キクチヒロシ ブログ

絶滅寸前の辺境クソブログ。妄想やあまのじゃく。じゃっかんのマラソン。

「あれはテレビですから」

ある社長の言葉。
この人は先日、村上龍と小池栄子のやってる番組に出ていた。
弟も社長。


番組は
「兄=エリート、弟=ヤンチャからの叩き上げ」
という、わかりやすいコントラスト設定で話を進めていた。

おれがした取材とはまったくの別件だったし、
俗っぽい話でおもねるのは嫌なので、取材時
その番組の話題は決してすまいと思っていた。

ところが同行したA氏が、業を煮やして言っちまう。
「ガイアの夜明け、観ましたよ!」

「カンブリア宮殿」だっつーの。。。

表題は、そんな流れで出たひと言。



変に冷めても、斜に構えてもいない、ごく冷静な現状観察。
アーンド役割分担に対する理解度の高さ。

テレビ番組をめぐる役割分担には
「つくる人」、「見る人」、そして「出る人」がいる。
この人は「出る人」として
何を期待されているかをつかみ取り、
すべて飲み込んで、あえてそれを演じきってる。

んだ、とわかって
ハッと目が覚めた。



おれが「話に出すまい」と思ったのの
根っこにあるのは、
マスコミに出る人への過剰な色めがね。
それも無意識での。

「知る人ぞ知る時代の寵児っぽい人」は
おしなべてゴーマンだったり
鼻持ちならんに違いないと、
勝手に決めつけていた。

ほんと、勝手だ。

「これがこうだから、こうすればこうなるでしょ。
そんな感じでよろしくやっちゃって○○ちゃん」的な。

ほんと、勝手だ。



でも、この人は毎日こうやって
地に足をつけて過ごしている。

取材が終わったあと、
フツーの会社に行ったときと同じように、
エレベーターホールで扉が閉じるまでしっかり見送られた。

エレベーターがなかなか来ないビミョーな時間には、そのスキマを埋めるどーでもいい話で、間をつながれた。

そういうごくフツーの光景が、あの会社でふつうに見られるというのがけっこう衝撃的だったし、そりゃあそうだよねそういうもんだよね、とミョーに納得した。