先週、神田で楽しくおさけを飲んでるとき。
「キクチって、ドラマずきを吹聴してるケド」
「けっきょく、朝ドラと大河しか観てないよねっ!」
いっちさん、スルドイ!
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今クール(7〜9月期)はどうもハートにゲットオンするドラマがなくって。
前評判を聞いて「これはおもしろそうだ」とおもったものでもイマイチピンと来なかったり。
「この俳優さんが出てるんならそれなりなはずだ」とおもったものでもイマイチピンと来なかったりして。
いっちさんのご指摘どおりになってる。
(あ、安定の「科捜研」はちゃんと観てます。)
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そういう意味では。
朝ドラや大河も当たり外れがわりとあるなか。
「虎に翼」も「光る君へ」もそこそこ佳作で助かっておる。
助かっておる?
いや、実際もんだい。
大河ドラマをこの時期まで脱落してないのって4年ぶりだったりするからな。
だから何だぜ?
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そんなんわけで。
今クールは「ドラマを観る」時間が浮いたぶん。
正確に言うと。
「お酒を飲みながらドラマを観る」時間が浮いたぶん。
ただただ、お酒を飲んでるだけである。
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浮いた時間を手持ち無沙汰してるので。
さっき、ネットで見かけた本を読み始めてみた。
(2ヶ月ぐらい前に発売されて、わりと話題になってるらしいから、ちょっと乗り遅れてるかもしんない。)
アマゾンの紹介文。
この時点で、すでにおもしろそうじゃん?(↓)
夏休みが終わる直前、山田が死んだ。飲酒運転の車に轢かれたらしい。山田は勉強が出来て、面白くて、誰にでも優しい、二年E組の人気者だった。二学期初日の教室。悲しみに沈むクラスを元気づけようと担任の花浦が席替えを提案したタイミングで教室のスピーカーから山田の声が聞こえてきたーー。教室は騒然となった。山田の魂はどうやらスピーカーに憑依してしまったらしい。〈俺、二年E組が大好きなんで〉。声だけになった山田と、二Eの仲間たちの不思議な日々がはじまったーー。
いちおう言っとくと。
キクチはまだ半分ぐらいまでしか読んでないので、以下、ネタバレはちょっとしかありませーん。
むしろいま、ここからどう展開してくんだろうというちょっとずつ動きはじめた段階。
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上で引用した紹介文にあるとおり、冒頭。
山田の訃報に沈んでるクラスを気分転換させようと、担任の先生が席替えを提案したタイミングで。教室のスピーカーから山田の声が聞こえてくる。
どうやら山田は、二年E組のクラスメートともっと楽しくやりたかったなという想いが募るあまり、教室のスピーカーに憑依してしまったようで。
クラス全員が納得してしまうような、パーフェクトな席の配置を提案する。
山田を召喚する合言葉は、「おちんちん体操第二」。
死んじゃったひとがスピーカーに声だけ出てくるのはどう考えてもスキャンダラスすぎるだろうってんで。
クラスメート以外にはその事実はけして漏らさないようにしようと。
声と聴覚だけが利く山田が安心して登場できるように、日常会話では決して出てこない合言葉を考えたらそうなったと。
そうやって、しばらくクラス一の陽キャだった山田とクラスメートとの、ザ・男子校なクソくだらねえエピソードが展開され。
(たとえば山田の誕生日にプレゼント音声を届けるという選手権が開催され、参加した5人のうち3人がよかれとおもってアダルトビデオの録音を流したとか、そういう)
いっぽうで。
文化祭で2Eは、山田を追悼するような出しものをしたんだが。
そこにたまたま、山田のことを知ってるひとが2組訪れて。
1組目は、山田の中学の同級生男子。
彼らによって、中学時代の山田はおよそクラスの人気者とは程遠いキャラであったことが知られてしまったり。
2組目は、山田が校外で組んでたバンドのメンバー。
そのバンドでは、山田はボーカルとギターを担当してたものの、けして陽キャっぽくないキャラで。
バンマス(死語?)は、むしろバンドに山田を加入させたことを後悔してて。
山田の死後、3週間経った頃にはソッコーで新メンバーを入れたという。
要するに、山田は高校デビュー(しかも校内限定)ということがバレちゃって。
。。。あ、すんません。ちょっとネタバレしちった。
そんなことがありつつ、山田が亡くなってから半年以上経ち、クラスメートは3年生に進級する。
つまり、二Eのスピーカーのみに憑依してる山田とはお別れになるわけで。
同級生の進級とともに山田が成仏してチャンチャンとなるかとおもいきや。
山田は依然として二Eのスピーカーに憑依したままで。
あまつさえ、まだキクチは半分ぐらいまでしか読み進めてないわけで。
これからどうなるのさ????
ってとこ。
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ここまでただのアウトライン説明なのに長くなりすぎちった。
ござる。。。
いや。
出オチからここまでも十分おもしろかったケド。
この先もクソおもしろそうじゃん?
残り半分近くを、「山田は成仏できずに教室のスピーカーにとどまったままさびしく過ごしました」ってなるわけはないだろうし。
時とともに当然、元2Eのメンバーとは物理的に距離が離れてくだろうし。
これも物理的に、山田は高2のままだけどクラスメートはどんどんオトナになってゆくわけで、そこらへんの精神的なギャップはどんどんあらわにならざるを得ないだろうし。
あるいは、もしどこかの時点で山田が成仏するタイミングがあるとするならば、物語としてそれがどのようにおこなわれるのか、とかとか。
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。。。
*
さてさて。
半分ぐらい読み進めるなかで、すでにいろんなことを考えてしまって。
ここでそのどれを切り取ったらいいものか、チョー悩む。
高校のおんなじクラスという、青春特有の「刹那的な箱」のせつなさ(ダジャレのつもりで言ったんじゃない!)とか。
高校デビューって言うと、大学デビューとか社会人デビューもひっくるめてちょっとだせえシンボルみたいに言われがちだけど、転機・じぶんが変わるチャンスという意味ではとても大切なものかもしれないなとか。
むしろ凡人の日常生活において、あ、転職とか転勤もおんなじだとおもうが、高校デビュー?でけた山田がそうであったように、そういうイベントによって逆にてめえの新しい側面を試す・知ることができるいい機会ということもでけて。そこらへんの機微とか。
(それはあくまで生まれてこのかた地底深く潜伏してる超絶陰キャ人見知りキクチにとっては空想上のものでしかないんだが、ま、そういうものなのかなって想いをめぐらすこともできるわけで。)
あるいは、じぶんがいなくなった後の世界、身のまわりのひとのこととか。
もっと青臭いこと言うと、存在がなくなってちょっと経ったらたぶん忘れ去られちゃうじぶんっていうものに対する恐怖?とか、じゃあいまのこの存在っていったい何なんだろうとか。
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あ、やっぱり。
人生の局面局面における「箱」の刹那感みたいなことをいちばん考えちゃうかなあ。
刹那的であるからこそ、という意味合いも含めて。
なんだが。
長くなっちゃったので、ここでやめとく。
明日かあさってには読み終わっちゃうだろうから、気が向いたら読後感想文はそこで。
やんねえフラグぇ。。。