原稿を書く
というのは、キライではないけど
重たい腰がなかなか持ち上がらない。
みたいなこと。
原稿じゃなくても、仕事でもタスクでもだいたいこんなもんだよね、っていう。
最近すっかり味をしめた箇条書き。
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○「もう少し全体像が見えてから、一気にやろうかな」
取材初期など、書かねばならぬ原稿本数が全体からみてまだ少ないとき。
けっきょく、追い込まれるまでやらない。
○「○○ってキーワード、よく出てきそうだから出し惜しみしとこう」
で、使う機会を逸して、けっきょく一度も触れられない。キーワードなのに。
○「(取材対象に)○日後には原稿確認いただけるよう、進めます」
たいがい、「○日後」にあわてて書きはじめる。
○(催促の電話に対して)「構想はできてます!」
まだ1文字も書いてない、の意。飲みに行っちゃう。
○(催促の電話に対して)「だいたいできました!」
やっと書きはじめた、意。
○(催促の電話に対して)「いま、最後の見直しをしてるのでもうすぐ送れます!」
袋小路に入って立ち往生してる、意。
○(催促の電話に対して)「今日中に送ります!」
これから本気出すの宣言。→途中から「23時59分59秒までは今日だよね」と自己肯定。→あっけなく日付変更線をまたぐ。→「明日の9時、担当者が出社したときまでに送っておけばいっか」と自己肯定。→9時ごろ、パニクり出しているところに担当者から連絡。→ものすごい冷静をよそおい、「あれ、届いてないですか? メールのエラーですかね? いま出先で戻りしだい再送しますが、昼ごろになるので、それからでいいすか?」
○あるいは。(催促の電話に対して)「今日中に送ります!」
途中から「23時59分59秒までは今日だよね」と自己肯定。→あっけなく日付変更線をまたぐ。→夜中の3時ごろ、それでも根性であげる。→メール送信。→10分後に返信。→うげー、まだいたの!
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○原稿がたまると、原稿書きを逃れる口実でそれ以外の仕事をする。
「それ以外の仕事」が、信じられないくらいはかどる、というヒニク。
原稿は1文字も書かないまま。
○きょうは朝イチから気合い入れて原稿書くぞーと始業前に出勤→やたらとかかってくる電話。あるいはやけに届く宅急便。そして「キクチくん、これ大至急頼む」というサプライズ→うへー、もう19時。。。
○21時すぎてから終電までの、尋常じゃない集中力と進捗。
○なまじっか進みすぎて、なんだかコーフンしちゃって眠れなくなる。
○金曜の夕方。原稿が10本たまってたとして。
月曜までにすべて片付けてやる!→土日で7本、3本ぐらい翌週に残してもいいかな→半分ぐらい終わらしとけば、来週ラクだ→せめて3本でもやっとけばいいかな→けっきょく週末に1文字も書かなかった!
○帰りの電車でとっておきの解決策を思いつき、家に着くと忘れる。
○シャンプーをしてるときとっておきの解決策を思いつき、浴室を出ると忘れる。
○トイレしてるときとっておきの解決策を思いつき、出ると忘れる。
○「きょうぐらい飲みに行っちゃえ。明日気合い入れて挽回すりゃいいんだから」
→いまのおれ。
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○土日、仕事場に1人で静か。時間は無限にある(ような気になる)、おれは何でもできるという超絶大幻想。
○テレコ忘れたっ。
○テレコのバッテリーが残りわずかっ。
○録音できてねえっ。
○ノート置いてきちゃった。
○ペンが、消えたっ。
○わりとなごやかな取材が終わって。取材対象の「あとは、プロの方がうまくまとめてくださるでしょう」という、なにやら圧力の香りがする捨てゼリフ。