なおる
表題は「るるるの歌」の一節。
「るるるの歌」は、
丸いものを見るとオオカミに変身してしまう男の悲哀をうたう。
目玉焼きの黄身、プレゼンの円グラフを見ても、オオカミになってしまう。
すべて「る」で終わる動詞で展開される。
というのが、いかにも教育テレビらしい。
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このうたの最後で
「ふつうの」男が丸いものを見てもオオカミ男に変身しなくなるのだが、
無理やり深く考えると、わからなくなる。
「オオカミ男というものは、
ベースが人間なのか、オオカミなのか?」
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歌詞から察するに、どうやら人間らしい。
ただ、「すべての」オオカミ男もベースは「ふつうの」人間なのだろうか、
と思いをめぐらすと、そうとも言い切れない気がする。
ウルトラマンは「ジョワ」となにかをすると、3分間だけ人間がウルトラマンになる。
仮面ライダーはベルトをなんらかのきっかけにして、仮面ライダーに変身する。
ヤワラちゃんは髪の毛をゴムでゆわくと、柔道家になる。
この3例では、おそらく彼らの真の姿は後者、ふつうの人間ではない。
ウルトラマンはウルトラマンであり、ハヤタは仮の姿。
あと2つもしかり。
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すると、オオカミ男もベースは変身後のオオカミではないかという疑問がわく。
すると、表題「なおる」の意味するところがよくわからなくなってくる。
※
「ウルトラマンは地球ではハヤタという人間のいれものを借りている」という説。
「柔道家は人間だろ」という説。
どちらも正論。
わかってますって。