あらぬところで世間は狭い、というお話し。
1年ぐらい前、娘を保育園に送っていく途中、
見知らぬ老婆が「かわいいねえ、かわいいねえ」
と言って、近づいてきた。
「あんまりかわいいからアメあげるけど、もらってくれるかい?」
と、ポッケから小袋入りのを2、3粒取り出して、娘にくれた。
断る理由など、あるはずない。
それから、その老婆は我が家で
“アメくれるばあちゃん”
と呼ばれることになった。
*
発音的にも意味的にも、
アメ・くれる・ばあ・ちゃん、でもなく
アメくれる・ばあちゃん、でもなく
アメくれるばあちゃん。
熟語なんである。
単語や文節で区切ったら、意味はつうじないんである。
take care ofみたいな。
*
やがて、アメくれるばあちゃんは、
どうやら我が家から歩いて2、3分のところにある
酒屋のご隠居であることがわかった。
*
さっき、小学校の同級生
イケメン・サトリングからデンワ。
オレはいまやどっぷり狛江だが、
小学校のときはどっぷり溝ノ口界隈だった。
多摩川を挟んでわりとすぐなんだが、
近いようでそう近くは、ない。
ちなみに。
イケメン・サトリングが、どんくらいイケメンかというと、
オレの淡い初恋と、あっさり付き合ってた。
まあ少なくともこりゃ、
サトリングがイケメンである
という説明にはまったくなってないですな。
いや、これは「世間が狭い、というお話し」じゃあない。
*
とにかく。
いちいちイケメン・サトリングと書くのは長いし、
そんなわけでなんだかしゃくなので、以下IS。
IS「キクチん家の近くに有名な酒屋があるって、
○○(アナザー同級生)に聞いたんだけど……」
オレ「おお」
IS「なんていう酒屋? 秋元っていわね?」
オレ「おお!」
IS「それ、オレの親戚だよ」
オレ「おおお!!」