キクチヒロシ ブログ

絶滅寸前の辺境クソブログ。妄想やあまのじゃく。じゃっかんのマラソン。

ネガティブスプリットあるある、的なもの

おれから盗みなされ(2012/10/27)のつづき。

前エントリーで紹介した本とかぶる部分があるかもしれないが、より肉声寄りなことをつらつら。いままでフルマラソンを4度完走したうち、大失速した1度を除いてすべてネガティブスプリットだった自称「狛江で1万本の指に入るネガティブスプリットのエキスパート」が言っちゃう。

狛江の人口って7万だかなんだけどねっ。



とりあえず「いい点」「ムズかしい点」にわけていくつか。
ほかに何か気づいたらどっかで追加してくが、こんなもんかな。

いい点
モチベーションが維持しやすい
「○○キロの壁」を感じづらい
必ず全力を出しきった感にひたれる

ムズかしい点
ガマンしなくちゃならない
ペース設定に対してギモンを抱きがち
カウントダウンをしちゃいがち



その前にいちおうおれなりの条件を据えておく。ペース設定は目標タイムに置き換えて考えてくれれば、いい。
○30kmまではよゆうたっぷりなペース設定にする。
たとえば、目標タイムが3時間15分とすると1kmあたり4分37秒でいけばいいんだが、4分45秒とか4分50秒でいく。
○もちろん、イーブンペースの4分37秒でもいける力はそなわってる、つもり。
○最初の5kmなり10kmはウォーミングアップとして、さらにおさえて5分とかでいく。



いい点:モチベーションが維持しやすい
「30kmから本気出す」というのが、この作戦の大前提。
なので、そこまでどう余力を残しておこうかという思考回路になる。キツくて粘っている場合とは逆の意味で、30km地点に到達するのが待ち遠しくなる。
おれは30km地点で「ヨーイドン」とおのれに号令をかけてペースを上げる。あくまで心のなかでの号令なんだが、待ち焦がれてそうとうテンションが上がっているので、かすみがうらマラソンのときは声に出してしまって、まわりの人に振り向かれた。



もう1つ、これがすごく重要なんだが、30kmからペースアップしていくとほかのランナーをごぼう抜きにできる。前からどんどん標的が現れる、しかも自分が主人公になったかのように、その人たちをサクサク抜いてけるっていうのは、モチベーション的には最高だとおもう。

根性論じゃないけど、フルマラソンにおける気持ちのもんだいって、ホント、そうとう重要。
ちょっと気持ちが切れたら、かんたんに大幅ペースダウンしたり歩いたりしちゃうもの。



いい点:「○○キロの壁」を感じづらい

○○に入る数字はだいたい、30とか35。
なんだが、30kmまでよゆうでいっているんだからそもそも、30kmで壁を感じるはずはないし、もし35kmでつらくなっちゃったとしても、30km以降のペースアップが急激すぎるかもしれないからちょっと自重すればいい。
だいたい、35kmまでいけばどんなによゆうで走っていても一定のつらさを感じるもの。感じてるつらさが残り7.195km、30分前後を乗り切れるものかどうか、冷静にみきわめるポイントにすることもできる。



いい点:必ず全力を出しきった感にひたれる

終盤にトップスピードで走りきるので、ゴール後は必ず全力を出しきった感にひたれる。
これが終盤粘るレースだと、あとからスプリットタイムを見直したときに「あそこでもう少しがんばれたんじゃね」とかおもってしまうもの。
ヨレヨレでやっとこゴールにたどりつくと、確かに満足感もあるがおなじくらい後悔もたくさんする。
次のレースに向けてという意味でも、その差はすごいデカい。とおもう。

「シュートで終わる」みたいな。よくわかんないケド。
ともかく、ゴール後の爽快感はヨレヨレゴールの比ではない。マジで。



ムズかしい点:ガマンしなくちゃならない

「ガマンしなくちゃならない」は、なにもネガティブスプリットにかぎったことではない。
イーブンペースでいくにせよ、ふつうフルマラソンを走ろうとおもったら、多少はおのれをドードーする。

