自己模倣オールスター
JUNKのポッドキャストで、うんざりするほどCMが挿しこまれてたやつ。
の、1巻が出た。
あだち作品は『クロスゲーム』で大失望させられて以来だが、仕方ない。条件反射みたいなもん。
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舞台はアノ明青学園。という『タッチ』っぷり。
主人公は双子(みたいなもん)。という『タッチ』っぷり。
そして血のつながらない兄弟。という『みゆき』っぷり。
権力者に虐げられながらのスタート。という『H2』っぷり。
もちろん、主要人物の顔はだいたいおなじ。。。
もちろん、犬のなまえはパンチ。。。
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最近、
「必ず身近で誰か死ぬ」
という自己模倣しかできなくなっちゃったあだち充が、
開き直って、自己模倣をテッテーしちゃった。
まさに、あだち充の芸風的『大甲子園』状態。
という、
アンチが泣いて喜びそうな、おあつらえ向き。
アンチではない、というかむしろファンであるおれさえ、半分、ケチをつけるつもりで単行本を買って読んだ。
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ところが、読んだらおもったほどつまらなくないんである。
外角に決め球のスライダーを投げる前に、内角高めのストレートをみせるように、
自己模倣をチラ見せしながら、自己模倣芸とうまい距離感をとりつつ進めてる。
そんな感じ。
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これからは、
いつ、虐げられている状況をアップセットするか、
いつ、『タッチ』キャラが登場するのか、
を、作者が飽きるまでひっぱるというのが、目に見えてる。
目に見えてるんだが、しばらくはあえて釣られにいってみようとおもう。