スピードスケートの清水宏保が引退するらしい。
オレはキホン
あらゆるスポーツ選手をリスペクトしている。
話で聞いたことしかない過去の偉人はもちろん
リアルタイムで見た超一流のアスリート
に対する思い入れは、とくに強い。
清水宏保も、もちろんその1人。
齢も1つしか変わらない。
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清水宏保のスゴさは
「ガチンコで世界のトップに立った」
ことだとおもう。
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たとえばイチロー。
マグアイアとかソーサとかボンズといった
ホームランをかっとばす時代の
メジャーリーグにおいて、
ミート力と脚力と守備力で、存在感を示してる。
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たとえば荻原健司。
日本ではマイナーだったスキーの複合競技で
純ジャンプの選手並みのテクで
前半ジャンプを圧倒的にリードし、スキーで逃げ切る
というスタイルを確立。
スキーの本場である欧米で
「キング・オブ・スキー」とまで呼ばれた。
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たとえば伊藤みどり。
とにかくジャンプがすごい。
活躍していたのはもう15年以上前だが
いまだにフィギュアスケートで彼女を超える
跳躍力を誇る選手は出てきていないとおもう。
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といったように。
一点突破の武器を研ぎに研いだ
日本人アスリートが世界に君臨することはある。
ただ、ここで言うガチンコは、外国人に対して
「パワーにはパワーで」「スピードにはスピードで」
と、同じ土俵で勝負して、なおトップに立つことで。
そういうやり方をしていた清水の
偉大さを感じる。
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だからって。
イチロー、荻原、伊藤みどりなどの偉業が
色あせることはまったくないし、
ケチをつけるつもりもない。
どころか。
日本人の世界に出方という感じで
一流のアスリートに本来抱くはずもない
ある種の親近感、さえ覚える。
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清水宏保は「ガチンコ」で
スケート界に君臨しつづけた。
スピードスケートの短距離という、
半端ない集中力と瞬発力を要する種目で
圧倒的な集中力と瞬発力でもって、他を圧倒した。
「本来抱くはずもないある種の親近感」なんて
とうてい感じられない、畏怖に似た想い。
高橋尚子、的な。
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いまそうやって世界と伍していける人は
はたして、どれだけいるだろうか。
いるからすごいじゃんとか、
いないからダメじゃんではない。
そうやって世界と戦ってきた清水宏保の偉大さを
オレ含めみんな、まだまだ
正当に評価しきれていないのではないだろうか。
と言いたいんである。