ガマン=おのれをドードーする=ペースをおさえる、ね。
いちおう。

あくまで「30kmから本気を出す」が目的、というか手段。ということを忘れてはならない。そのためには、ドードーの度合いをより強くしておいたほうがいい。に決まってる。
んだが、
手前で必ず何度か、悪魔クンが耳もとで「いいから行っちゃえよ」ってささやきかけてくる。

たとえば、スタート時の混雑で、おもうように進めなかったとき。
たとえば、「こいつ明らかにおれよか遅いだろ」って人に抜かれたとき。
たとえば、トイレに行ったりとかタイムロスをしたとき。
たとえば、中間点を過ぎたとき。
たとえば、30kmが近づいてきた25kmとか28km地点で。

調子がよければいいほど、悪魔クンのささやきは甘美だ。
レース特有のハイテンションもあいまって、いけちゃうような気になる。
超ワナ。

誰かが本で言っていた「前半のタイムの貯金は、後半への借金」というのはまさに至言で、調子に乗っちったオトシマエは、後半にキッチリ払わされる。
必ず。数倍もの利子をともなって。

そうなったらもはや、ペースアップどころじゃない。
疲れてきたときに、それまでオーバーペースだったと気づいたときの「あちゃー感」はハンパない。
あちゃー感というより、絶望感。

ギャートルズの「ギャー」って擬音が石になって頭に落ちてくるていで。
「あちゃー・・・」

ということを、キモに銘じといたほうがいい。
といっても、忘れちゃうんだけどね。調子がよけりゃいいほど。



モチベーションも体力もダダ下がりなとき、それがたとえ35km地点だとしても、まだ7.195kmある。
7.195/42.195って考えるとさほどでもないようだけど、1kmを5分でいったとしてもまだ、36分ぐらい走らなきゃいけない。36分って長いっすよ。
しかも「最低」36分。1km6分ペースだったら43分以上、7分ペースまで落ちたら50分以上かかる。

話がそれたついでにもう少しそれると、
これはおれだけかもしれないが、「歩いてちょっと回復させてからまた走る作戦」は、ふたたび走り出してもスピードの現状復帰はできない。絶対。

歩く、つまりそれまでの流れをぶった切るっていうのは、レースを中断しちゃうということ。
気持ちのうえでリタイアしてる。
あとに残った残務処理感って、けっこうツライですぞ。



例によって長くなっちゃったけど、つづける。



ムズかしい点:ペース設定に対してギモンを抱きがち
これは2つある。

1つは、レース前のこと。
「レースはトレースだ」ってどこかの本に書いてあって、確かにそのとおりなんだが、そう言われちゃうとおれはなんかちょっとアマノジャクりたくなる。

せっかくの晴れ舞台。トレースなんて一言で片付けられちゃ、なんかくやしい。
ただのトレースじゃなくて、結果でおのれをサプライズさせたい。

なんて考える。

のは、よくないですよ。ってこと。

言いたいのは、
「ペース設定に対してギモンを抱きがち」になるということは、きっと誰にも起こりうるんですよ、と。
これも悪魔のささやきの一種で、そういう現象があるってことを自覚しておくだけでいいとおもう。
あまつさえ押さえ気味のペース設定なんだから、もっと速くいけるよ、なんて考え出しちゃうのは、地獄の一丁目の角を曲がっちゃったようなもんだとおもう。

ペース設定って、テッテーテキに自分を客観化して、自分に正直に等身大なセンでおこなうじゃないすか。
自分にウソついたって、しようがないし。

それが最初から夢のペース、「あんなこといいな、できたらいいな、あんな夢こんな夢いっぱいあるけど~」なドラえもんペースだとしたら、ここではがんばってくださいとしか言えないが、練習の積み重ねから肌で感じたものの集約なんだから、もう信じるしかない。

