ここ1年ぐらいの現象だろうか。
ふつうの会話の接続詞に「だから」を遣う人が現れた。
相手が理解力ゼロで、半ば説き伏せるように言う
「だーかーらーさー」のたぐいじゃあない。
たんじゅんに、接続詞。
用法的には、しゃべり言葉で最初に
「あ」とか「え~」とか「うんと」って言う人いるじゃない。
あれとおんなじ。
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遣われて、あんまいい気分がしなかったから、
おれは遣わないように気をつけている。
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おれと「だから」との邂逅は、ちょうど去年のいまぐらいのこと。
いつもやっている雑誌で「セカンドライフを充実させている人特集」みたいなのをやった。
取材したのは、みなさん、無名人だが華々しい経歴をお持ちの方々。
そのなかの1人が、「接続詞だから」の使い手だった。
ホテルのラウンジでふつうに話を聞いていて、興味がひかれたところをもっと深く訊こうと
「~~は○○ってことですか?」
みたいな質問をしたときの第一声が「だから」コレズバリ。
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トンチンカンな質問をしたわけではない。
取材対象のゴキゲンが悪かったわけでもない。
もちろん、性悪な人だったわけでもない。むしろ超いい人。
たぶん、その人は自分が「だから」と言っている意識すらないだろう。
でも、受け手からしたら、
なんだかこっちが悪いことをしている気分になった。
0.1秒ぐらいでも
「あれ、同じこと2回訊いちゃったかな?」
とか、
「いまの訊いちゃマズかったかな?」
とたじろぐ。
結果的におもいっきりキユーなわけなんだが。。。
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それ以来、「だから」に気をつけてきた。
遣わないことに対する意識が強すぎて、逆におのれをマインドコントロール、
知らず知らずのうちに遣っててやべえと口をつぐんだこともある。
そんな、「意識させる絶対値」がそうとう高い「だから」。
オチはないんだけど、
あまり気づく人がいないながらも、使い手がぐんぐん増殖中。
なんである。