうような
そんなのって、いいなあとおもっちゃうんである。
*
そんなモンモンを抱え
明日からジョグフッカツ。
ジョグって
そんなモンモンのはけぐち
じゃねえよな?
なんか、ひずんでる、よな?