楽しくなってきたので、イチローについてじぶんの言いたいことを言い尽くすことにした。
その原点っていうか、なんつうか。
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イチローはキクチの1コ上で。
たしかに高校時代からみてきてはいたんだけど。
1994年にいきなり表舞台に現れて振り子打法とかいってヒットを量産し、シーズンの安打数記録を更新したイメージ。つまり、突然変異みたいなもんで。
たとえば、KK(桑田清原)とかダルビッシュとか松坂大輔とかダルビッシュみたく、パリッパリの甲子園のスター、というわけではなかった。
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キクチは高校野球がスポーツの中でもとりわけいちばんすんげえ好きっていうか、子どものころから(客観的に、じぶんで言うのはおかしいが)尋常じゃなくつぶさに観てきたほうだとおもうんだが。
1コ上の昭和48年(1973年)生まれ世代では、ショージキ愛工大名電も鈴木一朗もそう注目に値しないっていうか、そんなん感じで。
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その世代だと、まず、天理の谷口功一。「世代最強」ってたぶん谷口が言われた元祖だとおもうんだが、そんくらいの突出した怪物。
双璧だったのが、松商学園の上田佳範。この年イチのいわゆる「甲子園のアイドル」。
あとは、いままでホームランを打たれたことがないっていう上記天理の谷口から逆転ホームランをかっとばした佐賀学園の若林とか。
キクチが夏にTVK(テレビ神奈川)で予選を見てたら、センターオーバーのツーベースヒットを打って「マジで天才だ!」って衝撃を受けた桐蔭学園の高木大成とか。
当時は雪国=弱小って決めつけてて、半ば仕方なく?惰性でみてたら、「こいつすんげくね?」っていうまっすぐを投げてた新潟明訓の小林幹英とか。
ほかにも、「おれとタメにもこんなにすげえのがいる!」って、星稜の松井とかエースの山口哲治とか、久我山の井口とか帝京の三沢とか樹徳の戸部とかいて。
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何を言いたいかというと、リアルタイムでは愛工大名電の鈴木一朗ってそんくらいアウトオブ眼中で。
前の年の夏には優勝した天理高校と緒戦で当たったり、この年のセンバツでも大注目の松商学園と緒戦で当たったり、こう言っちゃなんだが、テリーマンとか翔陽の藤間みたいな、いい感じで主役の実力とポテンシャルを引き出すかませ犬みたいな印象しかなくって。
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それがコウ、1994年に彗星のように現れてNPB(日本のプロ野球)を席巻し。
翌年には、年初に起きた阪神淡路大震災を背負って、神戸を本拠地とするオリックス優勝の立役者になったり。
けっきょくNPBで7年連続首位打者を獲り。
メジャーリーグでも、もはや説明不要な大活躍をする。
などなど、どうしようもないパフォーマンスを見せたわけだが。
なにしろキクチはバカだから。
「だってイチローだもん」
みたいな、ある種一歩ひいた目でみておった。
そりゃ、前エントリーでもほざいたように。
いちおう野球は大すきだから、一定以上の熱量をもってながめてたけど。
なーんか、スマートでカッコいいし。
打席や守備や走塁の所作も、キマりすぎてるし。
おまけに「古畑任三郎」に犯人役としてドラマに出て、演技を完璧にこなすし。
メジャーでいきなり首位打者になっても。
何年続けて年間200本のヒットを打っても。
年間最多安打の記録を100何年振りに?更新しても。
日米通算安打で、あのピートローズの記録を超えても。
なんつうかその。
パーフェクトすぎるところに、ちょっとだいぶ、「陰キャ特有の『ああ、陽キャってそういうことするよねー』ぐらいの、客観的には完全なジェラシー」をもって冷ややかにみておった。