ははーえ!
半年ごとの新刊。
ストーリーが大筋、信長の一生に沿ってるのでいうと、
8巻は信長包囲網の中後半、三方原の戦い前まで。
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この物語。
相変わらず、バランス感覚にすぐれてやがる。
(このエントリー、この先は読んだことない人はちょっとだけ意味不明orネタバレの恐れがアリマス)
(別にいいやって人は、7巻までのさわり(↓)でもどーぞ)
→チョーテー (2012/11/01)
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この物語。これまでも、
主人公のサブロー(信長)が現代の高校生「的な」軽さを保持しつづけるところ、
サブローとおなじ、現代からのタイムトリップ組がちょいちょい登場するところ、
善人ぽい人以外はみんな悪人ぽいところ、
とか、ビミョーなさじ加減で、ゼツミョーなバランス感覚を保持し続けてきた。
高校生「的な」とカッコでくくったように、
サブローみたいなヤツ
現実にいるかってったらたぶんいないんだろうけど
いかにもいそうだなって描き方が
現実以上にリアルっぽい。
その感じもビミョー、ゼツミョー。
あと、
物語の設定が「突飛かつありがち」という、
違う意味でビミョー、ゼツミョーなのに
読者を惹きつけすぎも突き放しすぎもしないのも、それゆえ。
とおもう。
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8巻で舌を巻いたのは2点。
1つ目は、彌助(黒人)。
「ちょいちょい登場する現代からのタイムトリップ組」の新しい刺客(?)。
「刺客」というのは
「ストーリー的にサブロー(信長)に対して」ではなく、
「おれら(読者)に対して」
という意味で。
刀をかまえたフォーム(P.60)だけでもう、飯が3杯食える。
うわっ、画像載せてえ!
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もう1つは、表題。
「ははーえ!」
ヘビをつかまえた茶々姫が
母親の市姫に見せびらかそうと
母親をこう呼ぶ(P.7)。
説明するなんて無粋と承知してながら説明すると、
「ははうえ」といっているんであるが、
こういう、バランス感覚。
言語センスっていうのかもしれないけど、
とにかく、すげえ。
ビンビン、キテル。
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森ブラザーズとか、
比叡山のムカツク感じ、
家康が大人物になりそうな感じ、
もまた、いいんだけどね。
何でこんなにベタ褒めしまくってるのかは、
自分でもだんだんわからなくなってきたが、
まあいい。