キクチヒロシ ブログ

絶滅寸前の辺境クソブログ。妄想やあまのじゃく。じゃっかんのマラソン。

トースターのたぐい

自分は確かに目撃(体験)したケド、それを話しても誰にも信じてもらえない。

ってこと、誰でも1つ2つあるよね。
というオハナシ。



1ヶ月ぐらい前、茨城に出張した帰り、上野の焼き鳥屋でボスがおもむろに
こんなことを話し出した。

中学生のころのある日、昼下がり、家にいると
雷とともに夕立がやってきてさあ。

ぼくは台所にいたんだけど、いきなり
ポップアップトースターからラジオが聴こえてきたんだよ。

そんなのもう、みすみす笑いの神に生贄をささげるようなもん。
出張に同行した、むかしいた会社の大先輩にあたるAさんは、おれと
「ハイハイ、そうでちゅか。そんなこと、ありまちゅよねえ」
みたいな感じで、茶化しまくってた。

ボスは
「いや、ホントなんだって!」と
半分笑いつつも半分大マジで、顔を真っ赤にしながらおれらを説き伏せようとしたが、
残念ながら説得しようとすればするほど、おれらの茶化しが加速するだけだった。



しかしそのうち、Aさんがまともに乗っかりだす。
齢50ながらフシギちゃん要素を内に持ちつづけるAさん。
自らの「誰にも信じてもらえないけど、自分は確かにみた」話をカイチンしはじめた。

「ボクの“トースターのたぐい”なんだけどね、・・・・・・」
といったぐあいに。

そのうち、笑いの神とお酒の神様があいまって、
「“トースターのたぐい”って名前でエピソード集めて本出しゃ、売れるんじゃね」
と、話がおもわぬ方向に発展しだす。

映画化だって夢じゃねえぞ、と。

誰だって1つや2つもってるもんだから、
あるあるネタ的に、共感ポイントはあるでしょうよ、と。



ちなみに、おれの“トースターのたぐい”は10数年前。

ある夜、御徒町から銀座線の末広町のほうに、
近未来のニョボと細かい路地を歩いていた。

住宅街、というか昭和な家々が建ち並ぶ
横丁という言葉がぴったりはまるような一画。

すると、数m先の民家がやけにショーウインドーになってて、明るい。
近寄ってみると、間口いっぱいに照らされたブラックライトのなかに、
無数のウサギの人形。

三三七拍子で笛を吹き太鼓を叩くウサギちゃんたち。
よく、おもちゃ屋の店頭なんかにある、アレが
リズムを合わせるでもなく、三三七拍子を乱打してる。

しかも、中央は少し窪みになっていて、
そこには特大のウサギちゃん。

ショーウインドーの間口は3m、奥行きは2mぐらいだった。



近年まれに交わされるキクチ家の夫婦の会話でも、
いまだに「あれは確かに現実だよね。だっておれら2人でみたもん」
って、お互いをナットクさせ合う。

ただ、冷静に考えれば考えるほど現実離れした光景だっただけに、
もはや、夢でも現実でもどうでもいい、
とおもいはじめてもいる。

そんな“たぐい”。



きのう、ボスが出社するなり、おれに転送してきたメール(↓)。
すげえ執念。
いや、ホント、悔しかったんだろな。
これを見ろ。
某、阪大卒、電気専門家、の友人からの答えじゃ!

----- Original Message ----- From: ***
To: ***
Sent: Saturday, September 08, 2012 9:01 AM
Subject: ラジオの怪

ボス さま
返事遅れてすみません。
結論。十分に可能性はあります。私の知っている実例では、物置小屋からラジオが聞こえた
というもの。あるいは、鶏小屋というのもありました。どちらも屋根がトタンというのがミソですが。
再現は困難でしょうが、偶然が重なれば、あり得ます。