キクチヒロシ ブログ

絶滅寸前の辺境クソブログ。妄想やあまのじゃく。じゃっかんのマラソン。

禁じ手

この仕事をはじめたころ、鬼軍曹に
「あえて○○って言葉を遣わずに原稿を書く」
を課されたことがある。

おれはどうやらこのエントリーで、
「そうやってマイ常套句を禁じ手にすると、あんがい楽しいよ」
って言いたいらしい。

書き言葉にかぎらず、話し言葉でもあるじゃん。
常套句というか、口ぐせというか、いやに口ざわりのいいフレーズ。



恒例のあらかじめエクスキューズ。
この辺境ブログ、常套句だらけじゃんか。

「なんである」だの
「という」だの
「なんか」だの
「知らんっ」だの。

数え出したらキリねえ。
わかってますって。

自分なりに遣いどころ考えてはいるつもりだけど、
たしかに最近、あいつらにちょっと甘えすぎてるなおれ
とは、自覚は、してる。



冒頭の鬼軍曹がおれに課した○○は、3つ。
○逆接の接続詞「けど、だけど、だが」
○逆接ではない接続詞「だけど、だが」
○体言止め
だった。

いまではバリバリ遣ってるので、
せっかくの教えがまったく身になってなくてスミマセン「だが」、
あえて禁じ手を破った、というのも一面で事実。



確かにたとえば、
「だが、だけど」ばっかりだと
読んでるときに思考がクルクルクルクル転がりすぎて、イヤんなっちゃう。

ん「だが」、

おれが解禁したのは、
「禁じ手にする」はいっときの訓練としてはとてもいいん「だが」、
恒久的に禁じる意味がまったくわからなかったからだ。

読み返すと気付くが、使い勝手がいいので
書いてるときはあんがい気付かない。

常套句にしちゃうだけあって。



鬼軍曹はほんとうは鬼軍曹じゃなくて、
すごいやさしい人だったんだけどね。まあいい。



話し言葉でいうと、グルメレポーターが
「おいしい」
以外の言葉でその食いものを表現する、アレ。

魚を食って
「まるで肉みたーい」
も、おなじにしてもらいたくないが、アレの努力の結晶。

しかしなんだよ、サカナ食って「ニクみたーい」って。
ほめてねえよ。

どうでもいいな。
しかもこれ、どっかで書いた覚えがあるぞ。



話し言葉ついでにつづけると、
もうさすがに廃れたが、
いっとき「ナルホド種」がはびこりまくってた。

あいづちにやたらと「ナルホド」を連発しだし、
ほどなく「二重重ね」あるいは「~ですね」
に発展してった。

たぶん、だけど
「おれさまちゃんはアッタマキレッキレだから、あなたの言うことを全部理解してますよお」
を誇示したいあらわれ、なんだろう。

そのガンバリは、わからんでもない。



ナルホドについても、どっかで書いた覚えあるぞ。
まあいい。続ける。

絶滅危惧種「ナルホド」。

おれはナルホドは、
あくまで自分のなかでの解釈&用法だけど、
1) あんたの言いたいことは十分理解した。
2) だからもう、くどくど説明はいらねえんだよ。黙りやがれ。
3) その他
ととらえてる。

おもに(1)と(2)の合わせ技。

なので、遣われたらその流れの会話(説明)は一切ぶったぎる。
あるいは、一切ぶったぎりたいときに遣う。

独りよがる。
あまのじゃくる。



(3)は、1回だけ遣うと効果的。
長老の話を聴いてるとき、とか。
相手が調子に乗ってくれたりもする。

でもまあ、
いまさら、ナルホドに熱弁かよ。。。
なんだけど。



「ナルホド」が絶滅危惧なのに対して、
さいきんますますはびこってるのが「ダカラ種」。

半年ぐらい前にも触れたな。
だから(2012/10/09)

これ、あんがいしぶとく
草の根的に広がってるよね。
とりあえず。



以上は常套句といいつつ、
常套句じゃない。

朝イチから「おつかれさまです」
みたいのが、常套句ですな。

「いずれにしろ」
みたいのが、常套句ですな。

「等」は言いつくした気がするので
カツアイ、ですな。



おっと、
「そうやってマイ常套句を禁じ手にすると、あんがい楽しいよ」
にまったく触れてなかった。

グルメリポーターが「おいしい」を禁じ手にするように、
(ほんとうに禁じ手にしてるのかは、知らんっ)
あえてほかの表現で言い換える。

「あんがい楽しい」といいつつ、
わりと苦行だったりする。

禁じ手を設けると、
自分がいかにラクをしてたかにも気づくし、
アタマ硬くなってるかにも気づく。

そういう気づきが「あんがい楽しい」とおもえるかどうかなんだけど。



たとえば、
おれは(笑)とか顔文字のたぐいは遣わない。

遣わないのは、たぶんに個人的趣味なんだけど、
それを措いても、
「ここで(笑)つかやあ、一発解決なのになあ」なきょくめんは、わりと多い。

面と向かって話してれば通じる言葉も
メール文面だとトゲトゲしくなってしまうことがある。
そんなとき、(笑)や顔文字はチョー便利だ。

「でも、とりあえず明日は一切遣わないでみるぜ」
と、ゲーム感覚で禁じてみると、
あんがい楽しいし、
あんがい自分の新たな可能性に気づく。

かもしれないね。
なんか、だんだん観念的に、だんだん説教くさくなってきたな。
シオドキだな。