キクチヒロシ ブログ

絶滅寸前の辺境クソブログ。妄想やあまのじゃく。じゃっかんのマラソン。

ベンキョーだけしてりゃいいなんて、ラクだね。

もう終わりかけてるかもしれないケド、
大学受験のシーズンなので、1つ。

表題は20年ぐらい前に
伯母がおれに放ったひと言。

オバサンスゲーってなった。
と先にオチを言っておく。



浪人の何がつらいって
生まれて初めて
「いま無所属で今後どこに所属する保証もない」状況を味わう
ってことだとおもう。

まあ受験生なら、
浪人じゃなくて高校生もおなじか。



ちょうどおれが浪人してるとき
浪人生が電車に飛び込み自殺をした
というニュースが流れた。

家族みんな医者で、自分も医学部を目指してるんだけど、
どうもこのままではキツイらしい。
という状況に絶望してのことだった。
らしい。

いま考えりゃ、そんな大したことでもないんだが、
当時はミョーに自分に重ね合わせたりなんかして、
「自分もいつそうしてもおかしくないなあ」
などとおもったりしてた。

おれは親類縁者に医者がいるわけでも、
医学部をめざしてたわけでもないが。。。



話を戻すと、
「無所属」の打破には
受験勉強をがんばることが最短ルートになる。

でも、
それが突き進むと、
勉強してること自体がすべての免罪符になるし、
まわりも気を遣う。

さらにそれが突き進むと、
まわりがおれに気を遣ってくれてアタリマエ
みたいな、おもい上がった状態になる。

「だっておれ、受験勉強たいへんなんだぜ」って。

元はといえば、
ただ、テスト受けるだけなのに。
ただ、テメエが落ちただけなのに。



そんな受験が迫ってきた冬のある日、
わが家に伯母が遊びにきた。
伯母はひつよう以上に気を遣うふうでもなく、
ふつうに母と談笑したりしてた。

夜の10時ごろだったか、
ちょっと休憩して夜食を物色してるとき、
ふと、伯母はおれに
「ヒロシはベンキョーだけしてりゃいいなんて、ラクだね」
と言った。



当時、
伯母はダンナさん(伯父なんだけどね)が体調を崩しており、
そのケアをしながら、仕事もバリバリしていた。

つまり、生活すべてを伯母が支えていた。

それにくらべりゃ、
「受験勉強してればOK」なんて、
地上の楽園ぐらい、甘ったるい世界だよなあ。

10代のボクチンはそうおもった。
何だか、いい感じで肩の力が抜けた気がした。



当時はまだたぶん、
おれの100%は受験勉強をすることだケド、

いずれその100%を
金を稼いだり、
家族を養ったり、
部下におごったり、
チャンネーにうつつを抜かしたり
と振り分けて、
しかもリッパにやってなきゃならない。

オトナってのは、いろいろ大変なんだな。

などと想像しながら、
そそくさと部屋に戻り、
勉強を再開させるんであった。