皇居かなんかでのことだったとおもう。
近くにいらしたたかしさんを指して
「このひとのブログ、すげえおもしろいんですよ。ぜひ読んでみてください!」
「読んでみます!」と答えた。
(そんなこと、知っとるわい)と思いつつ。
*
ほどなく、ハーフマラソンで2度目の邂逅を果たす。
おれはリハビリとして。
カレは、カメラマンとして。
「走らないんですか? 走ればいいのに」
軽口を叩いておいた。
「いや、ボクはコッチのほうが楽しくて」
カメラと三脚を抱えながら、言った。
*
3度目に会ったのは、2月の駒沢公園。
ペース走でうっかり、身の程をわきまえないグループに入ってしまったおれは
前評判どおりの撃沈をカマし、心のなかで膝を抱えてうずくまってた。
心のなかで膝を抱えてうずくまりつつ
コースを見やると、カレがジョグをしてた。
「お、ニシコリモデルすか?」
カレが着ていたウエアのネタを端緒に
何周か、ジョグをトゥギャザーした。
このとき初めて、じっくり話した。
すると。
カレはいろいろなひとのフォームを
ジツによく見てるということがわかった。
それぞれ指摘も、まっこと的確だった。
「キクチはもう少しフッキンをつけりゃ、脚のバネを活かせるんじゃないすか」
ナドト。
*
「マラソン走らないんですか?」
「いやいやマラソンなんて、ボクはムリっすよ!」
そういう楽しみ方もいいな。
おもった。
*
それから大ウタゲ、小ウタゲで
よく顔を合わせるようになった。
いちばん最初はショージキ
チャラめで、なんだかわかんねえけどやたら色黒だし。
怒らせたらおっかなそうだし。
もっともリズムの合わないたぐいのひとだとおもってた。
マラソンする気ねえし。
でも、ときおりアタマをもたげる
カレの心のなかにあるゲキアツなものが
なんだかとても心地よく、好ましいもんに感じられた。
*
カレが今年のつくばマラソンにエントリーしたことを知ったのは
秋になりなんとするころだったか。
「走るんかーーい」
って感じだった。
おれがもしなんらかの53世だったら
ワイングラス片手に。
なーにが。
「ボクはやりたいこといっぱいあるので、マラソンなんかやってらんないす」?
しかも。
「サブフォーする」
「サブフォーをキメて、マラソンを引退する」
とかほざいてる。
ナメてるな。
おもった。
*
ナメてるのは、カレではない。
カレがナメてると考えてるおれのほうだ。
と気づくまでに、大して時間はかからなかった。
エントリー以後のカレの取り組みを聞きかじり
それはそれは感心した。
前はいつでもファンランって感じだったのが
なんか、必死に走ってるし。
*
カレには、つくばでぜったいにサブフォーしてほしい。
と、おもってる。
できると、おもってる。
がんばれ、カレ。
カレ、がんばれる。
*
ただ。
たぶん。だが。
カレはつくばでサブフォーできてもできなくても
「もう1回、マラソン走りてえ」
って言い出すような気がしてるんだ。
スポーツ観戦、カメラ、競馬とか忙しく走り回りながら
マラソン、も加えてさらに忙しく走り回る。
んじゃないかって、気がしてるんだ。
*
ジョグとブログ(とウタゲ)を通じて。
数多くのひとに出逢えた。
けっこう齢上のひとも
10以上齢下のひとも
ジツは社会的にけっこうエラいんだろうなってひとも
ジョーダマチャンネーってひとも、いる。
けっこう、いる。
尊敬するべきひとも少なくないが
それとて、ただの友人っていう範ちゅうを出るものではない。
っていうこの感じが、すごくすきだ。
だから何だってわけじゃない。
おもいましたとさ。
ってだけのことだ。
おれ、つくば、ちょっとは、がんばれ。
*
超絶斬新新企画!!!
「ほぼ日刊、おれのつくばの目標(変動制)」
竹:3時間42分37(オーバーザ2014富士山)
梅:完走