あ、ドラえもんって言いたかっただけじゃん。。。



もう1つは、臨機応変さ。これはレース中。
上とムジュンしちゃうんだが、設定したペースにこだわりすぎちゃってもヤバイ。という一面もある。
当日は、体調とか陽射しとか風とか、コンディションがカンペキでないことのほうが多い。

そんなとき「つみ重ねて算出したペースなんだから」って意固地になっちゃうと、あとで必ずオトシマエをつけさせられる。
確かに、余力がある段階でペースを落とす決断をするのは、とてもムズかしい。ムズかしいんだけど、失速して苦しむよりいいって考えるしかない。直感で「あれっ?」て感じることは、だいたい合ってる。



なんか長くなりすぎちゃって、もう、自分に語りかけるていになってるぞ。



いや、この10月は走りこむぜって決めて、毎週土曜に30~35km走をすることにした。
ワタクシゴトね。

徐々にペースを上げていって、4度目のこないだ土曜は「いまのところの想定ペース」でやってみた。当日はオニ向かい風。陽射しもけっこうあった。にもかかわらず、それまでペースが多少ゆっくりだったにせよ数度、けっこううまくできてたので設定を変えずに挑んだら、見事に失敗。35kmの予定が30kmぐらいで疲れて、34kmでやめちゃった。

失速の要因として、それまで3度の30km超を走った疲労の蓄積とかもあるんだろうが、「ペース守んなきゃ」って変な使命感を捨てられなかったあたりにもあった気がする。たかが練習なのに。という。

また話がそれた。
おかげでひとつ学べたし、つくづくあれがホンバンじゃなくてよかった。



ムズかしい点:カウントダウンをしちゃいがち

意固地になって、ラスト。
つくばマラソンもそうだけど、たいがいのレースであと5kmになると沿道の表示が「残り5km」ってなる。
それまでは「○km地点」と積み上げ式だったのに、とつじょ、カウントダウン方式に変わる。

これ、キケンだとおもう。

カウントダウン方式がモチベーションになる、ということも一面ではあるのかもしれないし、たぶんに気持ちのもんだいだけかもしれないが、「残り○km」ってやられると、とたんに進んでない感でいっぱいになる。
初フルでそうおもったので、2度目からは、自分の頭のなかだけでは、積み上げ方式を最後までつづけた。そうすると、進んでる感を持続できる。

なんつうか、ロジックの裏づけがない完全な精神論、考え方のちょっとした切り替えなんだけど、こういう些細なことがモチベーションにもたらす違いは、けっして少なくないとおもう。
あまつさえ、それまで30何キロ走ってきて、心もカラダもクタクタになってる。「疲れたなあ」とおもったときに、ちょっと沿道から声援をもらっただけで元気が湧いてきたり、チョコをほんのひと口食べただけでパワーが出たりする、そんな、おデリケートなきょくめん。気持ちが前を向いていれば、どうにかなるもんじゃないかとおもう。

いま気づいたんだけどコレ、ネガティブスプリットとか、関係ないじゃんか。



最後に。

完全ないいわけなんだけど、書いてて、「これ、さっき言ったこととムジュンするよね」という部分があったんだけど、あえて整合性を放棄した。

悩むときとか迷うときって、2つの相反することのはざまで行ったり来たりするじゃない。
もしくは、おなじ事象に対して、人によってさまざまな角度から困ったりするじゃない。

いろんな悩みや考えごとがある。それはその人固有のものかもしれないけど、悩んだり考えごとしたりするのは、アナタだけじゃなくて、みんなするんだからダイジョブですよ。

みたいなことを言いたいらしい、おれは。

そんなわけで、どっか一節でも、たとえドラえもんのくだりだけでも誰かのお役に立てれば、この上ない。
ドラえもんは、他人のパクリ、なんだけどね。。。